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【※以下ネタバレ】
シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ
第93話 王家の血 (中編) The Falcon Part2 (シーズン4 第15話)
あらすじ
結婚式から花嫁を救い出す計画を実行に移すIMFチーム。しかし、その時バーニー(グレッグ・モリス)に一大事が!彼女にも危機が迫る。フィアンセ救出作戦は果たして成功するか!?
結婚式から花嫁を救い出す計画を実行に移すIMFチーム。しかし、その時バーニー(グレッグ・モリス)に一大事が。彼女にも危機が迫る。フィアンセ救出作戦は果たして成功するか!?
【今回の指令】
承前
【作戦参加メンバー】
レギュラー:フェルプス、パリス、バーニー、ウィリー
ゲスト:トレーシー、セバスチャン
【作戦の舞台】
某王国
【作戦】
「王家の血 (前編)」の続き。
パリスは窓をよじ登り無事自分の部屋に戻る。
サバティーニ将軍の腹心バルガス大佐は、実は将軍に対する忠誠心は欠片も無く、内心では今の立場に不満を抱いていた。そしてアジア某国の政府からは、将軍を殺して権力を奪った暁には全面的に支援するとそそのかされていたが、まだ行動に踏み切れずにいた。
IMFの工作で、将軍とフランチェスカの結婚式を取り仕切る司教の到着が遅れていた。奇術師ザストロ(パリス)の奇術ショーは、本来なら結婚式の後の余興のはずだったが、パリスはスケジュールが詰まっているので予定は変えられないといって、強引に結婚式の前にショーを始めてしまう。そしてニコライ王子を相手に瞬間移動マジックを演じるふりをして、ニコライを眠らせて隠してしまい、自分がニコライに変装する。そして隠れていたセバスチャン(パリスの変装をしている)が以後パリス役を演じる。
トレーシーは「透視術の大家マダム・ビンスキー」を演じ、トリックで人の心を読むふりをしたりして能力をアピールした後、思わせぶりに「このあとある人に大変なことが起きる」と予言する。
そして司教がようやく来たため結婚式が始まるが、フランチェスカはパリスから受け取っていた空砲の銃と血のり・薬を使って、誤って銃で自分を撃って死んだように見せかける。ニコライ国王に変装しているパリスは、すぐにフランチェスカを納骨堂に葬るように指示する。
IMFの計画ではバーニーが納骨堂に穴を開けフランチェスカを助けるはずだったが、バーニーが事故で頭を打って視力を失ってしまう。フェルプスはバーニーに無線で指示して納骨堂まで行かせ、なんとかフランチェスカを救出させる。そしてバーニーたちはザストロの大道具の箱に忍び込み、眠っているニコライ国王共々王宮から運び出されて脱出に成功する。
一方バルガス大佐は、トレーシーがフランチェスカの死を予期していたと信じ込み、彼女を強引に宮殿に残らせる。
やがてフェルプスが王宮を訪れ、将軍に対し、ある男が自分の元に王宮の宝石を持ってきて売るように交渉してきたと話す。将軍たちが慌てて王石室を調べてみると、王冠も含めて全ての宝石が偽物なので、フェルプスの話を信じる。フェルプスはその「男」とは死んだことになっているステファン王子だと暗示し、「もし生きていれば宝石の隠し場所を聞き出すことが出来たのに」という。将軍はフェルプスをステファンのいる刑務所に連れていくことにする。
ニコライ王に変装しているパリスは、将軍の部屋の隠し金庫を開け、メモにバルガスの名前を書き込む。一方トレーシーはバルガスを呼び出し、将軍が持っている粛清リストにバルガスの名前が有るので、先手を打って将軍を殺すべきだと忠告する。そしてそのリストは将軍の部屋の隠し金庫にあると言い、(パリスが調べた)金庫を開ける番号も教えたので、バルガスは早速調べに行く。パリスがまだ部屋にいるのに、バルガスたちが部屋にやってこようとしていた。「後編」に続く。
監督: レザ・S・バディイ
脚本: ポール・プレイドン
感想
評価は○。
スパイ大作戦初にして唯一となる「前・中・後編」の三部作の中編。中身の薄かった「前編」とは違い、ようやくIMFの計略が色々と発動したおかげで、前編よりは楽しめたエピソードだった。
スパイ大作戦の続き物エピソードの定番として、放送時間を引き延ばすため、「メンバーに不測の事態が発生し計画が失敗しそうになる」というイベントが発生する。今回は床下を這っていたバーニーが木か腐っていた場所から転落して失神してしまい、なんとか目を覚ますものの、頭を打ったショックで視力を失ってしまう。慌てたバーニーはフェルプスに「作戦を中止しよう」とまで弱音を吐くが、フェルプスは無線でバーニーを誘導してなんとか任務を達成させようとする。しかし行く手には、想定外の穴が開いていたりして、なかなかうまく先に進めず、視聴者としてはハラハラさせられる。
普段のエピソードでは任務中の危機と言っても「隠れているところを見つかりそうになった」とか「機械が故障して動作しなくなった」とかいう程度で、CMが終わればすぐに解決する程度の事なのだが、今回は任務続行が不可能になるくらいの重大事態で、さすが三部作という感じではあった。まあ、もっともちょっと時間がたつと視力は回復してしまったので、拍子抜けしてしまったが……
今回傑作だったのが、パリスの奇術ショーで瞬間移動マジックを演じるシーンである。あらかじめパリスは素顔の上にニコライ王の変装マスクを被り、さらにその上から「自分の顔のマスク」を被って自分に変装している。そしてショーでは、まず右の箱にニコライ王が、左の箱にパリスが、それぞれ入る。右の箱にはパリスそっくりに変装したセバスチャンが待ち構えており、ニコライを薬で眠らせるとすぐさま箱から出て来る。そして左の箱のパリスは、変装をむしり取ると、その下に用意していたニコライ王の変装が現れ、そのまま箱の外に出る。こうすると左右の箱に入った人間が入れ替わったように見える、という複雑なトリックである。
この一連のシーンは、前回ほぼ出番がなかったセバスチャンの事を覚えていないと全く訳が分からないので、このあたり昔の視聴者は頭を悩ませたのではないだろうか。
またトレーシー演じる透視能力者マダム・ビンスキーの役回りもやたら面白かった。まずパリスが変装したニコライに数字をメモしてもらってそれを透視するという出し物をするが、当然あらかじめパリスと打ち合わせているので当たって当然である。またイヤリング型の受信機を経由して、「司教が宮殿に到着した」という情報をあらかじめ教えてもらい、それをさも透視したように見せかけて観客を感心させるシーンとかもあり、ネタが解っている視聴者から見れば面白くてたまらなかった。
これに騙されて、バルガス大佐はトレーシーの透視能力を信じ込んでしまい、トレーシーに心酔して、彼女の「予言」をどんどん受け入れていくさまが実に愉快だった。おそらく次回はバルガスを上手く誘導して将軍を始末させるはずで「突拍子もない設定を信じさせる」「悪党同士を仲たがいさせて自滅させる」というスパイ大作戦のおなじみの展開になってきたのでワクワクしてきた。こうなると「後編」も俄然楽しみになってきたというところである。
今回の中盤までで王宮内での作戦は終了し、将軍とフランチェスカの結婚式を中止させると同時に、フランチェスカ・ニコライの二人を将軍の元から救出する、という課題は達成した。そして後半と次回を使ってステファン王子の救出作戦が実行される見込みである。三部作という大ボリュームにしたのも、あながち理由も無い事でもなかった様である。
ところで、サブタイトルとなっている「Falcon ハヤブサ」は、今回全く登場しなかった。こうなると、もう少し実態に即したサブタイトルをつけるべきだ、という気がする。
参考:今回の指令の入手方法
承前
参考:指令内容
承前