感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第131話(シーズン6 第4話)「殺し屋製造工場」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン6」あらすじ・感想まとめ

 

第131話 殺し屋製造工場 Mindbend (シーズン6 第4話)

 

あらすじ

犯罪組織が心理学者と手を組み、脱獄囚を洗脳、要人暗殺を行なわせている。バーニー(グレッグ・モリス)が脱獄囚になりすまし、心理学者のもとに潜入。計画が失敗しバーニー洗脳され政治家を暗殺してしまうのか。


犯罪組織が心理学者と手を組み、脱獄囚を洗脳して要人暗殺を行わせている。バーニー(グレッグ・モリス)が脱獄囚になりすまし、心理学者のもとに潜入する。しかし計画が失敗しバーニーが洗脳されてしまう。果たして政治家を暗殺してしまうのか!?

【今回の指令】
 シンジケートのボスのアレックス・ピアソン(Alex Pierson)は、心理学者バーク博士(Thomas Burke)と手を組み、脱獄囚を洗脳して暗殺者に仕立て上げ、今までに少なくとも三人の要人を暗殺している。しかし暗殺者は洗脳により犯行後に自殺してしまうため、警察は証拠が得られていない。IMFはピアソンとバークのこの犯罪に終止符を打たなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、バーニー、ケイシー、ウィリー
 ゲスト:ティム・ウィリアムス


【作戦の舞台】
 アメリカ国内


【作戦】
 冒頭。ある男がバーク博士に洗脳され暗殺者にされたあと、往来でターゲットに向かって銃を乱射する。

 フェルプスがテープで指令を受け取る。

 IMFはピアソンとバーク博士が法廷で対決するように持っていくという方針を立てる。刑務所ではピアソンお抱えの医者が脱獄囚を整形して国外に逃がしてくれるという噂が流れており、そのため脱獄囚はピアソンを頼ってくるという訳である。

 IMFはバーク博士の秘密のアジトを突き止めるため、バーニーが先日捕まった脱獄囚に成り代わってバーク博士と接触し、アジトに連れていかれる。バーニーは洗脳を防ぐため二種類の強さの薬を飲むことになっており、まず最初の薬を飲む。しかしバーニーは、バーク博士の強烈な洗脳に耐え切れず、二個目の薬を飲めないまま完全に洗脳されてしまう。

 一方ケイシーは、ピアソン主催のパーティーに参加し、上手くピアソンと知り合いになる。そして自分のアパートに招待する約束をする。

 フェルプスはバーニーと連絡が付かなくなったため、こっそりバーク博士のアジトに潜入する。そしてバーニーの洗脳が終わっていて、既に誰かの暗殺に送り出されたことを悟る。

 同じころピアソンがケイシーのアパートにやって来るが、そこにバーニーに変装したIMFメンバーのティム・ウィリアムスが現れ、ピアソンに当たらないように銃を撃ちまくった後、アパートの窓を突き破って飛び降りる。ビルの下にはクッションを置いたトラックが待っていて、ティムはそこに着地するとトラックごとさっさと姿を消す。車の下の道路には、バーニーそっくりの人形が置いてあり、ピアソンたちにはバーニーが飛び降りて死んだように見える。

 ピアソンたちがケイシーに詰め寄ると、ケイシーは狼狽したふりをして、バーク博士に頼まれてピアソンをおびき出しただけだと弁明する。ピアソンはバーク博士が自分を殺すために暗殺者を送り出したと誤解し、バーク博士のアジトに乗りこむ。バーク博士は誤解だと言うが、暗殺ターゲットの写真がフェルプスによってすり替えられ、ピアソンの写真になっているため、ピアソンたちは激怒して博士を拷問し始める。

 フェルプスはピアソンの助手に同じ目に会いたくなければバーニーの暗殺対象を言えと脅し、副知事が狙われていると聞き出す。バーニーが副知事に銃を向けたところでウィリーが間に合ってバーニーを取り押さえる。

 後日。バーニーはすっかり回復している。フェルプスはバーク博士はピアソンをかばう気持ちはないらしいと説明し、一行が部屋から出ていくシーンで〆。


監督: マーヴィン・チョムスキー
脚本: ジェームズ・ブキャナン&ロナルド・オースチン


感想

 評価は(ぎりぎり)○。

 今回のエピソードはIMFの策略要素は控えめで、バーニーが洗脳されて危機に陥る、という展開がメインのサスペンス編だったため、評価はもう一つだった。


 このエピソードでは、シーズン6でフェルプスに次ぐ地位に上り詰めたバーニーが大活躍で、バーク博士の秘密のアジトや暗殺対象を突き止めるため、自ら敵地に飛び込む。シーズン5までの裏方任務がメインだったころからは考えられないような抜擢ぶりである。視聴者的には、チームから変装名人パリスがいなくなってしまい寂しく感じるのだが、バーニー役グレッグ・モリスにしてみると、シーズン6は自分の出番が増えて万々歳というところであろう。

 もっともバーク博士の洗脳の手段が予想以上に強力だったため、バーニーは本当に洗脳されて暗殺者に仕立て上げられてしまい、要人暗殺の寸前まで行ってしまう。このあたりのサスペンス展開は、あまりスパイ大作戦らしいとは思えず、個人的にはあまり好みではなかった。

 とは言え、今回の話はサスペンス尽くしという訳でもなく、IMFの策略もそれなりにはあり、バーニーに変装したメンバーがピアソンを狙ったふりをすることで、結果的にピアソンとバーク博士の仲間割れを引き起こす、という作戦は結構感心させられた。

 特にバーニーのマスクを被ったティム・ウィリアムスが、ガラスを突き破りつつ窓から飛び降りると、下に待ち構えていた車の上に着地してさっさと逃走し、その後にはバーニーそっくりの人形が置いてあって、ピアソンたちはバーニーが墜落死したものと信じ込む、というあたりの流れは、つい笑ってしまった。

 まあ、今回はバーニー大活躍のためのスペシャル回だったと割り切れば、そこそこには面白かったと言えなくもないレベルには達していたので、まあ良しとしたい。


 今回のサブタイトルの原題「Mindbend」は、正確な訳語は見つからなかったが、似た単語の「Mindbender」が「催眠術師」という意味なので、「Mindbend→催眠術」という解釈で間違いないと思われる。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが海辺の建物の屋上のフェンスの側とおぼしき場所に座り込み、足元の箱の上にはオープンリール式テープレコーダーが置いてあり、手には封筒を持っている。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」と言い、テープから煙が吹き上がる。

参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。シンジケートのボス、アレックス・ピアソンは行動心理学の分野における天才的心理学者バーク博士と手を握り、博士に刑務所からの脱走者を洗脳して暗殺者に仕立て上げ、これを使って今までに少なくとも三人の要人を葬ってきた。しかも、バーク博士による洗脳の結果、暗殺者は例外なく犯行後直ちに自殺してしまうため、警察ではその証拠が掴めずに苦慮している。

 そこで君の使命だが、ピアソンとバーク博士の共同作業になるこの要人暗殺に終止符を打つことにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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