【ブシロード】木谷取締役に聞いた『イケる!』と思うビジネスのタイミング 【新日本プロレス・バンドリ!】(1/4) - ウレぴあ総研
http://ure.pia.co.jp/articles/-/303150
ブシロードグループの創設者であり、現ブシロード取締役である木谷さんにインタビュー。バンドリ!制作秘話、最近イケメン格闘家が多い理由、働き方改革の本質……さらには、日本と世界を比較したスポーツビジネスの見方についても、くわしくお伺いしました!
木谷氏のインタビューは、いつ読んでも何を読んでもいちいち面白い、という稀有な方なのですが、今回もバンドリから国内海外のプロレスから、と色々語っていて凄く読みごたえがありました。
以下引用多めですけど、色々抜き出してみました。
●1.バンドリ!編
中村:バンドリ!を作るにあたって、大変だったエピソードはありますか?
木谷:彼女たち(Poppin’Party、Roseliaのメンバー)は声優さんでありながら、方向性の違いとか、普通のバンドと同じことが起こるんですよね……(初期の頃の話ですが)
バンドまでいくとワークじゃなくてアートになるんですよね。それぞれの生き様があるため、自己主張が入ってくる。
声優さんたちは時には1日10時間くらい練習とかしているんですが、これは誰もができることじゃない。
木谷:さらに競合を出さないために、2つのバンドの練習費だけで、300万円かけています。10人の先生が必要で、さらにスタジオ代がかかるので。
年間3600万円ですよね。そんな稟議どの会社でも通らない、それが大事です。
木谷:実は女性の方が勝負に真剣になるんですよね。
ヴァンガードのようなカードゲームをやってもらうと女性は強いですよ。
声優さんで比べてみても女性の方がすぐ強くなります。
女性は目の前の勝負に負けたくないんだと思います。
女性の格闘技は技術よりも気持ちで差が出ると聞いたことがあります。
男性は気持ちより技術ですよね。
だから、短期間で楽器がうまくなるのは女性ならではという感じがしますよね。
◆コメント
1日10時間練習とか声の仕事の方に影響でないんですかね……、あと練習の費用だけで年間3600万円とか凄いプロジェクトなんだなぁと。
●2.ゲーム編
ヴァイスシュヴァルツというカードゲームは、発売当時年間2億円しか売り上げが見込めないのに広告に2億円使っていました。
これで当たらなかったら会社が潰れてましたね。
◆コメント
なんつーか、綱渡りみたいなことばかりしていたんですね。まあ賭けに勝ったからバカでかい会社になれたわけで、そのあたりの嗅覚が成功者の資質なのでしょう。余人が真似できるものではなさそう。
●3.アニメ編
アニメ業界で今何が一番大変かというと、良いアニメのスタジオの枠をとること。
せっかくアニメがヒットしたのに次のアニメが早くて2年後、遅くて3年後になってしまう。
ヒットしてから枠をとるとそうなってしまうんですよ。
これからはアニメをやるなら最初から当てるつもりでやらないといけない。
でも、音楽があれば、間をライブでつなげるんですよ。
◆コメント
言われてみればなるほどですが、そういう観点で考えたこと無かったよなぁ。
●4.ネット配信編
木谷:そうですね。そしてこれからは、スマートテレビ(インターネットをテレビにつないで見られる展開)ですよね。
もう少し操作性がよくなっていくと思うので、2020年に爆発的に増えていくと考えています。
来年の年末商戦、それから再来年の夏の商戦は、家電メーカと家電量販店が、家ででかいテレビでオリンピックを見ましょうという商戦がはじまるんですよ。
中村:ヴァンガードの見せ方も配信が先行、すぐ後に地上波というように、変えられましたよね。
木谷:そうですね、スマートテレビの普及を見据えての展開です。
やっぱり、今は子どもほどYouTubeを見るんですよね。
決まった時間に動画を見るのは親だけです。
◆コメント
まあネット配信が主役になるというのは解るけどスマートテレビは無いだろうという気が……、いやでも成功者のいう事だしなぁ。来るのか、スマートテレビ?
●5.プロレス編
木谷:新日本プロレスは今期49億円。過去最高の売り上げとなっています。
世界のプロレス団体で2番目に大きい規模です。一番は、ご存知の通りアメリカのWWEです。
売り上げ比率でいうと20倍ほど。この差は何なのかというと、ほとんど映像に関することです。
アナログの部分だけでいうとそこまで差はないんですよね。映像コンテンツだけがかなり大きく差がついてしまっていますね。
◆コメント
新日が具体的にWWEに負けているのはテレビ放送なのか……、まあ向こうは世界100か国以上で放送しているとか言っているからなぁ。追いつける目はあるかな?
●6.その他編
木谷:日本人はロイヤルカスタマー(サービスやコンテンツに対して忠誠心の高い顧客)を重要視しすぎなんですよね。
中村:新しい層よりもそっちになっているところが多いかもしれないですね。
木谷:本当にいいコンテンツというのは、熱しやすく冷めやすく、また戻りやすいものだと思っています。
中村:身近でいうとどういうものがありますか?
木谷:プロレスが実はそうなんですよ。メンバーにあまり変更がないので、3年見ていれば飽きますよ。でもいつでも戻ってこられる。
常に新陳代謝がいい方が、古参(古いお客さん)が偉そうにならないし、新しいお客さんも入りやすくていいんですよ。だから僕はずっと、「すべてのジャンルはマニアがつぶす」って言っています。
◆コメント
この人は前から「マニアが業界を潰す」と繰り返していて、古参のプロレスファンの反発を食らっていましたが、こういう発想なのねぇ。
とまあ、あれもこれも抜き出したくなる面白インタビューでした。