【ゲームブック】感想「ALL ABOUT GAMEBOOK VOL.8 朝日ソノラマ編」(初版:2018年6月16日)

エイリアン地底魔城 (ハロー チャレンジャー ブック (3))
 
 ゲームブックを出版社毎に解説する、ゲームブックファンなら垂涎の書「ALL ABOUT GAMEBOOK」シリーズのご紹介です。
 

ALL ABOUT GAMEBOOK VOL.8 朝日ソノラマ編 オールアバウトゲームブック8 - ゲームブックのオンラインショップ トレーダーズ・ギルド
http://tradersguild.cart.fc2.com/ca46/2036/


■ 概要
朝日ソノラマ社のゲームブック全27作品を収録して解説した、当店オリジナルのデータベース書籍。
A5判 レーザープリンター出力本 カラー印刷 全111ページ。


■ 内容
実は「火吹山の魔法使い」よりも先に登場していたゲームブック界の隠れたパイオニア
超時空要塞マクロス平野俊弘氏、マシーネンクリーガー横山宏氏、魔女の宅急便佐竹美保氏、ファンタジーアートの大家の米田仁士氏など、挿絵に大物を揃えた純国産の魅力的なオリジナル作品群……でありながら、他社に先行したアドバンテージを生かせず、後発が作ったゲームブックのブームに乗ることも出来ずに儚く消えてしまった、悲しい先駆者である朝日ソノラマゲームブックの歴史とその数々を今ここに。
データベース、コレクションのチェック用、当時を懐かしむ読み物、今後購入するゲームブックの前知識、一種のカタログとして……など、用途は様々。

 

オールアバウトゲームブックとは?

 「ALL ABOUT GAMEBOOK」(オールアバウトゲームブック)シリーズは、中古のゲーム書籍やTRPGを扱うオンラインショップ「トレーダーズ・ギルド」のオリジナル商品の書籍で、1980年代に数年だけ大ブームとなったゲームブックのカタログ本です。

 内容は、まず対象の出版社がブーム当時どういう会社だったかという概要から入り、その会社のゲームブックの傾向を分析して、どのような方針で当時のブームに対応したかを記述。さらにブランドが有れば、そのブランド毎にも傾向を説明、そして最終的にブーム時やブームが去った後にどのように対応したか、そして現在会社がどうなったか、という事を説明しています。

 ここまででも十分な読みごたえが有りますが、その後が本番で、個々の作品毎に、タイトル・作者・発売日などの基本情報から入り、さらに内容紹介・評価・備考などこれでもかと詰め込んでいます。原作付きの作品の場合には、その原作についても十分に触れられているので、もう「至り尽くせり」としか言いようが有りません。
 

内容

 朝日ソノラマの三大シリーズの解説。


・ハローチャレンジャーブックスシリーズ
モニュメントの謎―撃突!第7機装兵団 (ハロー チャレンジャー ブック (6))

 全15作。一作目はあの「火吹山の魔法使い」より早い1984年9月に発売されており、日本で一番早く国産オリジナルのゲームブックを出したシリーズ。ガンプラで有名なあの高橋昌也氏が何作か書いていたり、平野俊弘氏がイラストを描いていたり、と意外な人名が飛び出してくるシリーズでもある。


・スター・チャレンジ・シリーズ
太陽虫(サンウオーム)の秘密 (ハロー チャレンジャー ブック―スター・チャレンジ・シリーズ)

 全10作。海外作品の翻訳。未来の宇宙で少年主人公が活躍する宇宙SF物。



・聖刻1092RPG シリーズ
荒野の探索者 (ソノラマ文庫―聖刻1092RPG)

 全2作。ゲームブックブームが過ぎ去った後の1992~1993年にソノラマ文庫から発売。TRPG「ワースブレイド」の世界を舞台としたゲームブックで、TRPGの資料的な意味もある作品。
 
 

感想

 朝日ソノラマの作品は、例によってウォーロックではほぼ全く無視されていて、存在をほとんど知りませんでしたので、本書でも新発見が目白押しでしたね。高橋昌也氏がゲームブックを書いていたのというのも初耳でしたし、また「スター・チャレンジ・シリーズ」なんてシリーズ名はこの本で初めて存在を知りましたよ。相変わらず勉強になりました。

 それにしても、初期の国産ゲームブック朝日ソノラマといい桐原書店といい、何故こうも「見るからに面白くなさそう」なのでしょうかねぇ。
 
 

他の巻の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

「オールアバウトゲームブック」シリーズまとめページ

perry-r.hatenablog.com
 
 
出発!スターへの道 (ハロー チャレンジャー ブック (1))
西風(かぜ)の放浪者 (ソノラマ文庫―聖刻1092RPG)