【経済本】「キミのお金はどこに消えるのか」(井上純一)は解りやすいけど、信用できるのか解らない……

キミのお金はどこに消えるのか

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キミのお金はどこに消えるのか
著者: 井上 純一
定価: 1,080円(税込み)
発売日:2018年08月04日

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大ヒットシリーズ『中国嫁日記』の著者・井上純一は、実は経済オタクでもあった!? 


ある日、円安で中国工場への送金が高くついた、とボヤく井上さんに、愛妻の月さんが「減った分のワタシたちお金、誰が取りマシタカ?」と返します。「こ、答えられない…というか、その発想はなかった!?」と衝撃を受けた井上さん、月さんの「お金に関する素朴な疑問」を題材に連載を始めることになりました。


知らなくても生きてはいけるが、知るともっと世の中が面白くなる「お金」の話が弱者切り捨て、高齢化社会増税、選挙、雇用問題など、誰もが知っている(しかし答えをもっていない)社会問題に絡めて語られます。監修 飯田泰之明治大学経済学部准教授)

 
 昔はイラストレイターやTRPGのデザイナーで、今は中国人の嫁さんをもらったおもちゃ会社の経営者、として有名な人が描いた経済本。基本的に漫画。旦那さんが嫁さんの疑問に答えて、経済のアレコレを説明していく、という内容。


 マルクスの理論とかお金の価値はどこから来るのかとか、今まで知らなかった経済についての色々を「明快に」説明してくれる本です。


 ……ただ、この「明快」というのがちょっと引っかかる。


 井上氏は

・税率を低くして公共事業にジャブジャブお金をつぎ込めば経済は良くなる
・税金はゼロまで下げて、収入は全て国債で賄えばいい
・政府銀行の人間はそんなことも知らないバカばかり。今の経済政策は何を考えてこんなことをしているのか全く意味不明。


と歯切れよく言い切り、読者に「なるほど!」と思わせてくれるのですが……、現実ってそんな簡単な物なんでしょうか? 「今の政府はバカ。世の中の問題はこんな簡単な方法で良くなるのに、俺ならもっと上手くやるよ!」って言うの、ポピュリストが良くやる手法じゃね?


 もちろん「政府や日銀の関係者が底なしの愚か者で、門外漢の井上氏が解るようなことも理解していない」のかもしれませんけど、こういう極端すぎる話は、まゆに唾つけて読んだほうが良いかもなぁ、という気になりました……
 
 
Q&A 日本経済のニュースがわかる!  2019年版