【トラウマ本】学研「わたしは見た死後の世界」(ジュニアチャンピオンノベルス)の思い出

臨死体験 上 (文春文庫)


 昭和40~50年代に青春を送った人ならご記憶だと思われるのが、学研の児童向けシリーズ本「ジュニアチャンピオンコース」。スポーツ・料理・動物や地理の知識、といった実用書も有れば、名探偵クイズといった推理小説好き向けの本も有り、果てUFOや未知の生物等オカルト分野を扱う本まで、子供が興味を持ちそうなことを手広く扱う大ヒットシリーズでした。

 そして、学研は「コース」の本と同じサイズですが、やや読み物要素の強い「ジュニアチャンピオンノベルス」という姉妹ブランドも設立して本を出していました。ただしこちらは「コース」と違い重いテーマが多かったからか「コース」ほどには成功しなかったような印象が有ります。


 で、先日ネットを検索していて、そんな「ノベルス」の中でも、私に強烈なインパクト、というかトラウマを与えた一冊の本を再発見してしまいました。その名も「わたしは見た死後の世界」(!) 身内が所有していたので読んだのですが……
 
 

まんだらけ通販 | 学習研究社 ジュニアチャンピオンノベルズ/『わたしは見た死後の世界』
https://order.mandarake.co.jp/order/detailPage/item?itemCode=1052857402

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 この表紙絵からして……、『インドかどこかの女性ぽい人がポーズを取っていて、その周囲に花が咲いているものの、花をよく見ると人の顔が浮かんでいる』……、今から見るとなんてことはない絵なのですが、子供時分には得体のしれない不気味さに震え上がりました……


 また内容も

・第1章【私の見た死後の世界】
 死からよみがえった人はたくさんいる、その人たちが語る死後の世界とは・・。

・第2章【死霊が語る死後の世界】
 死後の世界から現れた死霊が語る、死後の世界をここに紹介!?

・第3章【今むかしの人が考える死後の世界】
 人間はどのように死後を考えたかいろいろに考えを調べてみよう。

・第4章【名作に見る死後の世界】
 死後の世界は文学作品の中にも現れる、代表作をしょうかい。
 

 と「臨死体験」「霊媒」「宗教」「文学」という構成で、別にホラーで攻めている訳でも無い穏当な(?)内容なのですが、この当時は「死ぬこと」とかそういう事を考えるだけで怖くて仕方なくて、死後の世界云々というテーマだけでうなされそうでした。


 特に霊媒が死んだヒトラーの霊と交信して、「死んだ後見渡す限りの沼地のような場所で、足を取られながら延々と歩き続けている」という話は50年くらい前に読んだのに未だに忘れられません。オチの付け方が「ヒトラーは犯した罪のため永遠に地獄を歩き続けているのだろうか」みたいな感じで、インパクト強かったなぁ。


 テーマから見て、21世紀の編集者がこんな本を企画することは1000パーセントあり得そうに無い訳で、昔はすごい本が子供向けに出ていたんだなぁと感じます……



■おまけ

 同名の本が、「ジュニアチャンピオン【コース】」の方でも発売されているのを発見。表紙も「ノベルス」版と比較してマイルド。どっちが先に出たのかな。多分「ノベルス」が先でブランドを廃止した際に「コース」の方に本を組み込み直したのでは、という予想なのですが…… 逆だったりして?
 

http://supekuri.shop-pro.jp/?pid=107680653
わたしは見た死後の世界〈怪奇〉ジュニアチャンピオンコース19


著者:中岡俊哉
表紙:岩本光正
イラスト:足立守・石井治・田中善之助・成瀬教富


第1章【私の見た死後の世界】死からよみがえった人はたくさんいる、その人たちが語る死後の世界とは・・。
 1. 11回も見てきた死後の世界
 2. あの世で呼びとめたなき夫
 3. この世とつなぐ801階段者
 4. そこは火の海だった
 5. かみついて放さないドクロ師
 6. 死んで見てきた自分の葬式
 解説・超心理学と死後の世界


第2章【死霊が語る死後の世界】死後の世界から現れた死霊が語る、死後の世界をここに紹介!?
 1. 電波にのった左卜全さんの霊
 2. 霊界で死者を治療するアリゴー
 3. 心中夫妻を呼んだ四人の招霊者
 4. 死者の声を録音した科学者グループ
 5. 催眠術で霊を呼ぶインドの招霊師
 6. 死後28年後に語るヒトラーの霊
 7. まだまだある招霊の実態
 解説・心霊科学と死後の世界


第3章【今むかしの人が考える死後の世界】人間はどのように死後を考えたかいろいろに考えを調べてみよう。
 1. 未開人の考える死後の世界=正者と変わらぬ死後の姿
 2. 現代人が考える死後の世界=宗教に導かれる死後観
 3. 宗教が教える死後の世界1=死後に待つ地獄・極楽の世界
 4. 宗教が教える死後の世界2=永遠の楽園・天国
 5. 心理科学が教える死後の世界=エクトプラズムのただよう世界
 解説・宗教と科学と死後の世界


第4章【名作に見る死後の世界】死後の世界は文学作品の中にも現れる、代表作をしょうかい。
 1. 日本の名作「蜘蛛の糸
 2. ギリシャ神話「死者の国への旅」

死後の世界 ~日本人の生死観と「臨死体験」のすべて (別冊宝島 2113)