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age official 君が望む永遠MEMORIAL ART BOOK 大型本 2002/11
バカ王子ペルシャ (著), アージュ (著)
出版社: メディアワークス (2002/11)
発売日: 2002/11
【※以下ネタバレ】
アージュが放った渾身の恋愛AVG『君が望む永遠』。その現存する原画&着彩見本すべてを網羅し、特製クリアケース付。 描き下ろしの表紙ほか、バカ王子ペルシャ氏のイラストも満載。
対象ゲーム一言紹介
「君が望む永遠」。アージュ。AVG。2001年8月3日発売。PC用18禁ゲーム。
恋愛AVG。高校三年生の鳴海孝之は、知人の速瀬水月の親友である涼宮遙に告白され、遥と付き合うようになった。しかしやがてある事件が発生し、三人の関係は全く変わったものになってしまう……
2001年に、エロゲ業界に大旋風を巻きおこしたゲーム。アージュは1990年代後半から地味に活躍していたメーカーだったが、この作品はそれまでの作品と違い学園恋愛要素を思いっきり前に出してとっつきを良くしつつ、単なる甘い恋愛ストーリーではない衝撃展開も用意していて、その辺りが評判を呼んだ。
アージュはプロローグとなる「第一章」(プレイ時間3時間程度)を雑誌の付録などで無料で配布し、アッと驚く結末のまま〆にしたため、「この続きはどうなるのか?」と発売前の熱狂はそれは凄い物があり、作品が発売されるともう大ヒット。テレビアニメ化も果たし、アージュはこの作品の成功で業界のトップブランドの地位を掴んだ。
(※ゲームは未プレイ:この作品の発売前の夏に入ったあたりから仕事がクソ忙しくなり、「なんでプレイできないんだよ……」と悔し涙状態だったのでよーく記憶してします)。
本の内容
・ヒロイン前の名場面集的なもの。CGと劇中の台詞を並べてそれっぽく構成。
・キャラ紹介
・版権イラスト
・キャラ設定線画
・用語集
感想
評価は△(ゲームのムックとしては失格)
2001年最大級の話題作、「君望」こと「君が望む永遠」のムック。当時存在したエロゲ雑誌「電撃姫」の派生ムックですが……、プラスチックのケースに収められた豪華本仕様ですが、内容がクX。
大半を占めているのが、ヒロイン毎の、ゲーム中のCGと台詞を抜き出した名場面集的な物で、まあプレイした人間には振り返りに丁度いいのかもしれませんが、内容を知らない人間には何が何だかさっぱりわかりません。
そもそも、基本的なゲームの紹介もストーリーの説明も無く、あまつさえムックの最後にはライターによる「君望って凄いゲームだよね」という甘ったるいポエムの様な感想文が掲載されているなど、はっきり言ってゲームの紹介本の体をなしていません……
と、タイトルをよく見たら「メモリアルブック」とあった……、ははぁ、つまりプレイした人向けの思い出共有本ということですかね。同人誌的なアレですね。
という事で、ゲームの内容を後世から振り返れるようなものではなく、その時のノリで作ったような誠意の感じられない作りです。未プレイの人間にはちりほども役に立ちませんでした。当時のゲーム雑誌に掲載されていた紹介記事とか攻略情報の方が50倍役に立ったわ!
あんな有名な作品なのに、ゲームのムックはこんなんしかないんかい……、意外と本には恵まれてなかった作品でしたな……
余談
・アージュは君望の後、2003年に世界観を共有する姉妹作「マブラヴ」を発売、こちらも負けずに大ヒットを飛ばし、完璧にトップブランドの地位を確立しました。しかしその後、出す作品がほぼ全て「マブラヴ」関係になり、マブラヴ専門会社化。マブラヴが小説やアニメで大展開していくと、そもそもエロゲメーカーですらなくなり、エロゲ業界とは縁遠い会社に……
で、その後色々あったようで、2017年にエイベックスの子会社化したようです……、まあ滅亡決定のエロゲ業界でやっていたよりよっぽど賢く生き延びたと言えましょうか。
・声優・歌手のMinami(元:栗林みな実)は、この作品で遥の声を当てたことで有名になり、以後歌の仕事でステップアップしていくことに。結構長い間アージュとコンビ(?)を組んでいました。