http://www.amazon.co.jp/dp/4799008595
THE 地雷エロゲー 単行本 アダルト, 2016/10/28 [アダルト]
前田尋之 (監修)
単行本: 128ページ
出版社: オークス (2016/10/28)
発売日: 2016/10/28
【※以下ネタバレ】
内容
18禁ゲーム(通称エロゲー)の中から、ネットスラングで「地雷」と呼ばれるゲームをピックアップして紹介した本。1990年代から2010年代まで約20年間の期間から、作者がこれはと思う作品を取り上げ、どういう理由で地雷としたのか、発売当時の状況、後日談、といった内容が記載されている。
この本の定義では「地雷」とは「クソゲー」ではなく「ユーザーの期待と現実の内容が乖離したゲーム」となっているため、紹介されている作品は「出来が悪くてまともにプレイできない未完成品」などの他に「発売前のイメージとは全く違ったシナリオだった」という様な作品も含まれている。そのため、後に「名作」といわれるようになっている作品も含まれている。
最終章は、作者の前田氏と、マンガ原作者はまむらとしきり氏&漫画家村正みかど氏の三者による対談。はまむら&村正氏はビッグコミックスピリッツでゲーム業界漫画「エロゲの太陽」を描いていた人たちだが、その昔はエロゲ会社の社長&グラフィッカーで、前田氏も同じ会社に勤めていた仲。三人でエロゲ開発業界の内輪話を開陳。
内容は以下の六章構成。
1.未完成品を発売してしまった!
「魔法少女アイ惨」「ひしょ×ひしょ」「Garden」「Summer Days」「みずいろ」「雛といっしょ」他
2.メーカーの力量不足だった!
「戦極姫」「奴隷(オベイ)」「私は私のまま誰にでも変われる」「カスタムメイドオンライン」「SM調教師・瞳」他
3.メーカーがド天然だった!
「わくわく惑星プリンセス」「やきにくくりぷうぴ」「お兄ちゃん受信中」「JK辱処女」他
4.完成品が予想の斜め上だった!
「さよならを教えて」「終ノ空」「ジサツのための101の方法」「蔵の中はキケンがいっぱい」「鬼うた。」「マブラヴ」他
5.こんなゲーム見たことない!
「デブプラス」「The ガッツ!」「女装山脈」「好き好き大好き!」「僕らのいきなり同棲計画!」他
6.地雷エロゲーに関わった男たち
感想
評価は△。
作者は「ホビーパソコン興亡史」や「ぼくたちの美少女ゲームクロニクル」といったゲーム業界本を手掛けている前田氏。
「地雷」とは何か、というものは個人の嗜好に左右されて厳密に定義できるものではないので、資料というよりは『作者氏がブログに書いたものが本になって出版された程度』の内容、というか「クソゲーオブザイヤー」の文章にCGを加えた程度の内容、というか、そういうレベルの本です……
まあ「魔法少女アイ惨」がダメゲーというのは当時の騒ぎを知る人ならまあ異存は無いと思いますが、ライアーソフトの「エンジェルバレット」が土下座ゲームだから地雷だとか、シルキーズの「姫騎士オリヴィア」がエロシーンでパンツを脱がないから地雷だとか、困惑するようないちゃもんの付け方をしている作品も多々見られ「やはり前田尋之本だなぁ…… ┐(´-`)┌」と感じさせられました。
挙句に、あらかじめパッケージに警告文がたっぷり書かれていた「さよならを教えて」も狂気シナリオだから地雷、という評価に至っては…… 期待との実際の内容の乖離という条件すら満たしてないですけど……?
というわけで、本の制作方針がぶれているというか、この本こそタイトルと中身が乖離してないか? とか突っ込みたくなる内容ですが、一種のネタ本として読む分にはまあ悪くはないんじゃないでしょうか? ちなみにめちゃくちゃ字が小さいので目が悪い人には辛い本だと思います(笑)
2019年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ
perry-r.hatenablog.com
ぼくたちの美少女ゲームクロニクル
ぼくたちの美少女ゲームクロニクル2