【SF小説】感想「ツーノーザー救出作戦」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 602巻)(2019年10月3日発売)

ツーノーザー救出作戦 (宇宙英雄ローダン・シリーズ602)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122512
ツーノーザー救出作戦 (宇宙英雄ローダン・シリーズ602) (日本語) 文庫 2019/10/3
H・G・フランシス (著), H・G・エーヴェルス (著), シドラ 房子 (翻訳)
文庫: 271ページ
出版社: 早川書房 (2019/10/3)
発売日: 2019/10/3

【※以下ネタバレ】
 

指揮エレメントによって1600年の過去に送りこまれたローダンは、殺されそうになって危機一髪のところを時間巡回者に助けられた!


ペリー・ローダンはエレメントの十戒の道具であるアンドロイド、ウェイリンキンとともに、2402年のアンドロ・ベータ星雲へと遷移させられた。そこでは島の王たちがツーノーザー種族を全滅させる寸前だった。ウェイリンキンがかれらの悲惨な未来について予言したため、自暴自棄になったツーノーザー種族にローダンは殺されそうになるが、危機一髪で助かる。それはかれに興味を持った時間巡回者、ニゼルのおかげだった……

 

あらすじ

◇1203話 時間巡回者(H・G・フランシス)(訳者:シドラ 房子)

 ローダンはツーノーザーに殺されかけるが、時間を自由に移動する種族「時間巡回者」の一人・ニゼルに助けられ、ウェィリンキンの元から逃走した。ローダンはニゼルにツーノーザー種族の救助を依頼し、ニゼルは時間エレメントの解放を条件にそれを承諾した。(時期:不明。NGZ427年12月頃)

※初出キーワード=時間巡回者、時空士



◇1204話 ツーノーザー救出作戦(H・G・エーヴェルス)(訳者:シドラ 房子)

 ローダンは時間パラドックスを起こすことなくツーノーザー種族を助けるため、彼らを1600年後の未来へと連れていく計画を立て、ゲシールたちに受け入れ準備を依頼した。NGZ428年2月、数百万人の時間巡回者が二百憶のツーノーザーたちを未来に移動させ、ツーノーザーは滅亡の危機を脱した。カッツェンカットは時間エレメントを投入して時間巡回者を攻撃しようとするが、ローダンの仕掛けた罠に陥り、時間エレメントは全て逃走してしまった。帰還したローダンは、“それ”から、クロノフォシル・アンドロ・ベータが活性化されたこと、アトランとジェンが深淵で活動していること、を知らされた。(時期:NGZ427年12月7日~428年2月3日)

※初出キーワード=プシ活性化フェロモン、ミイラ艦隊、スタルセン、創造の山


あとがきにかえて

 2019年に発売された「Perry Rhodan Das größte Abenteuer」(作者:アンドレアス・エシュパッハ)という小説の話。

Perry Rhodan - Das größte Abenteuer
Perry Rhodan - Das größte Abenteuer: Roman (German Edition)


感想

 前半エピソード … 唐突に出現した「時間巡回者」のニゼルの冒険談が半分、残りは突然時間移動能力を獲得したローダンとウェィリンキンの時間を駆け巡りつつのバトルが半分。突然ローダンが時を駆ける能力者と化して、宇宙の「時間シュプール」を駆け巡るアクション物となっており、「自分は一体何を読まされているのだろうか……」と自問自答したくなる内容でした……、サイクルの初めからいきなりこれですか。


 後半エピソード … 序盤は、前回からひき続き、ローダンが時間を疾走して、ビッグバンの一秒前に有るという時間の果て「限界時間」に到達して苦闘したり、と、やはり「どこがローダン・シリーズなのか」という展開ですが、後半は現在も舞台になってゲシールやらグッキーやらも出てきて、なんとかローダンらしい雰囲気に戻りました。

 「突然出現した種族が全力で力を貸してくれて、そのおかげで話にオチが付く」という、デウス・エクス・マキナというか、ご都合主義も甚だしいというか、の回ではありましが、しかし、最後に“それ”が現れて「ローダンよ、時間巡回者に出会えて幸運だったな」とかコメントしていたので、全くその通りと思いつつ、“それ”が言いたいことを言ってくれたので、なんとなくすっきりしたというか、まあ読後感は悪くは無かったです。
 
 
 

600巻~650巻(「クロノフォシル」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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