【ミステリー】感想:歴史ミステリー番組「ダークサイドミステリー」(2020年版)『高度3000m! 空の密室から消えた男 ~伝説の完全犯罪 D.B.クーパー事件~』(2020年6月4日(木)放送)

D.B. Cooper: Case Closed? Season 1

ダークサイドミステリー NHK https://www.nhk.jp/p/darkside/ts/4847XJM6K8/
放送 NHK BSプレミアム。毎週木曜夜9時放送。

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

他の回の内容・感想

perry-r.hatenablog.com
 

本当の謎は、人間の闇
背筋がザワザワ、心がドキドキ、怖いからこそ…見たくなる!
世界はそんなミステリーに満ちている。
未解決の事件、自然の脅威、不思議な伝説、怪しい歴史など、謎と恐怖の正体に迫ります!

 

高度3000m! 空の密室から消えた男 ~伝説の完全犯罪 D.B.クーパー事件~ (2020年6月4日(木)放送)

 

内容

ダークサイドミステリー「空の密室から消えた男~伝説の完全犯罪クーパー事件~」
BSプレミアム] 2020年6月4日(木) 午後9:00~午後10:00(60分)


FBIや空軍を相手にたったひとりで成し遂げられた伝説の未解決ハイジャック!息づまる頭脳戦!アクション映画のような脱出!あなたの常識をひっくり返す衝撃の犯罪実録。


こんなスゴい事件、他にない!その男はたったひとり、銃や刃物を持たず、乗客が気づかぬほど紳士的に旅客機を乗っ取った。通称D.B.クーパー。空港で包囲するFBIを頭脳戦で翻弄し、1億3千万円の身代金を奪取。上空では空軍のジェット戦闘機の監視をあざむき、なんと飛行中の旅客機から姿を消した!いったいどこへ?事件から50年、巧みな戦略とアクション映画のような脱出劇で、今も伝説として語られる、衝撃の犯罪実録。

【ナビゲーター】栗山千明,【ゲスト】小宮信夫,未須本有生,【語り】中田譲治,【司会】青井実,【声】森川智之

 
 今回のテーマは、アメリカ唯一の未解決ハイジャック事件「D.B.クーパー事件」。


●ハイジャック発生

 1971年11月24日。感謝祭の前日。感謝祭とは、日本の正月の様な祝日で、この時期は四連休になる州も多く、休日ムード一色だった。この日、オレゴン州ポートランド空港で、ダン・クーパーを名乗り搭乗券を購入した男が、ノースウエスト305便に乗り込み、客室の最後尾に座った。

 午後2時58分。ノースウエスト305便はワシントン州シアトルに向け出発。予定された飛行時間は一時間足らず。離陸直後、クーパーは客室乗務員のフローレンス・シャフナーにメモを手渡した。シャフナーはデートの誘いだと思い、読まずにしまおうとしたが、クーパーはすぐ読むようにと声をかけた。

 そのメモには「私は爆弾を持っている。隣に座ってほしい」と書かれており、慌てたシャフナーが指示通り座ると、クーパーは持参したアタッシュケースを開き、ダイナマイト・バッテリー・コードらしきものを見せた。そして「午後5時までに現金20万ドルを用意するように」と指示し、コクピットに伝えさせた。当時の20万ドルは現在の120万ドル(約1億3000万円)に相当する。パイロットはすぐにシアトルの管制塔にハイジャック発生を連絡した。

 午後3時13分。シアトルの管制塔はすぐに警察に通報。航空機のハイジャックはFBIの管轄のため、すぐさまFBIシアトル支局の局員が空港に向かった。

 アメリカでは、ハイジャック自体は1960年代後半から多発していたが、それらは大抵社会主義革命で国交が断絶したキューバ行きを要求するものだった。航空会社は犯人の言うとおりにキューバに行って帰ってくれば良いので、当時ハイジャックは「キューバ急行」と揶揄されるほど軽い事件として扱われていた。また、当時は空港での保安検査というものは行われておらず、クーパーは楽々爆弾を持ち込むことが出来たのだった。

 クーパーは、意外にもハイジャック犯とは思えないほど落ち着いた態度で、客室乗務員にバーボンを注文するなど、終始余裕を見せ、暴力などには一切走らなかった。そのため、他の乗客たちはハイジャックされていることに全く気が付いていなかった。



●シアトル空港の攻防

 午後5時39分。身代金の準備が出来たため、ノースウエスト305便はシアトル空港へ着陸した。FBIはターミナルと滑走路周辺に狙撃手を配置し、突入の準備をして待ち構えていたが、飛行機はターミナルから離れた、周囲に何も無い明るい場所に移動してしまう。しかも全ての窓はブラインドが下ろされていた。これらは全てクーパーが乗員に指示して行わせたことだった。これで、クーパーはFBIの狙撃も突入も封じてしまった。そして、クーパーは、着陸後すぐに給油の開始を指示した。

 FBIは身代金の受け渡しの際に逮捕しようと、職員に変装したFBI捜査官が、クーパーの目の届かない機体前方に車を止め、前の出入り口から入り、隙を見て取り押さえる、という作戦を立てる。

 午後6時00分。クーパーは、車を機体後方の目の届く範囲に止めるように指示し、自分が車を見張る一方で、、客室乗務員のティナ・マックロウを使って金を受け取らせた。そのためFBIの計画は完全に封じられてしまった。

 クーパーが金を受け取った後、ティナ・マックロウはクーパーに乗客の解放を頼み、クーパーはそれを受け入れた。午後6時10分。乗客全員と、ティナ・マックロウを除く客室乗務員二人が解放された。乗客は飛行機から降りて初めて、自分たちの乗っていた飛行機がハイジャックされていたことに気が付いたのだった。

 機内に残っているのは、クーパー以外では、パイロットたち三人と客室乗務員一人の計四人だけとなった。FBIはコクピットに外からはしごをかけ、窓を外して四人を逃がし、犯人だけを機内に取り残す、という作戦を立案する。ところがクーパーは離陸するまでマックロウに自分の側から離れないように指示し、またしてもFBIの計画を封じてしまう。



●空の密室からの脱出

 午後7時39分。クーパーと人質四人を乗せた305便は離陸した。クーパーは、給油中の午後6時20分に、次の行き先としてメキシコシティーを指示していたため、FBIは追跡のためアメリカ空軍に協力を要請し、空軍は最高速度マッハ1.9のF-106戦闘機二機を派遣していた。戦闘機二機は305便の上と下を飛び、クーパーを逃がさないようにした。

 実はクーパーは離陸前、パイロットに「ランディングギアを出したまま、フラップを15度に下げて飛べ」と指示していた。ランディングギアとは着陸中に使う車輪、またフラップは翼の一部で、クーパーの指示通りにすると、飛行機は空気抵抗のため、時速300Kmほどの極めてゆっくりした速度でしか飛べなくなった。またクーパーは、通常は高度10000mを飛ぶのに対し、遥かに低い高度3000mで飛行することも求めていた。

 クーパーは身代金以外にパラシュートも要求していた。そして高度3000mとはスカイダイビングに一般的な高度である。通常のジェット旅客機ではドアから飛び出してパラシュート降下するなど不可能だが、ノースウエスト305便の機種はボーイング727で、期待後方に客室と外とを結ぶ階段「エアステア」が存在し、そこからなら飛び降りることが可能だった。

 また追跡している空軍のジェット戦闘機二機は、305便のあまりの低速飛行に、一緒に移行することが出来ず、何度も追い越しては戻ることを繰り返していた。つまりずっと監視してはいなかったのである。

 クーパーは、ずっと一緒にいさせたティナ・マックロウに、二度と戻ってこないように言ってコクピットに追い払い、自分はエアステアを下ろしてパラシュート降下の準備を始めた。この時、外は暴風雨が吹き荒れ、気温は氷点下七度、しかも下は森林地帯で灯りひとつない。その状態でクーパーは大バクチをうち、外に飛び出したのだった。

 午後10時15分。305便は給油のためネバダ州リノの空港に着陸した。その際客室を確認し、クーパーが飛び降りたことが発覚した。



●闇のヒーロー誕生

 FBIは、乗員の証言から、クーパーが飛び降りたのは午後8時12分頃と特定した。そしてこの時間に飛行していた範囲を割り出し、ワシントン州ウッドランドの森林地帯に降下したと推測した。FBIは地元警察と連携して捜索を開始するが、大自然での中での捜査は難航し、さらに12月に入ると積雪も始まり、手掛かりは得られなかった。

 またFBIは、犯人像の割り出しも進め、航空関係の知識から「以前航空関連の会社にいた人物」、またスカイダイビングの技術から「退役軍人で、犯罪歴の有る、パラシュート降下のスキルを持つ人間」、の両面から捜査するが、クーパーらしき人物は見つからなかった。

 5か月後。1972年4月7日。デンバー発サンフランシスコ行きのボーイング727がハイジャックされ、犯人は身代金50万ドルを要求し、パラシュートで逃亡したため、捜査陣はクーパーが再び現れたのかと騒然となった。しかし二日後、犯人は逮捕され、しかもクーパーとは顔が違う、クーパー事件の際にはアリバイがあった、ということから単なる模倣犯と判明した。

 この1972年にはパラシュートを要求するクーパーの模倣犯が大量発生、15件のうち5件はパラシュートによる脱出も成功したが、結局全員が逮捕された。

 やがてクーパーは模倣犯とは格が違う伝説の犯罪者、闇のヒーローと見なされるようになり、彼をたたえる歌が作られたり、彼をモデルにした小説などが発表されたりするようになったのだった。


感想

 何故か知っていた伝説の怪事件「D.B.クーパー事件」の回。

 今までネットの記事で事件の内容は何度か読んできましたが、やはり映像で描写されると理解度が段違い。再現ドラマも込みの事件の説明は、本当に期待通りの抜群の面白さでした。ちなみに再現ドラマでクーパーの声を演じたのは、我らが(?)森川智之氏でした。

 個人的な予想ですが、多分犯人は着地に失敗して森の中で札束と一緒に自然に帰っちゃったんだと思いますよ。人里離れた森の中に着地してから、そのまま華麗に逃亡なんて出来そうにないじゃん?
 
 

光と闇のナビゲーター 栗山千明
MC 青井実 (アナウンサー)
語り 中田譲治
テーマ音楽 志方あきこ

 
 

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The Pursuit of D.B. Cooper [VHS]