【SF小説】感想「スマイラーとスフィンクス」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 621巻)(2020年7月16日発売)

スマイラーとスフィンクス (宇宙英雄ローダン・シリーズ621)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122881
マイラースフィンクス (宇宙英雄ローダン・シリーズ621) (日本語) 文庫 2020/7/16
エルンスト・ヴルチェク (著), ペーター・グリーゼ (著), 井口 富美子 (翻訳)
文庫: 280ページ
出版社: 早川書房 (2020/7/16)
発売日: 2020/7/16

【※以下ネタバレ】
 

地球では、テケナーとスリマヴォが海賊放送局アケローンの調査を始めた。ルナのハンザ・スポークスマン三人の異常に気づいたが!?


無限アルマダの到来を待つテラでは、警告者を自称する謎の存在が電波をジャックし、海賊放送局アケローンとして、恐怖の未来予知劇を放映していた。この正体を解明するため、ツナミ艦隊司令のロナルド・テケナーがハンザ司令部に招聘される。その協力者として名乗りをあげたのは、ヴィシュナから独立した具象スリマヴォだ。美しく成長した"スフィンクス"に翻弄されながらも、スマイラーは狩人の本領を発揮しはじめる!

 

あらすじ

◇1241話 スマイラースフィンクス(エルンスト・ヴルチェク)(訳者:井口 富美子)

 銀河系。ロナルド・テケナーは「海賊放送局アケローン」と「警告者」の正体を突き止めるため、スリマヴォたちと共に捜査を開始した。そしてハンザ・スポークスマン三人がネーサンを悪用して放送していたことが判明し、三人は解任され、事件は解決したように見えた。しかし、その直後、またしてもアケローンからの放送が送信された。(時期:不明。NGZ428年12月頃)

※初出キーワード=スウィンガー



◇1242話 警告者を追え!(ペーター・グリーゼ)(訳者:井口 富美子)

 無限アルマダは、ヴィールスインペリウムからの指示で、無数の部隊に分離し、様々な星系を経由しつつ個々に太陽系へと向かうことになった。アンティ種族の惑星トラカラトには「サスクルージャー人」の艦隊が出現したが、艦隊は何故かトラカラト地表に対して攻撃を開始した。

 同じ頃、テケナーは改めて警告者について調査し、ホーマー・G・アダムスによって秘密任務に投入されていたツナミ艦の一隻が、何者かによって拿捕されて乗員は皆殺しにされ、さらに警告者によって利用されていたことを知る。テケナーは「警告者」を追い詰めるが、その正体はアダムスだった。テケナーはアダムスの正体不明の仲間によって記憶を改ざんされ、警告者はネーサンのイタズラだったと思い込まされる。直後、十戒の《マシン》船12隻が太陽系に出現した。(時期:NGZ428年12月16日~)

※初出キーワード=なし


あとがきにかえて

 新型コロナで緊急事態宣言が出されている間にこんな生活を送っていました、という話、


感想

 前半エピソード … 原タイトル:DER SMILER UND DIE SPHINX(意訳:スマイラースフィンクス)。テケナーが成長したスリマヴォ(通称スフィンクス)たちと共に、謎の警告者の正体を追いかける話。

 劇中に「スウィンガー」という一種の中毒患者的な連中が登場するのですが、特製の帽子を被って電波でハイになる連中の事、と思いきや、なんか精神と肉体を切り離して移動できるような描写もあり、なんだかよく解りませんでした。とりあえず本筋には何の関係も無かったので軽く読み流し……

 P91にさらっと説明も無く「ヘルツシュプルング=ラッセル図」と書いてあるのですが、これは架空の何かでは無く、「恒星のスペクトル型と光度(絶対等級)の分布図。縦軸を絶対等級(上が明るい)、横軸をスペクトル型(右が低温)にとる。」だそうです。HR図とも言うのだとか。
 
astro-dic.jp
 
 
 後半エピソード … 原タイトル:TSUNAMIS IM EINSATZ(意訳:《ツナミ》艦隊出動)。

 警告者の放送が《ツナミ》艦から発信されていると解ったり、乗員が皆殺しにされていたり、事件の黒幕はアダムスでしかも謎の仲間がいたり、テケナーは記憶を改ざんされてしまったり、と不穏さ満載のエピソード。そもそも十戒を相手にしているだけで手いっぱいだというのに。

 さらに懐かしの惑星トラカラトでも謎めいた事件までついでに発生したりして、続きに気を持たせまくりのエピソードでした。
 
 

600巻~650巻(「クロノフォシル」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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