【SF小説】感想「宇宙オペラ」(ローダンNEO 14)(2018年12月19日発売)

宇宙オペラ (ハヤカワ文庫SF)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122113
宇宙オペラ (ハヤカワ文庫SF) (日本語) 新書 2018/12/19
Wim Vandemaan (原著), ヴィム ファンデマーン (著), 高木 玲 (翻訳)
発売日 : 2018/12/19
新書 : 274ページ
出版社 : 早川書房 (2018/12/19)

【※以下ネタバレ】
 

トーラと共にラノルに着いたローダンらはフェロン人の長・トルトに迎えられる。ブル、シドらは脱出のため新たな作戦を練るが……


トプシダーの捕虜収容所から脱走したタコ、アンネらは、遂に惑星ピゲルでフェロン人の長トルトと邂逅した。そしてトーラを救出したローダンらは惑星ラノルにて、長年彼らを待ちわびていたという者から驚愕の事実を知らされるが…。一方、宇宙船“ミラナー”に囚われているブル、シドらは、ネズミやビーバーに似た姿のグッキーと出会う。彼らは脱走のため協力して、ファンタン星人相手に“芝居”を演じる算段を始めた。

 

あらすじ

 第2シーズン(9~16巻)6作目。 原タイトル:DIE GIGANTEN VON PIGELL (意訳:ピゲルのギガント)。

 ファンタン星人に拉致されたブルたちは、宇宙ステーション《ミナラー》で、やはりファンタン星人に捕えられているネズミビーバーのグッキーと遭遇した。ブルたちはグッキーと力を合わせ、逃走のために、芝居を公演すると言い出す。そして芝居の最中にグッキーたちのテレポート能力で、ステーションに係留中の宇宙船内に逃走する。


 ヴェガ星系。タコたちのグループは第6惑星ピゲルに到着した後、フェロル人に保護され、元首トルトと対面した。タコは、トルトがトブシダーに降伏すると見せかけてトブシダー司令官を拉致する計画を立てる。そしてトブシダー司令官フレクト=オルンをテレボートで誘拐する事には成功するが、トルトとアンネはトブシダーに捕まってしまった。


 一方、ローダンたちは転送機で第16惑星ラノルに到着するが、彼らの前にテラニアで昏睡状態の筈のエルンスト・エラートが幽霊の様な姿で現れ、奇妙な予言を行ってから消える。さらに、そのあと老アルコン人・ケルロンが現れ、ローダンが来るときのために要塞を建設して待っていたと言う。しかしケルロンは半ば正気を失っており、「要塞」は未完成のまま放置された廃墟で、兵士たちも既にミイラ化して死んでいた。ケルロンは過去の事をローダンたちに説明した。

 一万年前。アルコン人は「メタン種族同盟」という敵との戦いのため、「ラルサフIII」と呼ぶ地球に進出し、コロニーと基地を建設していた。しかしラルサフIIIは本星から見捨てられたため、総督は金星に避難用の基地を建設させるとともに、やはり避難所建設のため、ケルロンに27光年離れたヴェガ星系の調査を命じた。

 ケルロンはヴェガでフェロン人が内戦状態であることを知るが、トルトと名乗る男に協力し、フェロン人の統一に力を貸した。そしてその見返りとして、フェロン人が「光もたらす者」という種族から貰った転送機の内の一台を贈られた。ケルロンは一度ラルサフIIIに戻り、総督に転送機を渡した後、避難民を連れて再度ヴェガに向かい、第16惑星ラノルに基地を建設し、コールドスリープを繰り返しながら、総督が来る日を待ち続けていたという。

 ケルロンは全てを語った後、力尽きて死んでしまった。ローダンたちは一万年前にはヴェガには43個の惑星があったのに、現在は当時の第10惑星が無くなっていることに気が付く。「要塞」にはケルロンが乗っていた一万年前の60メートル級宇宙船が残されていた。


感想

 とりあえずケルロンの過去語りは面白かったのですが……、タコとアンネのどうしようもなく冷え切ったギスギスした会話を読んでいるだけで鬱になってくる…… そしてこの泥の中を進むような展開の遅さよ……

 
 

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