【映画】感想:映画「ロープ」(1948年:アメリカ)

ロープ [Blu-ray]

NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム。2021年2月10日(水)

【※以下ネタバレ】
 

巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、実際に起きた殺人事件をもとにした舞台劇を映画化。アパートの一室で繰り広げられる出来事をリアルタイム進行で描くサスペンス。


天才映画監督ヒッチコックが、実話をもとにした舞台劇を映画化したサスペンススリラー。2人の青年、フィリップとブランドンは、自らの優秀さを証明するため完全犯罪をたくらみ、友人をロープで殺害、部屋に死体を隠す。2人は、その部屋に被害者の親や婚約者を呼んでパーティーをするが、大学教授のルパートは2人の異常な行動に気づく…。上映時間とドラマの進行時間を一致させ、長回しの映像で描くなど、斬新な演出の異色作。

 

あらすじ

 真昼間のアパートの一室で、大学生のブランドンは友人フィリップと共に、やはり友人のデイビッドをロープで絞殺し、死体を部屋のチェストに隠した。二人はさらに、その死体がある部屋でパーティーを開催する予定だった。ブランドンは、殺人は芸術と同じで、優れた人間は劣った人間を殺しても罪にはならない、という考えを持っていたが、それは恩師のカデルの主張の受け売りだった。

 やがて部屋には、パーティーのお客として、彼らの友人や被害者の父親ケントリー氏、カデル、等が次々と現れる。客たちは参加する筈のデイビッドが現れないので心配するが、ブランドンはそつなくパーティを切り回す。しかしフィリップはだんだん重圧に耐えられなくなり、興奮し始める。

 やがてデイビッドの母親から息子が行方不明という連絡が入り、客たちはパーティーを切り上げることになった。しかし帰り際、カデルは客用のクローゼットにデイビッドの帽子があるのに気が付く。

 客が帰り、ブランドンとフィリップが安どしていると、カデルがシガレットケースを忘れたので戻りたいと連絡してくる。戻って来たカデルは、こっそりシガレットケースを部屋に隠してから、さも忘れていた物を見つけた様なふりをする。

 そのあと、カデルは雑談を始め、昼間デイビットに何かかが起きたと言い出し、この部屋に招かれたデイビットが殴り倒された後、誰かに殺された、という推理を語り始める。フィリップは犯行がバレたと悟り、銃でカデルを撃とうとするが、逆に銃を取り上げられる。カデルは二人の犯行を確信し、目を付けていたチェストを開け、デイビッドの死体を発見する。

 カデルは、ブランドンがかつて自分が口にした「優れた人間の殺人は罪にはならない」を実行したのだと知り、ブランドンに対し人間の優劣をどうつけるのかと非難する。そして窓の外に向けて銃を撃つ。それを聞いて駆け付けたパトカーのサイレンが窓の外から聞こえているシーンで〆。

感想

 評価は○(そこそこ)。

 ヒッチコック作品にしては1時間22分と短めの、お手軽作品……、と思ったら1948年作の初期(?)作品だからでした。

 この映画で面白いのは、映画の舞台となるのがアパートの一室だけで、全ての話がここで展開し、しかも窓を背景にした特定の方向からしか写さないこと。さらに回想シーンとかは無いので、映画内の経過時間が視聴者の時間と完全一致のリアルタイム進行。「まるで舞台劇だよなぁ」と思ったら、ホントに舞台劇を元にした映画でした。

 1950~60年代のヒッチコック作品はやたら長いので閉口しますが、この映画は82分しか無い上、面倒くさい(?)あっち行ったりこっち行ったりがないので、するっと視聴できました。まあ、その代わりとして大した味わいも無かったのですが、一種の実験作ということでよろしいのでしょうかね。
 
 

シネマ「ロープ」<字幕スーパー><スタンダードサイズ>
[BSプレミアム] 2021年02月10日 午後1:00~午後2:22 (82分)


【監督】
アルフレッド・ヒッチコック
【原作戯曲】
パトリック・ハミルトン
【脚本】
アーサー・ローレンツ
【脚色】
ヒューム・クローニン
【撮影】
ジョセフ・バレンタイン、ウィリアム・V・スコール
【音楽】
レオ・F・フォーブスタイン
【出演】
ジェームズ・スチュワート、ジョン・ドール、ファーリー・グレンジャー ほか


製作国:
アメリ
製作年:
1948
原題:
ROPE
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/スタンダード・サイズ

 

2021年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
   
ロープ [DVD]
ロープ [DVD]