【SF小説】感想「法典分子大感染」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 638巻)(2021年4月1日発売)

法典分子大感染 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-638 宇宙英雄ローダン・シリーズ 638)

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法典分子大感染 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-638 宇宙英雄ローダン・シリーズ 638) 文庫 2021/4/1
ペーター・グリーゼ (著), アルント・エルマー (著), 増田 久美子 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2021/4/1)
発売日 : 2021/4/1
言語 : 日本語
文庫 : 288ページ

【※以下ネタバレ】
 

ブルらの乗る《エクスプローラー》は患者の体内から放出された法典分子に汚染されてしまう。コチストワは血清の完成を急ぐが……


ブルらは“エクスプローラー”を中心とする船団でシオム・ソム銀河の東側へ向かっていた。同船団の“アスクレピオス”に乗船するコチストワはキドとともに、法典分子を体内に取り込み昏睡状態に陥ったハンザ・スペシャリスト四人の治療にあたっていたが、キドは自分の身体になんらかの変化の兆候を感じとり失踪してしまう。そんななか、法典分子が“アスクレピオス”内に広がりコチストワは抗血清の開発を急ぐのだった。

 

あらすじ

◇1275話 ゴリム・ステーションの謎(ペーター・グリーゼ)(訳者:増田 久美子)

 力の集合体エスタルトゥ。テケナーたちは、行方不明のツナミ艦乗員の手掛かりを求め、シオム・ソム銀河の惑星「シャッディン」にある「ゴリム」の基地へとやってきた。基地は既にこの銀河の支配者「イジャルコル」に破壊されていたが、基地に取り残されていた「クエリオン」種族の一人から、クエリオンが永遠の戦士たちと敵対しており、また各銀河の奇跡がモラルコードに害をなすという情報を知らされる。クエリオンは消滅し、テケナーたちは、行方不明の乗員たちが惑星マルダカアンにいるらしいと知り、マルダカアンへ向かった。(時期:NGZ429年頃?)

※初出キーワード=永遠の戦士イジャルコル、惑星シャッデン、クエリオン種族、オファルの合唱団の帝国、コスモヌクレオチド・ドリフェル


◇1276話 法典分子大感染(アルント・エルマー)(訳者:増田 久美子)

 ブルが指揮するヴィールス船《エクスプローラー》は、船内で法典分子中毒者の治療をしながら、惑星マルダカアンを目指していたが、患者の体内から溢れた法典分子が船内に充満し、乗員の大半が法典分子の感染者となってしまった。同じころ、キドは記憶を取り戻し、自分の正体が「ソト=グン・ヌリコ」の従者「クラルシュ」で、五十年前グルエルフィン銀河に侵攻したものの、敗走したことを思い出した。クラルシュは感染者たちを率いて、再度グルエルフィンに向かおうとするが、イルミナが開発した血清で感染者たちは治療され、クラルシュは船から逃走した。(時期:NGZ429年頃?)

※初出キーワード=ヤニチャ・ヤン、ソト=グン・ヌリコ、KMアンチV


あとがきにかえて

 ドイツのフランクフルト(・アン・デア・オーダー)の古本屋から本を取り寄せた話。


感想

 前半エピソード … 原タイトル:DIE GORIM-STATION(意訳:ゴリムの基地)

 テクたちが、謎の「ゴリム」の基地を訪問する話。エルファード人たちと敵対しているのがクエリオン種族だと明かされたり、懐かしいキトマの名前が出てきたり、エスタルトゥ各銀河の奇跡が宇宙のモラルコードに危険云々とか言われたり、と、それなりに中身はあるものの、全体として面白さはイマイチ。

 なお、誤字脱字があり、P136の7行目「キトマいう名前」→「キトマ<と>いう名前」、です。



 後半エピソード … 原タイトル:KODEXFIEBER(意訳:法典熱)

 法典分子がブルの船の中に充満してしまい大混乱になる話。突然キドが記憶を取り戻して、グルエルフィン侵攻の事を語りだしたり、とこちらもそこそこイベントはあったのですが、やはり面白みはもう一つ。

 ところで、前半エピソードのP25では「オファルの合唱団」と書いてあるのに、後半エピソードのP167では「オファールの合唱団」となっています。一つの本で中で用語の訳し方に違いがあるのも珍しい……、というかチェック漏れ?
 
 
 

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