【特撮】感想：特撮「ウルトラセブン 4Kリマスター版」第７話「宇宙囚人303」

ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK　https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送　NHK BSプレミアム。

【※以下ネタバレ】
　

1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。

第７話　宇宙囚人303

あらすじ

ウルトラセブン　４Ｋリマスター版（７）「宇宙囚人３０３」
[BS4K] 2021年05月16日午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)

『ウルトラセブン』初の４Ｋ化・国内初放送！キュラソ星から逃亡した凶悪犯が地球にやって来た。監視体制を強化したウルトラ警備隊に対し、凶悪犯は意外な奇策をしかける。

１９６７年に地上波放送された『ウルトラセブン』を初の４Ｋ化・国内初放送！謎の怪物が出現、次々と市民を襲っていた。犯人は、キュラソ星の凶悪犯３０３号だと判明する。母星から脱獄・逃亡し、地球へやって来たのだ。これ以上の犠牲者を出さないために、ウルトラ警備隊は監視体制を強化した。だが、必死の逃亡者・キュラソ星人は、意外な奇策で逆襲に転じた……！

【出演】中山昭二，森次晃嗣，ひし美ゆり子，毒蝮三太夫，阿知波信介，古谷敏

　
登場 … 火炎怪人キュラソ星人

　ハンター二人が山の中で小型の宇宙船のような物を発見するが、直後に何者かに襲われる。

　地球防衛軍の宇宙ステーションV3では、宇宙の彼方から繰り返し送信される奇妙な電波を受信しており、ミズノ隊員が内容の解読に挑むことになった。

　同じころ、正体不明の怪物がガソリンスタンドを襲撃し、店員や客を襲った後、ガソリンを飲んで姿をくらます。店員からの通報でダンたちが駆け付け、何者かがガソリンを飲んでいたことを確認する。直後ダンたちは山の中で一人乗りの小型宇宙船「スペースポニー」を発見し、謎の怪物の物と判断してすぐさま破壊した。

　ミズノ隊員は電波の解読結果をキリヤマたちに報告するが、その内容はコスモポリタスの第８惑星キュラソの連邦警察から周囲の星々にあてたもので、凶悪な殺人鬼303号が逃亡したことを知らせるものだった。キリヤマたちは、ハンターやガソリンスタンドを襲ったのがこの303号であることに気が付く。

　地球防衛軍は警察と協力して303号を捜索するが、303号はタンクローリーを襲撃して警官三名を殺害し、なおも逃亡を続けていた。ウルトラ警備隊は市民に警戒を呼び掛けるが、303号はガソリンを狙って民家に押し入り
立てこもってしまう。

　知らせを受けたダンたちはすぐさま現場に急行するが、ダンたちが突入したすきに303号は入れ替わりに民家を抜け出していた。さらに303号はポインターに残っていたアンヌに催眠をかけて地球防衛軍の基地まで連れて行かせ、ウルトラホーク1号のベータ号にアンヌを乗せて逃亡してしまう。

　ダンの提案で、ウルトラ警備隊のメンバーは残りのアルファ号・ガンマ号で追跡し、空中で強引に合体させると、ダンたちはベータ号に乗り込みアンヌを救出した。303号は火炎を放射し機内は大火災になったため、一人残っていたダンの要請でベータ号は切り離され墜落炎上するが、ダンはセブンとなって直前に脱出していた。

　火災の中303号は巨大化するものの、ダンはキリヤマにキュラソ星人はガソリンタンク同然のため攻撃は不要と提案する。そして303号は大爆発を起こして死んだ。

　事件解決後。キュラソ連邦警察からは犯罪者に対応してくれた地球に感謝の電報が届いていた。キリヤマはミズノ隊員に、キュラソ星宛てに友好関係を打診するように提案し、ダンたちが明るく笑って〆。

脚本：金城哲夫
監督：鈴木俊継
特殊技術：的場徹

感想

　評価は○（ぎりぎり）

　悪の宇宙人の侵略話ではなく逃亡犯を追い詰める刑事物のような展開の変則エピソード。まあ、面白くないことも無いのですが、やはり侵略話に比べるとスケールの小ささは否めず、イマイチ盛り上がらない回でした。

　今回のゲストのキュラソ星人303号は、別に地球を侵略するという大きな目的でやってきたわけでもなく、単に母星から逃亡してきただけの犯罪者。まあ通りがかりの人間を次から次へと殺していくわけで、犠牲者数はそれなりに多く、軽視できる相手でも無かったことは確かですが、やはりいつものエピソードと比べると緊張感が弱い。

　また、このエピソードは、ストーリー展開もさることながら、セブンの登場時間がとてつもなく短かったのも拍子抜けでした。終盤にようやくダンがセブンに変身したものの、墜落するベータ号から脱出しただけですぐ変身を解いてしまい、303号は自業自得の爆死を遂げるのでセブンは今回何もしなかった、という問題回（？）でした。まあ、今回は最後まで刑事物のノリを通すため、あえて「地球防衛軍＋県警対凶悪逃亡犯」という構図を貫き、セブン対宇宙人のバトルシーンは入れなかった、のかもしれませんが……

　冒頭に登場する小型宇宙船スペースボニーですが、ハンターたちが「宇宙船にしては小さすぎる」とコメントしたように、どう見ても宇宙人一人だって乗り込めるサイズには見えないんですが……、しかもキュラソ星人は地球人よりはるかに大柄なのに。大きな張りぼてを作る予算が無かったのか？

　このエピソードを見るたびに疑問に思うのが、前半のガソリンスタンド襲撃シーンの電話。スタンドに電話がかかってきて、店員がふらふらしながらそれを受けるのですが、次のシーンではウルトラ警備隊の電話にこの店員が連絡した体になっている……、話が繋がって無くないですか？

　最後、キリヤマがキュラソ星に対して友好関係を結びたい旨の連絡を送るように提案するのですが、そのあとダンたちが一斉に笑うのはなんなのかなぁと違和感あり……、笑うような事言ってないですよね？
　
　
　

　
　