【歴史】『ラオスに消えた「辻政信」は「池田勇人首相」の“密使”だった』←えっ?【週刊新潮】

潜行三千里 完全版

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週刊新潮 2021年5月20日夏端月増大号
発売日:2021/05/12

失踪から60年目の真実 初めて明かされる直前「日記」
ラオスに消えた「辻政信」は「池田勇人首相」の“密使”だった

 
 5月12日売りの週刊新潮2021年5/20号で、歴史マニア(?)ならオッと思う記事が載っていました。あの辻政信の最期についての情報です。

辻政信って誰?

ノモンハン秘史 完全版

 まあ、日本人の99%は「辻政信? Who?」だと思いますけど、ここを読めば理解できます、というか、過去に私もこのサイトで勉強させてもらいました。
 ↓

Unbroken Snow  世界の行方不明・失踪事件→日本の失踪事件→辻政信失踪事件
http://roanoke.web.fc2.com/Japan/Tsuji_Masanobu.htm

 
 

●政治家・辻政信ラオスに消ゆ

私の選挙戦

1961年(昭和36)5月20日参議院庶務課に次のような情報がもたらされた。

 「参議院議員辻政信ラオスで行方不明」

 辻政信。旧日本陸参謀にして、戦後はベストセラー作家、そして参議院議員に転身したという異色の政治家である。数々の作戦に従事した「作戦の神様」、清廉潔白の士と謳われる一方、悪魔、無能、下克上の権化といった悪評も絶えず、これほど評価の分かれる人物も珍しい。そんな変り種の政治家が異国の地で消息を絶ったというのである。

 
 と、このとおり、辻政信は、1961年当時混乱したラオスに行ったまま行方知れずとなり、どのような最期を迎えたのかいまだに明らかになっていません。そもそもラオスに何をしに行ったかですが、
 ↓

 その目的について、辻はかつての部下で友人の朝枝繁春にこう語っている。

 「池田首相からね、『辻君、君は東南アジアにくわしいが、ひとつ現地へいって、ラオスベトナムなどの情況をつぶさに見てきてくれんかね。近く私はアメリカへゆくが、そのとき、君が肌で感じたことをまとめた所見をもとにして、ケネディ大統領に、東南アジア問題について提言したいと思うんだが』と言われてね、『喜んでゆきましょう』とこたえたんだ。しかし、絶好の機会だから、調査だけでなく、アジア人はアジア人を討たずという俺の思想を実現するために、ハノイまでゆき、ホー・チミン大統領に会って、南側と戦うことをやめるように説得しようと思う。英語やフランス語ができるお前を連れてゆきたいが、秘書の予算がない。今回は一人でゆくことにするよ」
生出寿 『「政治家」辻政信の最後』 P271~272)

 あたかも首相の特命を受けての重大任務といった趣である。

 
 と当時の池田勇人首相からの密命で出かけた説がありましたが、政府側は否定していました。

●60年目の日記

週刊新潮 2021年 5/20 号

 記事は、辻とは何者で何をしにラオスに行ったか、辺りを説明していて、あまり目新しいことは無かったのですが、新事実というかは「ラオスで消えた辻の荷物が家族の元に送り返されており、その中に失踪直前まで辻がつけていた日記があった」というところ。

 その日記の記述によれば、辻のラオス行は間違いなく池田勇人首相の指示で、ちゃんとお金も受け取ったし、また池田から特別なお酒をもらっていた、とのことでした。家族は辻の失踪後、外務省から「探すなら国は関係ないから個人で勝手に探しに行け」とか言われて相当憤慨したそうで、父のラオス行は首相の特命だったのに……、と悔しがっておりました……


 ……、ところで、何故2021年に辻政信ネタなんですかね……、そもそも、ホント、辻の事を知っている人なんてそうそういないでしょ? ハッ? もしかして週刊新潮のメイン読者って戦争体験世代?
 
 


参謀・辻政信
参謀・辻政信 (河出文庫)