ウルトラQ 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P5138/
放送 NHK BSプレミアム。
【※以下ネタバレ】
第12話 鳥を見た
あらすじ
ウルトラQ 4Kリマスター版(12)鳥を見た
[BS4K] 2021年06月14日 午後11:15 ~ 午後11:41 (26分)
35mmフィルム原版から4Kリマスター。動物園飼育員が「鳥を見た」と言い遺し死亡。動物たちが一斉に不明に。同じ頃、漁村に謎の船が漂着。少年は小鳥と交流していた。
動物園の飼育員が「鳥を見た」と言い遺し謎の死を遂げ、動物たちが一頭残らずいなくなる事件が発生。同じ頃、漁村に謎の船が漂着。村の少年・三郎は船から飛んできた小鳥と出会い、交流を深めていた……。もともと35ミリフィルムで制作されていた1966年放送の特撮ドラマを4Kリマスター。だれも見たことがなかった「ウルトラQ」。
登場 … 古代怪鳥ラルゲユウス
冒頭。深夜の動物園で動物が異様に騒ぎだし、見回りの飼育員は不安がるが、直後何者かに襲われる。翌朝、見回りの警備員が動物の檻が内部から破られて動物が残らず消えていることを発見する。さらに倒れている飼育員を見つけ駆け付けるが、飼育員は「鳥を見た……」と言い残して絶命する。その手には鳥の羽が残っていた。
一方、とある漁村に大昔の帆船と思しき船が漂着し、万城目・一平・由利子たちが乗り込む。船は無人だったが、由利子は小さな白い小鳥を見つけ、また万城目たちは航海日誌らしきものを探し出すものの、文字が未知の言語のため読めなかった。やがて船が沈みだしたため一行は慌てて脱出し、その目前で船は完全に沈没してしまった。
三郎少年は漁船を勝手に持ち出しては一人で遊んでいたが、やがて小鳥と出会い、鳥を「クロウ」と名付けて可愛がる。
万城目たちは日誌を一ノ谷博士のところに持ち込み解読してもらうと、なんと船は998年前の物だと解り、その最後には「鳥を見た」と書かれていた。万城目たちは、先日の動物園の飼育員の最期の言葉と同じだと不思議がる。万城目は船は1000年前から四次元空間を通って現代に現れたという説を披露する。
また由利子が見たという鳥は、第三氷期以前に滅びたはずの古代鳥「ラルゲユウス」に似ていたが、もしラルゲユウスならば全長43メートルの巨鳥の筈だった。1000年前のインドには滅びたはずのラルゲユウスが大量に出現したという記録があり、それは謎の帆船の時代と妙に符合していた。
やがて三郎の元に大人たちがやってきて連れて行こうとするが、クロウが大人たちを襲って追い払ってしまう。その事が一ノ谷博士の元に伝わり、一ノ谷博士は鳥を捕まえるように指示し、クロウは警官に捕えられて警察署で鳥かごに入れられる。
夜。クロウは巨大化してラルゲユウスの正体を現し、警察署や周囲の建物を破壊すると、一路海の方に向かった。そして三郎や万城目たちが浜辺で見送る中、海の彼方に消えていった。
脚本:山田正弘 監督:中川晴之助 特技監督:川上景司
感想
評価は×(なんじゃこりゃ)。
シナリオがアイデアの断片を寄せ集めてでっち上げたという体で、個々の要素の繋がりに難があり、見ていて困惑してくる駄作回でした。
冒頭に動物園の異変を見せて期待させてくれるものの、結局
・冒頭の動物園の異変
と
・1000年前から時間を飛び越えてきた(?)帆船の謎
と
・はるか昔に滅びた怪鳥の謎
と
・三郎少年と鳥の心温まる(?)交流話
という要素が全てかみ合っておらず、見ていて困惑とイライラしか感じませんでした。
まあ、話を整理すれば「この世には1000年ごとに開く四次元の穴があり、それを通って怪鳥と船が現代にやってきた。ラルゲユウスは深夜に巨大化して動物園を襲って動物を餌にした」という事なのでしょうが、そのあたりの説明が全く不十分。そもそも動物たちの檻は内部から破られたと言ってましたから、ラルゲユウスが襲撃して動物を襲ったというシチュエーションと矛盾しているし……
また三郎少年の素性が全く分からないので、鳥との交流物語を見せられても「この子はどういう立ち位置でここにいるのか……?」という事ばかり気になったし、鳥との友情物語を描きたかったのなら、最後は巨大化しても三郎少年に挨拶していくとか、はたまた希望通り別の場所に連れて行ってくれるとか、何らかのアクションがあるべきだったのでは……
と、なんというか、ブレインストーミングで出たアイデアをよく考えもせず適当に書きなぐってシナリオにしたのでは……、みたいな支離滅裂な内容でした。これはダメ過ぎた。
特撮シーンで、屋根瓦が吹っ飛んだりするシーンは良く出来ているなぁと思いましたが、よくよく見たら明らかに映画「ラドン」の一場面の流用でした……
他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ
perry-r.hatenablog.com
Vol.2
Vol.3
Vol.4
Vol.5
Vol.6
Vol.7