【特撮】感想：特撮「ウルトラセブン 4Kリマスター版」第１８話「空間X脱出」

ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK　https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送　NHK BSプレミアム。

【※以下ネタバレ】
　

1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。

第１８話　空間X脱出

あらすじ

ウルトラセブン　４Ｋリマスター版（１８）「空間Ｘ脱出」
[BS4K] 2021年07月25日午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)

『ウルトラセブン』初の４Ｋ化・国内初放送！降下訓練中にアマギとソガが行方不明に。２人が目覚めたのは、ベル星人が作り出した獲物を捕らえるための「疑似空間」だった。

１９６７年に地上波放送された『ウルトラセブン』を初の４Ｋ化・国内初放送！ウルトラ警備隊による、月に一度の特別訓練が行われた。スカイダイビングの訓練中、アマギとソガの消息が分からなくなる。目覚めた２人がいる森は、吸血植物やダニ、大きなくものような生物グモンガが生息する場所であった。マナベ参謀は、その森がベル星人が作り出した、獲物を捕らえる「疑似空間」であると語った。

【出演】中山昭二，森次晃嗣，ひし美ゆり子，毒蝮三太夫，阿知波信介，古谷敏

　
登場 … 音波怪人ベル星人、宇宙蜘蛛グモンガ

　月に一度のウルトラ警備隊の特別訓練でスカイダイビングが実施されるが、ソガとアマギは降下予定地点に着地せず行方不明になってしまう。

　二人は濃い霧の立ち込める森の中に着地していたが、そこでは吸血昆虫や毒ガスを吐く巨大クモが生息し、亡霊のような影が出現する謎の場所だった。キリヤマたちは、アマギたちからの連絡で、二人が場所が不明の霧のかかった森にいるという情報を得て捜索するものの発見することは出来なかった。

　やがてアマギたちは、頭上に地球が見えることから、自分たちが地球以外の場所にいる事に気が付く。マナベ参謀はアマギたちからの通信を聞き、二人は「ベル星人」が作った「疑似空間」に捕らわれていると判断する。マナベ参謀が二年前にワシントン基地に勤務している際にも疑似空間が出現し旅客機が捕らわれてしまったものの、ついに発見することは出来なかったという。

　キリヤマたちは二人を救出するためにウルトラホーク1号で出撃し、通信機の電波を辿って、雲の中に隠されていた疑似空間に着陸する。そしてアマギとソガを救出しホーク1号に連れ帰る一方、ダンはウルトラセブンに変身し出現したベル星人と対決する。セブンがベル星人を倒すと、疑似空間の森や大地が次々と消滅し始め、キリヤマたちはダンの帰還を待たずにホーク1号を離陸させる。セブンはホーク1号に戻るとダンの姿になり、無事帰還したことを知らせるのだった。

脚本：金城哲夫
監督：円谷一
特殊技術：大木淳

感想

　評価は○（まずまず）

　今までのセブンとは雰囲気が違い、ややホラーめいた雰囲気のエピソードでしたが、クオリティ的にはなかなかで、結構楽しめた回でした。

　今までのストレートな宇宙人の侵略話とは方向性を変えて、登場人物たちが全く予期しないタイミングで異常な場所に迷い込んでしまい、吸血昆虫や巨大クモに襲われる、というダークな展開が結構楽しめました。

　また迷い込む犠牲者がダンとアンヌといったメインキャラではなく、ソガとアマギというサブキャラコンビなのも一ひねりしてあって良かったですね。普段影の薄い二人が中心となって活躍するエピソードで、特にアマギが大活躍でした。まあ、アマギはスカイダイビングで情けない所を見せたかと思うと、ソガに対して「いざというときに備えて、エネルギーを蓄えておくんだ」と理にかなった事を言ったりして、頼りになるんだかならないんだかよくわかりませんでしたが（笑）

　ソガとアマギの二人が「疑似空間」から空を見上げると地球が見える、というシーンは結構衝撃的な場面で、なかなか上手い見せ方でした。まあ「疑似空間」は、島が空に浮かんでいるという風だったので、空を見上げると地球が見えるというのは理屈としてはおかしいのですが、今いる場所が異常な空間である、という事を表す映像表現としては100点満点だったと言えましょう。

　今回のゲストキャラ・ベル星人は一言もしゃべらなかったので、何が目的で疑似空間を作って獲物を捕まえていたのか全く謎のまま終わってしまいましたが、この回がホラーだとみなせば、恐怖の対象がべらべら喋るのも興ざめですので、謎のままで良かったのかと思えます。

　しかし、そういう不気味キャラのわりには、戦闘シーンではセブンにサッカーボールキックを連続でたたき込むなど、結構武闘派でした。ちなみに、セブンも負けずにうつぶせにしたベル星人の片足を取って足首をひねるアンクルホールドを極めるなど、バトルシーンは今見るとオオッと思わされる場面が多いです（笑）

　なお、「ベル星人」というのは多分本名ではなく、地球防衛軍がつけた識別コードネームで、まさに「ベルみたいな音を出す」から来ているのだと推測いたします。本名がベル星人なら安直すぎですし！
　
　
　
音波怪人ベル星人

宇宙蜘蛛グモンガ

　
　