【※以下ネタバレ】
とある中学校に伝わる「サヨコ」という不思議な言い伝え。3年に1度、先代のサヨコから指名された生徒が、秘密裏にサヨコの約束を実行し、その成果が学園生活の明暗を左右するという伝説だ。サヨコ伝説に取り組む三人の少年少女を主人公に、彼らの友情と成長を描く、ミステリー仕立ての学園ドラマ。
第9話 恐怖の文化祭(後)
あらすじ
文化祭の「サヨコの芝居」は、「六番目のサヨコ」の部分になったとたん、烈風が体育館に吹き込み、大パニックになるという惨事で幕を閉じた。玲(鈴木杏)は、騒ぎの中、舞台上に沙世子(栗山千明)の姿を見た気がしたが、それは誰にも言えない。クラスの皆が沙世子のせい、と決めつける中、それは違う、と玲は言い張るが、そんな玲に皆がどういうことだと詰め寄ると、加藤(山崎育三郎)が遮る。その日の終わりの学活で…。
劇「六番目の小夜子」の上演中、体育館のガラスが突然砕け散って館内に飛び込み、生徒たちは大パニックとなった、この大騒ぎの中、玲は壇上に長髪の女性の後姿を目撃する。
翌日、文化祭二日目。玲は体育館の壇上に赤いスカーフが落ちていたことを知る。2-Aのうたごえ喫茶では、文化祭実行委員長に興奮した三年生たちが詰め寄り、サヨコの芝居をやり直せと強要する。雅子は壇上にいたのは沙世子で、沙世子が劇の妨害を企んだ犯人である可能性が高いと言い、それを聞いた委員や三年生は興奮して沙世子を吊るしあげる準備を始める。
教室を離れた加藤は廊下で沙世子にあい、教室に来ないように忠告する。そのあと加藤は校庭の慰霊碑に行くと、黒川先生とゆりえが碑の掃除をしているところに出くわす。
二日目の終わり、沙世子が教室に来るが、玲はスカーフの色が違うことに気が付くものの、沙世子は昨日の騒ぎで破れたので前の学校のスカーフを使っていると答える。雅子は沙世子が昨日の騒ぎの犯人だと決めつけており、クラスメートたちの前で沙世子を尋問し始める。
雅子は、昨日ゆりえから沙世子に渡すように頼まれたのが「六番目の小夜子」という台本だった事を示し、沙世子こそ犯人だと指摘するが、沙世子はサヨコ伝説に興味を持って自分でも台本を書いてみたと言い、昨日上演された劇とはまるで内容が違うことを確認させる。
雅子はなおも沙世子を追求しようとするが、激高した沙世子は転校生の自分がクラスの人間に下手に出なかった腹いせに集団で自分を攻撃していると叫ぶ。その途端教室が震動し始めたため生徒たちは動揺し、その間に沙世子は教室を飛び出すが、玲以外の生徒たちは完全に沙世子を犯人だと確信していた。
秋は文化祭実行委員長から、過去のサヨコについて共通点があると教えられる。それは全員担任が黒川先生だという事だった。秋は黒川先生を怪しみ、学校から出たところを尾行するが、自分の家へやって来たので驚く。実は黒川先生は秋の母親に呼ばれていたのだった。秋は、両親の離婚で父親側に引き取られた弟の由紀夫を母親が引き取ろうとしていることを知らされる。
文化祭三日目。2-Aでは黒川先生がクビになるかもしれないという噂話でもちきりになっていた。黒川先生は、サヨコの劇を他の教師が途中で止めようとしたときそれを押しとどめたうえ、その後の混乱でゆりえが怪我をしたこともあり、その責任を追及されているのだと言う。
そこに沙世子が登校してきたため、雅子は全ては沙世子の責任で、沙世子こそ「六番目のサヨコ」だろうと詰め寄る。玲は沙世子を救うため、自分こそがサヨコだと告白する。