【SF小説】感想「エイレーネの行方」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 651巻)(2021年10月19日発売)

エイレーネの行方 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-651 宇宙英雄ローダン・シリーズ 651)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123411
エイレーネの行方 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-651 宇宙英雄ローダン・シリーズ 651) 文庫 2021/10/19
H・G・フランシス (著), H・G・エーヴェルス (著), 鵜田 良江 (翻訳)
出版社:早川書房 (2021/10/19)
発売日:2021/10/19
文庫:272ページ

【※以下ネタバレ】
 

行方不明になっていたローダンの娘エイレーネは様々な商人によって売られていくが尋問されても自分が何者かは決して話さなかった


NGZ445年9月、ローダンの娘エイレーネは16歳の誕生日にネットウォーカーとなり、コスモヌクレオチド“ドリフェル”を守る組織にくわわった。そのドリフェル近傍で謎のプシオン性物体が物質化し、周囲のプシオン・ネットが機能しなくなったため、エイレーネは惑星ソム=ウサドに弾き出されてしまう。ソム=ウサド人の指導者フィロアドはネットから落ちてきた彼女を漂着物と考え商人に高値で売り飛ばそうとしていた!

 

あらすじ

◇1301話 エイレーネの行方(H・G・フランシス)(訳者:鵜田 良江)

 エイレーネはソム=ウサド人から宇宙商人に売られ、最終的に惑星パイリアの支配者ソム人に捕えられてしまう。一方、ローダンはエイレーネの手掛かりを追ってパイリアに潜入するが、ソム人に逮捕される。しかし、ローダンはソム人に反抗する地下組織によって助け出され、彼らの協力を得られることになった。(時期:NGZ445年9月~10月末)

※初出キーワード=ガヴロン人


◇1302話 テラナー門の運命点(H・G・エーヴェルス)(訳者:鵜田 良江)

 ローダンは地下組織の助けを借りてエイレーネの救出に成功した。二人は惑星パイリアを脱出するため、転送機「テラナー門」経由で「惑星トペラズ」に送られる貨物コンテナの中に潜伏したが、トペラズに到着した途端、またもソム人に捕まってしまった。(時期:NGZ445年11月1日~10日)

※初出キーワード=惑星トペラズ


あとがきにかえて

 後半の「テラナー門の運命点」の冒頭にカントの言葉が引用されていたので、カントについて調べた、という話。

感想

・前半エピソード 原タイトル:EIRENES SPUR(意訳:エイレーネを追って)

 ローダンが一人であれこれ冒険をするという珍しい話で、300巻台の「宇宙のチェスサイクル」の「脳オデッセイ」以来では無いでしょうか。この話のノリから察するに、ネットウォーカーサイクルは「圧政に対抗するレジスタンスたち」のノリで進めるようです。



・後半エピソード 原タイトル:SCHICKSALSPUNKT TERRANER-TOR (意訳:運命の場所・テラナー門)

 エイレーネを助けたらまた捕まりました、と徒労感が凄い回でした……

 ところで今回のサブタイトル「テラナー門の運命点」は、原題の直訳ですが、原題から悪いというか、どういう意味なのか解らない。最後まで読んだら意味が解るのかと期待したのですが、本編に「運命点」という言葉が出るでも無し、結局意味不明でモヤモヤ……

 そこで、読了後につらつら考えてみたのですが、これ、エイレーネがテラナー門の側でローダンと再会したことを言っているのではないかと思いつきました。つまり「運命的な出来事が起きた場所、テラナー門」という事では無いでしょうか。ドイツ語に詳しい人に聞いてみたい……
 
 
 

650巻~675巻(「ネットウォーカー」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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