ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送 NHK BSプレミアム。
【※以下ネタバレ】
1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。
第39話 セブン暗殺計画 [前篇]
あらすじ
ウルトラセブン 4Kリマスター版(39)「セブン暗殺計画 前編」
[BS4K] 2021年12月19日 午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)
セブン暗殺をたくらむガッツ星人は、セブンの戦いを監視して分析。ダンは変身を警戒するが、星人らの追撃にやむなく変身。戦いの末、十字架にはりつけにされてしまう。
1967年に地上波放送された『ウルトラセブン』を初の4K化・国内初放送!怪獣アロンと戦うウルトラセブンを探るように見つめる複数の眼。それは地球侵略をたくらむガッツ星人がセブンを倒すために能力を分析していたのだった。そしてセブンを公開処刑して人類に精神的ダメージを与えようと画策していた。ダンは変身を警戒するが、ガッツ星人の追撃にやむなくセブンに変身。しかし戦いの末にはりつけの身となってしまう!
登場 … 豪力怪獣 アロン、分身宇宙人 ガッツ星人、カプセル怪獣 ウインダム
地球侵略を企むガッツ星人は、前もって怪獣アロンをウルトラセブンと戦わせ、セブンの能力や弱点を徹底的に調べ上げていた。ガッツ星人は、モロボシダンではなくセブンを倒せば地球人は抵抗する意思を失い降伏すると考え、必殺のセブン暗殺計画を携えて、満を持して地球に襲来する。
ウルトラ警備隊では、通報を元に隊員たちが現場に駆け付けても誰もいない、という事態が続いて困惑していた。そんな時、第三地区からの通報が入り、今度はダンとアンヌがポインターで出動するが、二人の前に無敵を自称するガッツ星人が出現し、ダンに挑戦してきた。
ダンは何か違和感を覚え、自分が変身するのではなくカプセル怪獣ウインダムを投入するが、ウインダムはガッツ星人に翻弄された挙句、円盤からの光線で焼き殺されてしまった。そこにウルトラホーク1号が救援に駆け付け、ポインターを回収して飛び去った。
やがてイズミガオカ上空に目に見えない謎の物体が検知され、接近したソガとアンヌの乗ったホーク3号は撃墜されてしまう。ダンとソガはポインターで急行するが、ソガはガッツ星人の放った小型円盤に拉致され、ダンもポインターごと攻撃され、仕方なくセブンに変身する。
セブンは、ガッツ星人と対峙するものの、分身や瞬間移動などの戦術を駆使するガッツ星人に有効なダメージを与えられないままエネルギーを使い果たし、動けなくなったところを十字架にかけられてしまう。ガッツ星人はセブンの姿を地球人にさらし、翌日夜明けをもってセブンを処刑すると通告してきた。
地球防衛軍では、セブンを救出する有効な策を思いつかず焦りの色を濃くしていた。そんな時、正体不明の何者かが、宇宙ステーションの回路を使い地球防衛軍に呼び掛けてきた。地球防衛軍は、緊急事態につけこんで新たな侵略者が出現したのかもしれないと危惧しつつ、通信内容の解読を開始した。一方、アンヌは行方不明のままのダンの身を案じていた。次回に続く。
脚本:藤川桂介
監督:飯島敏宏
特殊技術:高野宏一
感想
評価は○(まずまず)
後半の目玉となるエピソードの一つです。サブタイトルからしてインパクトありますよね。子供の頃に見た時には、物凄く薄暗い話のような印象を受けたのですが、いざ歳をとってから見直してみると、意外と淡々としていてそんなに陰鬱な話でもなく、割と抵抗なく視聴できました。
とはいえ、冒頭からいきなり不穏な感じのBGMと宇宙人声のナレーション付きの戦闘シーンで幕を開けて不安感を募らせ、途中にも今まで聞いたことのないような音楽を流したりして、嫌な感じを醸し出してくれました。
何より衝撃的だったのがウインダムの運命。ガッツ星人に取り囲まれたダンが苦し紛れに出現させて戦闘に投入したものの、サイズが違い過ぎて有効な攻撃を与えられないでいるうちに、円盤からの攻撃で大炎上……、ダンがいつものカプセルに戻すしぐさをしなかったところを見ると、光線で焼き尽くされて死体も残らなかったものと思われます。今までこの事実を知らなかったので大ショック……
またセブンとガッツ星人との戦闘シーンでも、(話の流れ的に当然ですが)いつもの痛快さはなく、セブンの攻撃がことごとく通用しないという目を覆いたくなる展開に…… ちなみにセブンが崖の上でガッツ星人(二体?)と戦っている間にも、やはり円盤の中にガッツ星人が二体いて「もう間もなくセブンのエネルギーは尽きるぞ」と言っているのですが、これは一体?
推理1 ガッツ星人は四体で地球に来ていた
推理2 ガッツ星人は二体。ただしセブンが戦っていたのは幻影で、本物二体は円盤内で高みの見物をしていた
推理3 ガッツ星人は二体。一号が分身しながらセブンと戦い、二号も円盤の中で無意味に分身していた
推理4 ガッツ星人はそもそも最初から一体しかおらず、分身して円盤内で独り言を言ったり、崖でセブンと戦ったりしていた(忙しい!)
ちなみに推理4が正しい場合、ガッツ星人は一人で「セブンの正体はダン隊員なのだ」「ならばダンを倒せば簡単ではないか」などと、自分で自分に突っ込みを入れていたことになり、いくら何でもまともじゃないので、多分二体以上はいたと思われます。
ガッツ星人がセブン=ダンと知りながら、ダンを襲ったりウルトラアイを奪ったりしなかった理由について、ちゃんと「地球人の前でセブンを倒すことで地球人の抗戦意欲を失わせる」という理屈がつけられていたのは、なかなか感心させられました。
しかし今回のアンヌときたら……、地球防衛軍のエリート・ウルトラ警備隊の一員にも関わらず、ガッツ星人が出現すると怯えてポインターの中に隠れ、そのあと「駄目駄目、しっかりしなくちゃ」とか言っていたりしますが、そんなのでは宇宙人と戦う戦力にならないのでは。医療技術が有っても、宇宙人を見たらたじろぐようでは困りますよね。
夕暮れの空に磔になったセブン、という衝撃シーンのまま次回に続く……、当時の視聴者はどんな気持ちだったのでしょうか……
分身宇宙人 ガッツ星人
豪力怪獣アロン
カプセル怪獣 ウインダム
他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ
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