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神聖寺院作戦 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-655 宇宙英雄ローダン・シリーズ 655) 文庫 2021/12/16
クルト・マール (著), H・G・エーヴェルス (著), 鵜田 良江 (翻訳)
出版社:早川書房 (2021/12/16)
発売日:2021/12/16
文庫:268ページ
【※以下ネタバレ】
スラッチらはイプシロン星系にあるティグ・イアンに対するレジスタンス組織GOIの本部、クラーク・フリッパー基地を探していた
レジナルド・ブルの副官ファジーことボニファジオ・スラッチは、ソト=ティグ・イアンの護衛部隊の拠点である宇宙要塞から逃れ、名もなき惑星にある“クラーク・フリッパー基地”にやってきた。ここはソト=ティグ・イアンに対する抵抗組織GOIの本拠地だ。ファジーはGOI代表のジュリアン・ティフラーから任務をいいわたされる。パラ露をひそかに入手するため、惑星アラロンにいる闇商人に接触せよというのだが…世界最長のスペースオペラ。
あらすじ
◇1309話 テラへの道(クルト・マール)(訳者:鵜田 良江)
ボニファジオ・スラッチたちはGOIの秘密の本部に迎えられるが、幹部のティフラーはカルタン人の情報に興味を示さず、テラにいるアダムスに情報を伝えるようにアドバイスする。スラッチたちはGOIのメンバーとなり、テラへパラ露を輸送する任務を与えられるが、彼らを支援したスプリンガー族長「キャプテン・アハブ」こと「モセク・バン・オスファー」こそストーカーだった。スラッチたちはテラでアダムスと面会し、改めて三角座銀河に向かう様に指示される。(時期:NGZ446年2月)
※初出キーワード=ストリクター、パラテンサー、三角座銀河情報局(PIG)
◇1310話 神聖寺院作戦(H・G・エーヴェルス)(訳者:鵜田 良江)
GOIはソト=ティグ・イアンが企んでいるというブルー族への攻撃の詳細を突き止めるため、チョモランマにあるソトの司令本部「ソトム」へ侵入する「神聖寺院作戦」を計画していた。ティフラーは、恋人ニア・セレグリスや他の三人のメンバーと共にチョモランマに突入したが、到着早々発見されてしまう。しかし突如謎の老人が現れて、発見者の記憶を消し一行を手助けした。(時期:不明:NGZ446年2月頃)
※初出キーワード=ソトム
感想
・前半エピソード 原タイトル:HEISSE FRACHT FUR TERRA(意訳:テラ向け危険貨物)
GOIの説明、ストーカーとの再会、テラについたと思ったら今度はすぐに三角座銀河行きに、と目まぐるしい展開のエピソードでなかなかの読みごたえ。意外なのは、スティギアン支配下の銀河系では、みんな結構自由にふるまっていること。ギャラクティカムはそのまま存在しているし、反スティギアンを掲げるブルー族は野放し(?)だし、と、公会議時代のように、反抗分子が手当たり次第に奴隷惑星に放り込まれたりはしていないようです。まあ秘密警察的な連中がうろうろしてはいますが……
モセク・バン・オスファーの異名は「キャプテン・≪ア≫ハブ」よりは「≪エイ≫ハブ」の方が良かったなぁ……
・後半エピソード 原タイトル:UNTERNEHMEN GOTTERSCHREIN(意訳:神々の神殿作戦)
GOIのトップのティフラーが自ら、戻ってこれる確率の方が低そうな決死作戦の指揮を執っています。往年のペリー・ローダンのごとし。ティフラーも(チーフみずから決死作戦の先頭に立っていた)第三勢力時代のノリが未だに抜けていないのかもしれません……
P207辺りで、キチドグ・ロルヴィクといういかにも何かやりそうな名前の男が暗躍しており、いつものエーヴェルス風味です。というかこの人物、やっぱダライモク・ロルヴィク本人なのでは……