【歴史】感想:NHK番組「世界史ドリームマッチ 最強の王は誰だ」(2022年1月1日(土)放送)

世界史ドリームマッチ 最強の“王”は誰だ(NHKオンデマンド)

世界史上、最強なのは誰?古今東西の6人の覇者たちが火花を散らす!  世界史ドリームマッチ 最強キング決定戦 頂点を極める“王”は誰だ! https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=32222
放送 NHK BSプレミアム。2022年1月1日(土)

【※以下ネタバレ】
 

世界史ドリームマッチ 最強キング決定戦「頂点を極める“王”は誰だ!」
[BSプレミアム] 2022年01月01日 午後7:00 ~ 午後9:00 (120分)


アレクサンドロス大王始皇帝、ナポレオン…。世界史上の名立たる覇王たちが一堂に会し「最強王」の称号をかけて対決!時空を超えた一夜かぎりのドリームマッチが開幕!


エントリーするのは6人の世界史上の英雄たち。1対1のトーナメント方式で対戦し、勝ち残った者を「最強」に認定。軍略・統治力・カリスマ性など、その能力や業績を最新CGや迫力の再現ドラマを交えて検証。世界史をこよなく愛する選考委員がそれぞれの王の魅力や生き様を語りつつ、どちらが最強王にふさわしいかをジャッジする。エジプト、ローマ、中国、モンゴル、フランス…。時代を超えた壮大な歴史エンターテインメント。


【出演】本村凌二ヤマザキマリ高橋源一郎カズレーザー田中麗奈,【司会】浅井理

 

内容

 歴史の中で有名な六人の王について、五人のメンバーがトーナメント形式で評価し、最強王を決めるという番組。


●第一試合 アレクサンドロス大王 対 始皇帝

 対決テーマは軍略力。

 アレクサンドロス大王は、マケドニアの王。あらゆる戦闘に勝利した無敵の王。常に最前線で指揮を執り、当時の超大国ペルシャ帝国を打ち破った。

 始皇帝は、中国大陸で七大国が争う戦乱時代に、秦の精鋭軍を操り、史上初の中国統一を成し遂げた。


判定 ○アレクサンドロス大王(5-0)始皇帝×


●第二試合 ラメセス2世 対 フビライ・ハーン

 対決テーマは統治力。

 ラメセス2世はエジプトの王。アブ・シンベル神殿をはじめ多くの神殿の建築に関わった。かつては奴隷を酷使して建設に従事させた悪王と思われていたが、近年の研究では建設者たちの待遇は極めて良かったと解っており、国民に仕事を与えるための建設事業だったと思われる。また、敵国ヒッタイトと史上最古の平和条約を締結し、戦争より国際交流で国を富ませた。


 フビライ・ハーンはモンゴルの王。支配した領土は実に地球の1/4にもおよぶ。異民族やかつての敵であっても、有能であれば登用する柔軟性を持っていた。


判定 ×ラメセス二世(0-5)フビライ・ハーン○


●第三試合 ユリウス・カエサル 対 ナポレオン・ボナパルト

 対決テーマはカリスマ性。

 カエサル古代ローマの政治家・軍人。分かりやすく説得力のある弁舌の力で兵士・大衆の心をつかみ、権力の頂点へと上り詰めた。また著書「ガリア戦記」も名作として有名。


 ナポレオンはフランスの皇帝。貧乏貴族の子供として生まれながら、戦争の強さとイメージ戦略で大衆の人気を得た。お抱え画家に自分の姿をカッコよく描かせて自己アピール。有名な「アルプスを馬に乗って超えるナポレオン」の絵はあくまでフィクションで、本人も「ラバ」に乗っていたと書き記しているが、しかしイメージ戦略で人気を確立した。


判定 ×ユリウス・カエサル(2-3)ナポレオン・ボナパルト



●決勝戦 アレクサンドロス大王 対 フビライ・ハーン 対 ナポレオン・ボナパルト

 対決テーマは「人類への遺産」。


 アレクサンドロス大王は「物語」を残した。彼の大遠征の記録はカエサルもナポレオンも影響を受けたし、また、史実を超えてフィクションの世界の主人公となり、水中探検に出かけたりグリフォンの力で空を飛んだり、と「アレクサンドロス・ロマンス」という物語のジャンルを残した。


 フビライ・ハーンは「家族」を残した。フビライは世界を民族や国家で区別せず大きな一つの家と見なした。現代のアジアにはある特定の遺伝子(フビライの家系と思われる)が127か所で確認され、その遺伝子を持つものは4000万人にも達すると言われる。


 ナポレオン・ボナパルトは「法典」を残した。ナポレオンは「フランス民法典」(通称ナポレオン法典)の作成に自ら大きくかかわった。その内容は法の前の平等・基本的人権・経済活動や信教の自由、等で、ナポレオン死後ヨーロッパ諸国も参考にし、現在フランスでも何度か改正されて現役で使用されている。


判定
アレクサンドロス大王 … 1票
フビライ・ハーン … 3票
ナポレオン・ボナパルト … 1票


フビライ・ハーンが最強王となりました。


感想

 冒頭で選考委員の一人のカズレーザーが口にしていた通り、最近は「歴史上の偉人が時代と場所を超えて対決」というネタが大受けですが、それをフィクションベースではなく、あくまで史実を元にやってみようという企画で、歴史好きならちょっとワクワクしてしまう番組でした。


 各王の功績を史実を元に手際よく紹介。しかも出典は解りませんが、各キャラクターについて映画っぽい映像をバンバン流すので、見ていて物凄いゴージャス感でした。


 二時間の長丁場の番組でしたが、全然退屈しなかったし、これは良い番組でしたね。
 
 

世界史ドリームマッチ 最強キング決定戦「頂点を極める“王”は誰だ!」
[BSプレミアム] 2022年01月01日 午後7:00 ~ 午後9:00 (120分)


アレクサンドロス大王始皇帝、ナポレオン…。世界史上の名立たる覇王たちが一堂に会し「最強王」の称号をかけて対決!時空を超えた一夜かぎりのドリームマッチが開幕!


エントリーするのは6人の世界史上の英雄たち。1対1のトーナメント方式で対戦し、勝ち残った者を「最強」に認定。軍略・統治力・カリスマ性など、その能力や業績を最新CGや迫力の再現ドラマを交えて検証。世界史をこよなく愛する選考委員がそれぞれの王の魅力や生き様を語りつつ、どちらが最強王にふさわしいかをジャッジする。エジプト、ローマ、中国、モンゴル、フランス…。時代を超えた壮大な歴史エンターテインメント。


【出演】本村凌二ヤマザキマリ高橋源一郎カズレーザー田中麗奈,【司会】浅井理

https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=32222
世界史上、最強なのは誰?古今東西の6人の覇者たちが火花を散らす!
世界史ドリームマッチ 最強キング決定戦 頂点を極める“王”は誰だ!
1月1日(土・祝)[BSプレミアム][BS4K]後7:00~8:59


アレクサンドロス大王、ラメセス2世、始皇帝…。世界史上“最強”の名を冠するにふさわしい古今東西の覇者たち。
もし、世界の英雄たちが一堂に会することがあったら…。
とりあげるのは時代も地域も、とりまく状況もまったく異なる中で活躍した6人の王たち。多様なテーマで対戦し、勝ち抜くのは一体誰なのか。一夜限りのドリームマッチが開幕する。


放送に先駆け、対戦方法とエントリーした6人の英雄たちをご紹介!
それぞれの得意分野を数値化し、「選考委員」による推しポイントをお伝えします。
最強の王が決まる、その対戦方法は?


対戦は1対1のトーナメント形式。「軍略」「統治力」「カリスマ性」「人類への遺産」をテーマに、王たちの能力を徹底検証。最後まで勝ち抜いた王を“世界最強”に認定します!

●ポイントその1
まるでハリウッド映画のような壮大なスケールの紹介VTRは必見! 最新研究で浮かび上がった王たちの実力を、最新CGや重厚な再現ドラマを交えながら描いていきます。

●ポイントその2
“世界最強”を認定するのは、世界史を愛する「選考委員」たち。王たちの魅力や生きざまをたっぷり語りつつ、対戦ごとに「どちらが最強の王にふさわしいか」のディベート&投票でジャッジします。



エントリーした英雄はこの6人
誰もが耳にしたことのある、6人の王たちがエントリー。時代や地域を超越した視座だからこそ見えてくる、王たちの王たるゆえん、その神髄とは…。


エントリーNo.1
マケドニアの「征服王」/アレクサンドロス大王
その戦場での姿は実に勇敢。自軍の5倍の兵力を持つペルシア帝国との決戦にも最前線で指揮を執り、自らが先頭に立って敵本陣を急襲。兵たちを「ヘタイロイ(=王の友)」と呼び、厚い信頼を獲得した。
士気向上度:★★★★★



エントリーNo.2
中国・秦の「統一王」/始皇帝
7つの国がしのぎを削る戦乱の時代。敵の5か国が同盟を結び大連合軍を結成すると、秦は、弓兵・騎兵・重装歩兵・戦車を巧みに組み合わせ、一糸乱れぬ統率力でこれを撃退。戦国最強とうたわれた精鋭軍団で、中国統一を成し遂げた。
絶対君臨度:★★★★★



エントリーNo.3
エジプトの「建築王」/ラメセス2世
世界遺産アブ・シンベル神殿をはじめ、現存する神殿の半数もの建築に関わる。神殿建築で民に労働や食事などを与え、敵対していた国・ヒッタイトと文書化された世界最古の平和条約を締結。戦争ではなく、平和を礎にした国際交流で国の発展を考えた。
民の幸せ度:★★★★★



エントリーNo.4
モンゴルの「経営王」/フビライ・ハーン
巨大帝国・モンゴルの最盛期を作り出す。有能ならば異なる人種でも側近に抜てきし、各国の様式を取り入れて建物や兵器を整備するなど、人種・宗教・文化の違いを問わず、多様性を力に変えた。さらにはユーラシア大陸にまたがる巨大な交易圏も築き、国家の発展へと導いた。
国家の発展力度:★★★★★



エントリーNo.5
ローマの「弁論王」/ユリウス・カエサル
政治家の不正を告発、選挙への熱意、未開の地・ガリアへの遠征の記録であるカエサルの著作『ガリア戦記』にも記されるアメとムチ。その巧みな「言葉力」は多くの民衆を魅了した。「賽は投げられた」で有名な内乱でも、兵たちに助力を求め勝利を収めた。
言葉の魔法度:★★★★★



エントリーNo.6
フランスの「革命王」/ナポレオン・ボナパルト
田舎貴族からのし上がるために…。偉大な人物として描かれている絵画でカリスマ性を高め、凱旋門をはじめとするモニュメントを建造し業績をアピール。イメージ戦略に成功した結果、国民投票では総票数の99.9%の賛成票を集めた。
イメージ戦略度:★★★★★

 
図説 アレクサンドロス大王
図説 アレクサンドロス大王 (ふくろうの本)
秦の始皇帝
秦の始皇帝 (文春文庫)
ラメセス2世:神になった太陽王の物語
ラメセス2世:神になった太陽王の物語 (「知の再発見」双書)
フビライ
フビライ汗 (中公文庫)
ローマ人の物語 (4) ユリウス・カエサル-ルビコン以前
ローマ人の物語 (4) ユリウス・カエサル-ルビコン以前
図説 ナポレオン
図説 ナポレオン (ふくろうの本)