ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送 NHK BSプレミアム。
【※以下ネタバレ】
1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。
第48話 史上最大の侵略 前編
あらすじ
ウルトラセブン 4Kリマスター版(48)「史上最大の侵略(前編)」
[BS4K] 2022年02月27日 午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)
セブン上司は、ダンに過去の戦いでダメージが蓄積したためこれ以上地球にいると死んでしまうと告げる。しかしゴース星人にアマギを拉致され、忠告を無視して変身をする。
ダンは自分の体に異常を感じる。実は、地球を守るために戦ってきたセブン=ダンの体は多くのダメージを受けていたのだ。セブン上司はそんなダンに「M78星雲に戻らず、これ以上地球にいると死んでしまう」と告げる。ゴース星人はアマギ隊員を拉致し、宇宙コンテナで怪獣パンドンを地球に送り込む。地球の危機を感じたダンは自分の体を顧みず、セブンに変身するが…。
登場 … 幽霊怪人 ゴース星人、双頭怪獣 パンドン
何時のころからか、モロボシダンは原因不明の体調不良が続き、ウルトラ警備隊の任務に支障が出る程に衰弱しきっていた。ダンはそれでも周囲に体調を隠しながら任務を続けるが、ある日の宇宙パトロールの際、正体不明の円盤に遭遇するものの、目のかすみにより攻撃が命中せず、逆に円盤によって撃墜されてしまう。円盤はV3の隊長クラタが撃墜するが、ダンはクラタから厳しい言葉を浴びせられる。
キリヤマは、最近の不穏な状況から大規模侵略計画の存在を感じ取り、隊員たちに厳戒態勢を命じる。アンヌはダンの体調不良に気が付き、精密検査を受けるように勧めるが、ダンは自分の正体がバレることを恐れアンヌの申し出を拒絶する。
深夜。自室で朦朧としているダンの前に突如上司が現れ、ダンの体調不良は今までの侵略者との激しい戦いのダメージが蓄積した物だと告げ、故郷M-78星雲に帰らなければ死ぬと警告する。そして戦えばエネルギーを消費しM-78星雲に帰れなくなるため、変身するなときつく言い渡して消えた。
ある夜。深夜勤務のダンはV3のクラタから飛行物体の飛来の警告を受け取るが、意識が朦朧としており反応できずに放置してしまう。やがて少し回復したダンは物体の飛来に気が付いて警報を発し、ウルトラ警備隊が迎撃に向かった。
ウルトラ警備隊は地上に着陸した物体に接近するが、突如現れた宇宙人(ゴース星人)に奇襲され、アマギは球体の中に閉じ込められて連れ去られてしまう。さらに飛来物体の中からは怪獣(バンドン)が出現し、火炎攻撃を受けてキリヤマたちは炎に囲まれてしまう。ダンはそれを見て上司の警告を無視し、セブンに変身した。
しかしセブンは立っているのもやっとの有様で、エメリウム光線も使用できず、パンドンに一方的に叩きのめされる。それでもセブンは一瞬のスキを突き、アイスラッガーを手で持ってパンドンの手足を切断し何とか勝利した。しかしダンの姿に戻った途端昏倒してしまう。
ダンは基地に運ばれるが、医者から見放されるほどの大怪我を負っていた。キリヤマはクラタの通報がもっと早ければ犠牲を出さずに済んだと責めるが、逆にクラタからは通信したのに応答が無かったと言い返される。そしてクラタは通信担当がダンだったと知り、居眠りをしていたに違いないと言い放つ。ダンは傷の痛みに苦しみもがいていたが、突然静かになる。
ナレーション「悪魔のような侵略者から地球を守るために戦ってきたウルトラセブンにも最期の時が近づいていた。もう二度と再び立ち上がることはできないのだろうか? 死んではいかん。地球は、まだ君を必要としているのだ。がんばれ、モロボシダン。ウルトラセブン、生きるんだ」
次回に続く。
脚本:金城哲夫
監督:満田かずほ
特殊技術:高野宏一
感想
評価は○(まあまあ)
ウルトラセブンのラス前のエピソード。悲壮な展開が強烈な印象を残す回です。
モロボシダンが原因不明の体調不良で衰弱しきって、まともにウルトラ警備隊の任務を行えない場面が痛々しいのですが、さらにその事でミスを犯してV3のクラタ隊長からなじられるシーンもミックスされるので、もう見ていて辛い事この上ない……、こんな陰気なヒーロー物のエピソードがあっていいのかと思うくらい。自分の実生活がクロスオーバーしてきて、もういたたまれません……
ところで、苦しそうなダンは「脈拍360、血圧400、熱が90度近くもある」と体調不良をモノローグで語っていましたが、体温が90度も有ったらうっかりダンに触れた人は熱くて火傷しちゃうんじゃないでしょうか? 近づいただけで気がつきそうな気がする……
今回、またアンヌの髪が長くなっていてびっくりしました。各回の監督の好みでアンヌの髪型がコロコロ変わるので、どうにも気になって仕方ないです。大事な最終回前なのにキャラぶれしないでほしいとつくづく思いましたよ。
ダンにM-78星雲に帰るように説得に来た「セブン上司」。今ではこの名前は有名ですが、初放送時は当然名前が解っておらず、視聴した人たちは何者か分からず、「親? それとも神様?」とか想像をたくましくしていたとのことです。「セブン上司」の名前が公式になったのは、放送後に特撮系雑誌などの資料でのことだそうで、言われてみれば、このセブンのそっくりさん、自分が何者か劇中では全く語っていません。目かろウロコ的な逸話です。
今回の侵略者ゴース星人は台詞が全くない(宇宙語で何か言っていたけど意味不明)ので印象が薄く、最終回を飾るにふさわしい貫禄は見受けられません。また箱型宇宙船で飛来した怪獣パンドンも、「頭が二つある」というとなんとなく凄そうですが、実際は真横にしか火が吹けないので、正面の敵に火炎攻撃が出来ず、いちいち体を横に向ける必要があるというお粗末ぶり。とんだ欠陥怪獣で、過去にセブンが戦った数々の凄玉怪獣たちと比較して格落ち感は明白です。セブンが衰弱していなかったら、速攻で首を切り落とされて退場となったのではないでしょうか。
と、サブタイルから受ける印象の「史上最大に強大な侵略者宇宙人の脅威」より、セブンの体の衰弱の方がよほど問題、という感じで次回に続く。
幽霊怪人 ゴース星人
双頭怪獣 パンドン
他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ
perry-r.hatenablog.com
Vol.2
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Vol.5
Vol.6
Vol.7
Vol.8
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Vol.11
Vol.12