【SF小説】感想「焦点のビッグ・プラネット」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 661巻)(2022年3月16日発売)

焦点のビッグ・プラネット (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-661 宇宙英雄ローダン・シリーズ 661)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123608
焦点のビッグ・プラネット (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-661 宇宙英雄ローダン・シリーズ 661) 文庫 2022/3/16
H・G・フランシス (著), H・G・エーヴェルス (著), 鵜田 良江 (翻訳)
出版社:早川書房 (2022/3/16)
発売日:2022/3/16
文庫:271ページ

【※以下ネタバレ】
 

ドモ・ソクラトと宇宙考古学者のベンク・モンズは、惑星テルツロックの通商都市グラルルにあるピラミッドに侵入を試みるが……!?


ティグ・イアンがストーカーに勝利してあらたなソトの地位について以来、ハルト人の居住惑星テルツロックは隔離バリアによって封印されていた。惑星に幽閉状態となったドモ・ソクラトとその友ベンク・モンズは、テルツロック脱出の手立てを探る。一方そのころジュリアン・ティフラーとニア・セレグリスを乗せたスプリンガー船“オスファー1”の船長キャプテン・アハブも、ドモ・ソクラト救出に向けて動きだしたが…?

 

あらすじ

◇1321話 焦点のビッグ・プラネット(H・G・フランシス)(訳者:鵜田 良江)

 ティフラーはギャラクティカムの評議員たちに、ソト=ティグ・イアンがブルー族攻撃を計画していることを伝えるが、評議員たちはどう対応するかで意見がまとまらなかった。積極行動を訴えるハルト人は、ティフラーの提案で表面上ギャラクティカムを脱退し、GOIと連携して活動する道を選んだ。

 一方、ストーカーたちは、惑星「ビッグ・プラネット」こと隔離惑星テルツロックに閉じ込められているハルト人ドモ・ソクラトの解放作戦を開始し、偶然ナックの「アルフラル」とコンタクトする。そしてアルフラルの支援で、ドモ・ソクラトと友人のベンク・モンズの救出に成功した。(時期:NGZ446年4月5日~)

※初出キーワード=ディアパス/ディアパシー(超能力)


◇1322話 ハルト人の反乱(H・G・エーヴェルス)(訳者:鵜田 良江)

 GOIは惑星ハルトでハルト人と連携して作戦を開始し、手始めにハルト人がウパニシャド学校を破壊した。ソト=ティグ・イアンは惑星ハルトに急行し、懲罰部隊と、ハルト人そっくりのスパイ「ヴォマゲル」を送り込んだ。ヴォマゲルはハルト人の形を模した兵器だったため、ハルト人やGOIはヴォマゲルがかつてシガ星人が開発した伝説のロボット「パラディン」の新型だと誤解してしまう。GOIは懲罰部隊を抗法典ガスで無力化したあと、ソト配下の宇宙船を奪うが、ヴォマゲルの力で宇宙要塞フェレシュ・トヴァアルに誘導されてしまった。(時期:不明:NGZ446年4月頃)

※初出キーワード=ヴォマゲル種族


あとがきにかえて

 鵜田良江さんが翻訳チームを卒業するので、お別れのあいさつ。


感想

・前半エピソード 原タイトル:BRENNPUNKT BIG PLANET(意訳:焦点ビッグ・プラネット)

 惑星テルツロックでのドモ=ソクラトたちの大暴れ、ギャラクティカムの会議、キャプテン・アハブたちの作戦、の三つが同時進行する、なかなか凝ったエピソード。今回どこにも書かれていませんが、惑星テルツロックは大マゼラン星雲の惑星、またコズミックバザール・ベルゲンも大マゼラン星雲に配置されている、ということで、大マゼラン星雲が舞台となっています。フランシスはその辺り説明すべきじゃないですかね。

 今回キャプテン・アハブたちが、ナックの一人アルフラルとコンタクトするくだりがなんとなく興味深い。ナックって本当に何のために出ているのかよく解らない……


コズミック・バザール一覧
ノヴゴロド … M-13球状星団
・ベルゲン … 大マゼラン星雲
ダンツィヒ … 銀河系エウガウル星系近傍
リューベック … 銀河系フェルト星系近傍
ハンブルク暗黒星雲プロヴコン=ファウスト
ロストック … 二百の太陽の星近傍



・後半エピソード 原タイトル:REBELLION DER HALUTER(意訳:ハルト人の反乱)

 GOI・ハルト人同盟による一大反抗作戦の回。エーヴェルスがしれっと「バス=テトのイルナ」の弟を出してきたのにちょっと笑った(笑) 懐かしい名前です。それにしてもイルナはアコン人でも何でもないという話だったような気がするのですが、かつて深淵にいたイルナと今回話題になった16年前に消えたアコン人のイルナは別人なのか?

 あと「パラディン・ロボット」という懐かしいキーワード。イヤー、サンダーボルトチームめちゃくちゃ懐かしいですね。最後に登場したのは一体いつだったのか。ローダンたちはまたパラディンを作ったら良いのにと思いますか、シェールがいないとパラディンみたいな秘密兵器が出てこないからいけませんね。
 
 
 

650巻~675巻(「ネットウォーカー」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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