【SF小説】感想「パラディンIVの真実」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 662巻)(2022年4月5日発売)

パラディンVIの真実 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-662)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123616
パラディンVIの真実 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-662) 文庫 2022/4/5
H・G・エーヴェルス (著), クルト・マール (著), 星谷 馨 (翻訳)
出版社:早川書房 (2022/4/5)
発売日:2022/4/5
文庫:271ページ

【※以下ネタバレ】
 

捕虜になった《ブリー》乗員のGOIメンバーはハンター旅団指揮官のクティシャにより拷問され、次々と命を落としていくが……!?


“ブリー”乗員のGOIメンバーのシド・アヴァリトたちはソト=ティグ・イアンの護衛部隊であるハンター旅団に襲撃され、自ら“ブリー”を爆破し捕虜となる。GOIメンバーは宇宙要塞七〇三にてハンター旅団の指揮官ウィンダジ・クティシャにより激しい拷問を受け、次々と命を落としていく。そのことを知らされたGOI代表のジュリアン・ティフラーらは、捕虜になったGOIメンバーを救い出すべく動き出すが…!

 

あらすじ

◇1323話 パラディンIVの真実(H・G・エーヴェルス)(訳者:星谷 馨)

 惑星ハルトを襲撃したスティギアンの兵士たち12万人は、抗法典分子ガスの力で正気を取り戻し、スティギアンから離反した。スティギアンはハルト人との全面対決を避けるため、艦隊を撤退させた。

 エネルプシ・エンジン搭載船を奪取しようとしたGOIメンバーは、宇宙要塞に拿捕され拷問を受けるが、謎の老人ペレグリンの助力で脱出に成功した。「パラディンVI」を名乗っていたヴォマゲル種族のヒゴラシュは、スティギアンたちの非道さを知り、将来のGOIへの参加を約束して立ち去った。(時期:NGZ446年5月11日とその前後)

※初出キーワード=特に無し


◇1324話 ビッグ・ブラザー(クルト・マール)(訳者:星谷 馨)

 GOIは謎の存在「ビッグ・ブラザー」の支援を受けていたが、その正体は13年前に消息不明となった《バジス》だった。《バジス》はスティギアンの手を逃れ姿を消した後、銀河系中の優秀な研究者・技術者をスカウトし、スティギアンに対抗するための研究開発をおこなっていた。《バジス》の研究者は、プシオン・ネットを操作する新兵器「ストリクター」のテスト中にスティギアンの配下の襲撃を受けるものの、超現実学者アンブッシュ・サトーが事態を収拾した。《バジス》は永遠の戦士ペリフォルの艦隊が数日中に銀河系に到着することを掴んだ。(時期:~NGZ446年6月2日)

※初出キーワード=スティギ糸、ステュクス星系、惑星ステュクス4(サガポー)、パラリフレクター、ソティスト(ソト主義者)

あとがきにかえて

 歳を取ると病気自慢が共通語になる、という話。


感想

・前半エピソード 原タイトル:PALADIN VI(意訳:パラディンVI)

 惑星ハルトでのスティギアン大敗北と、宇宙要塞からの脱出劇、の二本立て。しかし、思わせぶりに登場した「パラディンVI」ことヴォマゲル種族のヒゴラシュですが、結局何一つ正体に迫れないまま終わってしまい拍子抜け。今後につながる重要なキャラなのか、はたまた、『まーたエーヴェルスが勝手にオリジナルキャラを創造して大活躍させてしまった』のか、どっちだか解らん!!



・後半エピソード 原タイトル:DER GROSSE BRUDER(意訳:ビッグ・ブラザー)

 いつのまにか姿を消していた《バジス》の華麗なる復活エピソード。そして無限アルマダサイクル以降すっかり忘れ去られていたアンブッシュ・サトーが奇跡のカムバック。しかし、どうも西洋人的に「気」の力を過大評価し過ぎと言うか……、普通の学者だったはずのサトーがP229~P230辺りでは気の力で敵を圧倒しているし、そのあとさらに気の力で並行世界を出現させるし……、これは本当にペリー・ローダンのエピソードなのか……

 あとペレグリンの「ずっと《バジス》にいたので、地球にいたとかいう話知らないけど?」というすっとぼけぶりが素敵。もう”それ”以外の何者でもないでしょこの人。
 
 
 

650巻~675巻(「ネットウォーカー」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com

ローダン・シリーズ翻訳者一覧は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com