【歴史】感想:歴史番組「ダークサイドミステリーE+」2022年版「魔女狩りの恐怖 なぜ人は、隣人を追いつめたのか?」(2022年6月7日(火)放送)

魔女狩り (「知の再発見」)

ダークサイドミステリーE+ NHK https://www.nhk.jp/p/ts/ZG5NQK3K3P/
放送 NHK Eテレ。毎週火曜夜10時45分~11時15分放送。

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

他の回の内容・感想

perry-r.hatenablog.com
 

驚きと感動の「闇」が、地上波に登場!


BSプレミアムでシーズン4が4月14日(木)スタートする話題の番組「ダークサイドミステリー」。その名作の数々が、コンパクト30分版に見やすくなってEテレに登場!


背筋がゾワゾワ、心がドキドキ、怖いからこそ見たくなる。世界はそんなミステリーに満ちている。世間を揺るがした未解決の事件、常識を越えた自然の脅威、いにしえの不思議な伝説、怪しい歴史の記録、作家の驚異の創造力…。こうした事件・出来事を徹底再検証!


ナビゲーター・栗山千明、語り・中田譲治、テーマ音楽・志方あきこのダークなトライアングルで迫ります。

 

魔女狩りの恐怖 なぜ人は、隣人を追いつめたのか? (2022年6月7日(火)放送)

 

内容

ダークサイドミステリーE+「魔女狩りの恐怖 なぜ人は、隣人を追いつめたのか?」
[Eテレ] 2022年06月07日 午後10:45 ~ 午後11:15 (30分)


あなたや世の中が不幸なのは誰のせい?きっと近くに悪い魔女が隠れている?「魔女狩り」…それは昔だけのことではない。人間の心の奥にひそむ、知られざる闇の正体に迫る!


人類史に刻まれた闇の惨劇「魔女狩り」。かつて推定6万人もの無実の人が、災いをなす「魔女」として疑われ犠牲になった。惨劇はなぜ起きたのか?▼恐怖の「魔女裁判マニュアル」は女性ヘイトから?もともと魔女は嫌われてなかった!それを憎い敵にしたのは、たったひとりの男の妄想?▼愛する娘へ獄中からの手紙…苦痛に耐え暴露した、魔女狩り暴走の秘密とは?▼あなたは大丈夫?現代ハイテクで相次ぐ世界各地の魔女狩りとは?


【出演】栗山千明,【語り】中田譲治

 今回は「2020年4月9日放送回」のダイジェスト版。
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【ミステリー】感想:歴史ミステリー番組「ダークサイドミステリー」(2020年版)『魔女狩りの恐怖 なぜ人は、隣人を追いつめたのか?』(2020年4月9日(木)放送)
https://perry-r.hatenablog.com/entry/2020/05/19/234723

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 今回のテーマは「魔女狩り」。



魔女狩りとは

 16世紀から17世紀のヨーロッパで、ごく普通に暮らしていた人々が、突如「魔女」の疑いをかけられ、拷問を受けた末に処刑される、という狂的な迫害が行われた。これを魔女狩りという。魔女狩りによる犠牲者は6万人ともいわれる。


●魔女とは

 魔女とは、キリスト教の世界観においては、悪魔サタンの手先となった人間をさす。サバトという集会で悪魔と性的な交わりを持つことにより、魔女術という術を使えるようになり、天候不順による凶作、飢饉、伝染病などの災いをもたらすとされた。人々は世の中の災いは、人間を裏切った魔女たちの仕業であると考えた。


魔女狩りの流れ

 まず普通の生活を送っている女性が、誰かの告発でとらえられる。そして魔女裁判にかけられ、無実を主張しても、誰にでもあるほくろ・シミ・いぼなどを悪魔と契約した証拠「悪魔の爪痕」と見なされて、魔女と断定される。そして魔女と「自白」するまで残虐な拷問にかけられ、自白すれば「悔い改めた」と見なされて、最後に死刑にされる。


魔女狩りマニュアルの誕生

 魔女狩りの先駆者といえるのが、15世紀の異端審問官ハインリッヒ・クラーマーである。

 1485年、クラーマーはオーストリアインスブルックで街の女性たちを魔女として告発した。しかし弁護人からは「悪魔と性的な交わりを持った人間とか迷信のようなことを本気で言っているのか?」と反論され敗北してしまう。翌1486年、クラーマーは「魔女への鉄槌」という本を書いて出版する。この本は、魔女の見分け方から魔女裁判のやり方まで細かく記された「魔女裁判マニュアル」とでもいうべきもので、3万部も出版された。


魔女狩りの始まり

 それから100年後。社会不安に伴い魔女狩りが始まった。この時代は小氷期と呼ばれる寒冷な気候のため凶作が続いていた。それが「魔女の仕業」ということになったのである。

 魔女狩りは一般市民だけではなく、上流階級の人間ですら対象にされた。ドイツのバンベルクという町では1600年代前半に町のあらゆる階級に渡る900人が犠牲となった。町の支配者ヨーハン・ゲオルク2世は魔女司教と呼ばれた人物で、魔女狩りに熱心だった。

 1627年。ある少年が「ファウスト博士」を読んでいたのをきっかけに、それを勧めた召使が魔女として捕まり、召使は少年とその母親を告発し、という流れで、どんどん町の人間は魔女にされていった。魔女狩りに反対した市長や、元市長などの上流階級の人も次々と告発され、拷問された上に処刑された。

 しかし、1631年、バンベルクの住民が町を脱出し、周辺大都市に駆け込んで助けを求めたことで状況は変わった。神聖ローマ帝国首都のウィーンなどには、魔女狩りを理性的に否定する知識階級が数多く存在した。裁判所はゲオルク2世に魔女狩りを禁止する命令を発した。また当時の戦争でゲオルク2世が町を脱出すると、住民はあっさり魔女狩りを止めた。


●ヨーロッパでの魔女狩りの終焉、しかし……

 やがてヨーロッパ各地で魔女狩りを鎮める動きが出てきた。ドイツ人司祭フリードリヒ・シュペーは、匿名で「検察官への警告」という本を書き、魔女などはいなかったと自分の過ちを悔いている。18世紀になると理性を重んじる時代となり、魔女狩りはヨーロッパでは消えていった。

 しかし、現代21世紀になっても魔女狩りは無くなっていない。SNSでのデマに踊らされ、フランス、メキシコ、インドなどで、大衆が無実の人間を集団でリンチしたり虐殺したりする事件が次々と起こっているのである。

感想

 ひいい、久しぶりに見ましたが、相変わらずきついというか気分が悪くなるような内容です……
 
 

光と闇のナビゲーター 栗山千明
語り 中田譲治
テーマ音楽 志方あきこ

 
 

他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

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魔女狩り (ヨーロッパ史入門)
魔女狩りという狂気