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グッキー、危機一髪! (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-667) 文庫 2022/6/22
クルト・マール (著), クラーク・ダールトン (著), 星谷 馨 (翻訳)
出版社:早川書房 (2022/6/22)
発売日:2022/6/22
文庫:272ページ
【※以下ネタバレ】
グッキーに呼び出されたブルは惑星ピナフォルに到着し在住の村人たちに歓待されるが、グッキーが行方不明となり探索を開始する!
ラオ=シンの故郷惑星フベイ探索中のレジナルド・ブルのもとに、「ピナフォルで会おう。フベイの手がかりがあるかも」との連絡がグッキーから入った。急遽ブルは“エクスプローラー”でピナフォルに向かう。そこは原住種族ナフォルが暮らす、未開だが牧歌的な惑星だった。ブル一行は村人たちに歓待されるが、肝心のグッキーの姿がない。なんらかのトラブルに巻きこまれたのか?その行方を求め、ブルは探索を開始する!
あらすじ
◇1333話 グッキー、危機一髪!(クルト・マール)(訳者:星谷 馨)
NGZ426年9月。ブルはろ座銀河から来たヴィーロ宙航士から、GOIが銀河系のハローにある惑星アスポルクをヴィーロ宙航士との会合場所に望んでいるという話を聞く。直後、ブルはカルタン人を調査していたグッキーからの連絡で、合流場所の惑星ピナフォルに飛ぶが、グッキーは行方不明となっていた。ブルたちはグッキーがピナフォルに不時着したカルタン人に捕えられているのを発見、解放した。ブルはカルタン人の拠点惑星の物らしきデータを手に入れ、さらにその惑星に旅立った。(時期:不明:NGZ446年9月17日~)
※初出キーワード=惑星ピナフォル。ナォフォル種族。
◇1334話 謀略の惑星アスポルク(クラーク・ダールトン)(訳者:星谷 馨)
グッキーは銀河系の惑星アスポルクを訪問し、キャプテン・アハブことストーカーと再会した。一方、この星に暮らすカルタン人グアング・ダ=ガードは、謎の「声」からGOIとコンタクトするように命令を受けていた。グアング・ダ=ガードは、GOIとつながりがあると推測したキャプテン・アハブの居場所を当局に密告しておいてから、自分が救出に出向き、キャプテン・アハブの信用を得ることに成功した。グアング・ダ=ガードはキャプテン・アハブに頼みGOIの元へ運んでもらうことになった。(時期:不明:NGZ446年9月?)
※初出キーワード=無し
あとがきにかえて
・亡くなった元翻訳者・五十嵐洋氏への追悼
・今年ご両親が相次いで亡くなった話
感想
・前半エピソード 原タイトル:IM BANN DES PSICHOGONS(意訳:プシコゴンの呪縛)
牧歌的な惑星ピナフォルでの冒険談。久しぶりにグッキーとブリーの絡みが見られる貴重(?)エピソード。最近はこういう未開惑星で一冒険、とかいう毒にも薬にもならない話は珍しくなりましたね。無駄な回り道が無くなったとも言えますけど……
P35でブルが「キャプテン・アハブ? モビィ・ディックにやられたエイハブ船長のことか?」云々と口にするのですが、ここなんとなくおかしい感じ。
普通は→「キャプテン・エイハブ?(中略)エイハブ船長のことか?」
または→「キャプテン・アハブ?(中略)アハブ船長のことか?」
のどちらかなのでは? キャプテン・アハブと訳しておいて、あとからわざわざ「エイハブ船長」という単語を別に持ち出すのってなぁ。
・後半エピソード 原タイトル:DER ZWECK HEILIGT DIE MITTEL(意訳:目的は手段を正当化する)
惑星アスポルクで、グッキーとストーカーが大立ち回りを演じる話。惑星アスポルクが舞台とは……、「苦悶の声」事件以来の登場でめちゃくちゃ懐かしい。
久々のダールトン執筆エピソードということで、最近では珍しくグッキーが大活躍。他のキャラと手を繋いでテレポートしたり、テレキネシスで破壊の限りを尽くしたり、と「昔はこういうアクションシーンは日常茶飯事だったよなぁ」と物凄く懐かしくなってしまいました。最近では、もう出番すらほとんどない……(涙)
ちなみに原書のタイトルは「目的は手段を正当化する」云々という意味なのですが、ホントズバリ過ぎるタイトルで、日本語版もそのままにしとけばいいのにと思いました。