【コミック】「きみだけがほんとう」（やっそん義之）：破滅を予感させる展開がたまらない【BL？】

※最後の方に成年コミックの表紙絵があります

　

　去年からヤングマガジンのWEB版で連載している「きみだけがほんとう」（やっそん義之）がなんとも気になる漫画なのです。丁度先月コミック一巻が出たので話題にしてみようかなと。

きみだけがほんとう
やっそん義之

幼い頃のトラウマにより、女性に触れられなくなってしまった男子高校生・力丸。そんな彼には、ひとつ下の双子の幼馴染みがいた。姉のカガミと弟のキョウ。背丈も顔も似る２人と力丸には、とある特殊な事情が…？成人漫画界の実力派・やっそん義之が描く異色の双子ラブ・ロマンス！

【※以下ネタバレ】
　
　

登場人物

・力丸（りきまる） … 高二。ハンサムで性格も良くて友達は多く女子人気も高い。しかし幼少時に父親が浮気相手を自宅に連れ込んでいたシーンを目撃して以来、女性に触れない。

・かがみ … 高一。力丸のお隣さんで幼馴染みで恋人。

・きょう … 高一。かがみの双子の弟。力丸には懐いているが、姉のかがみを毛嫌いしている。

こんなお話

　力丸は、友達は多いし、女子人気は高いし、可愛い恋人のかがみはいるし、で一見幸せいっぱいですが、女性に触れないことを周囲に（恋人のかがみにも）誰にも話せないで苦悩しつつ生きています。そして、やがてその秘密がかがみにバレてしまい、かがみにすら触れられないことが明白になって二人の関係は破局。そして傷心の力丸に、弟のきょうの方が慰めるような形で近づいてきて……

　最初は「仲の悪い双子の関係が、やがてこじれにこじれて狂気めいた展開になっていくサスペンス」だと予想していたのですが……、

　まあ「双子の中がこじれていく」という方向は間違っていなかったのですが、まさか主人公の力丸までがぶっ壊れていくとは思わなかった。元々のトラウマに加えて、恋人と上手く行かなかったことの合わせ技で精神的不安定に陥ってしまい、そこにかがみそっくりの容姿の弟のきょうが慰めるみたいな形（「かがみと同じ顔でも、男なら問題無く触れるだろ？」みたいな感じで近づいてくる）で、だんだん心に入り込んできて……

　いやはや、ヤングマガジン系の媒体（ヤンキーか暴力かエロが大得意（断定））なのに、サスペンス風味とは言え、BL的な方向のストーリーが展開されるとは思わなかった。これからだんだん力丸が（顔は姉そっくりの）きょうに言葉巧みに篭絡されてそっち方面に行ってしまい、それに気が付いた姉のかがみが狂気に陥って弟に襲い掛かる、みたいな未来が容易に予測出来て……、もう悲惨な破局しか見えてこないので、この先どうなるのかハラハラ過ぎて目が離せない……

おまけ

　作者のやっそん義之氏、紹介文にもちょこっと書いていますが、以前は成人漫画誌のコミックアンスリウムとかで描いていた人なんですけどね。この連載が始まって、ふと「この絵柄、この展開……、作者はもしかして女性なの？」と思い付いたのでツイートを探して見てみると「ネイル」とか「トートバッグ」とか話題にしていて、これは間違いわ、と……、今まで全然気が付かなかったなぁ。