藤子・F・不二雄SF短編ドラマ NHK https://www.nhk.jp/p/fujiko-sf/ts/N93R8JJ329/
放送 NHK BSプレミアム。
【※以下ネタバレ】
「流血鬼 前編／後編」(2023年4月30日(日)放送)
あらすじ
前編
謎のウイルスが蔓（まん）延した世界。ウイルスに侵された人間は吸血鬼と化していた。木の杭で吸血鬼の心臓を突き刺すことが彼らを倒す唯一の方法と信じられ、青年（金子大地）は友人（加藤清史郎）とともに洞窟に身を潜めながら、吸血鬼たちの息の根を止めようと孤独な闘いを続けていた。ひと月前、吸血鬼伝説で頭がいっぱいの青年に対して、友人の少女（堀田真由）は半信半疑だったのだが、ウイルスは急激に広まり…！
後編
猛烈な勢いで吸血鬼ウイルスは世界に広まり友人（加藤清史郎）の兄も吸血鬼と化し、青年（金子大地）たちを追ってきていた。実家の様子を見に帰った青年は愛犬クロも吸血犬になり、さらには両親（宮崎吐夢、片岡礼子）たちもウイルスに倒れたことにショックを受ける。吸血鬼たちに追われながらも隠れ家の洞窟にたどり着いた青年を待ち受けていたのはクラスメートの少女（堀田真由）だった。彼女も吸血鬼と化してしまっていた。
●前篇
冒頭。青年が眠っている男性の胸に木の杭を突き刺して殺す。
一ヵ月前。ルーマニアで死体が甦り人間を襲ったというニュースが報じられ、フェイクニュースと思われたが、やがてそれは新種のウイルス、通称「吸血鬼ウイルス」のせいだと判明する。ウイルスに感染した人間は一度死ぬが、その後蘇り、他の人間を襲う吸血鬼と化すのだった。
ウイルスは瞬く間に世界的に蔓延し、厳重にウイルス侵入を防いでいた筈の日本でも感染者が出始めた。そして主人公たちが山に釣りに行って夜戻ってくると、住んでいた街の住民は全員吸血鬼化しており、主人公と友人は慌てて山の中の洞窟に逃げこむ。
●後編
主人公と友人は人類の反撃の日を信じ山の中に立てこもっていた。しかし、ある日二人で物資調達のため町に降りたものの、友人は吸血鬼たちに捕まり、主人公は一人ぼっちになる。
やがて洞窟に主人公の幼馴染みの女友達が現れ、友好的に昔話をするものの、血を吸わせて欲しいと言い出し主人公は激高する。女友達に言わせれば、自分たちは人間を超えた「新人類」であり、もう「旧人類」は主人公しか残っていないので、仲間にするために来たという。感染者は死んでから生き返るのではなく、代謝が低下するため死んだように見えるだけ、また他人に噛みつくのはウイルスを効率的に広めるためだった。
さらに自分たちが吸血鬼なら、主人公は恨みもない人間を殺す「流血鬼」だと言い放つ。そして女友達は主人公に噛みつく。
やがて主人公が「新人類」の姿で目を覚ますと、以前杭で殺したはずの男がおり、新人類はあの程度の怪我では死なないという。さらに主人公の両親も心配して迎えに来ていた。
主人公は女友達と会い、新人類になることに抵抗していた自分は愚かだったと自嘲する。そしてやはり「新人類」となった友人と再会しハッピーエンド。
感想
評価は○。凄く面白かった。話の進め方が巧みで、前後編合わせて30分をのめり込んでみてしまいました。
それにしても……、この結末……、なんといえばいいの……？
主人公は、最後に「自分も新人類になって良かったよ」と言って爽やかな感じのシーンで締めくくるので主人公的にはハッピーエンドなのでしょうが……
劇中のキャラクターたちは幸せになったのに、見ている視聴者の方は「えぇ……？」と全然ハッピーな気分になれないという、問題のあり過ぎる結末。
主人公は直前まで「吸血鬼め！」とか罵っていたのに、最後に一人だけさっさと価値観をひっくり返して向こうの世界に行ってしまいますが、見ているこっちは置いてきぼりなわけです。それ故に、「これはハッピーエンドと呼ぶべきなのか……？」と、『ハッピーエンド』という言葉の定義から考え込まされる有様で……
とにかくインパクトのあるドラマでした。
藤子・Ｆ・不二雄ＳＦ短編ドラマ 流血鬼 前編
[BSプレミアム] 2023年04月30日 午後10:50 ~ 午後11:05 (15分)
ドラえもんの生みの親、藤子・Ｆ・不二雄が描いた刺激的でシュールなＳＦ短編漫画１０作品が実写化！４月に７作品放送！いよいよ最後の作品「流血鬼」前後編一挙放送。
藤子・Ｆ・不二雄ＳＦ短編ドラマ 流血鬼 後編
[BSプレミアム] 2023年04月30日 午後11:05 ~ 午後11:20 (15分)
ドラえもんの生みの親、藤子・Ｆ・不二雄が描いた刺激的でシュールなＳＦ短編漫画１０作品が実写化！４月に７作品放送！いよいよ最後の作品「流血鬼」後編。次回は６月！
