感想:少年漫画誌「月刊少年エース2015年3月号」(2015年1月26日発売)


 発売日:2015年1月26日(毎月26日発売)
(※以下、雑誌の内容に触れていますのでご注意ください)

少年エース
http://www.kadokawa.co.jp/ace/

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黒井クンは恋愛ができない。 井冬良

>「恋愛偏差値テスト」の結果「夏合宿」に参加することになってしまった、七斗と千坂。思い思い、海を満喫する一同。そんな様子に付き合いきれない七斗は、海岸でなごみと遭遇する。しかし、二人でいる場面を千坂に見られてしまい…?


 なごみ(幼なじみ)の話はあっさり幕。そのあと男女の仲を深めるために肝試し大会となり、主人公は千陽・なごみ・璃瑠の三人とセットで参加するはめに。その際、瑠璃が適当なノリで恋人ぶっているのかと思ったら、実は子供の頃から主人公が好きでした、とか言い出して、ますますハーレム状態に。


 毎回、話がもっと吹っ切れてほしいというかそういうもどかしさを感じます。基本的に好きなのだけどあと一味何かほしい。そして連載の回を重ねるたびに絵がうまくなるのは目を見張る想いです。



高機動無職ニーテンベルグ 青木ハヤト

>試される、無職の維持とプライド!第4話琵琶湖、血に染めて。遊よ、次なる戦いに向けて今はただ休め…!

 主人公たちは琵琶湖の周りの中立地帯(初代ガンダムでいうところのサイド6)で訓練をしていたところ、主人公は街中で敵デスマーチ軍のワーカーホリックとばったり遭遇。なんかカッコイイ会話をして別れました。


 ワーカーホリックが主人公を評して「良い目をしている、濁っていて」とかいうのにクスリと来ました。しかし「トラウマ量子結晶」の頃の勢いを考えれば、まだまだ出来るはず、という感あり。もっとバカを畳み掛けてほしい。



武装少女マキャヴェリズム 原作:黒神遊夜 漫画:神崎かるな

>相撲勝負に勝った納村達に対し、蕨は自分のクラスの人員を学校各所に配置し籠城戦をしかける。罠とわかりつつも、挑もうとする納村の前に現れたのは学校内の脅威を制圧した眠目さとりだった。眠目の真意は不明だが彼女の助力により、労なく蕨の元へたどり着く納村一行。しかし彼らを待っていたのは、ルール無用の死闘だった…。


 巻頭カラー。五大幹部の一人・蕨が仮面少女と一騎打ち。一方主人公はボクシングをマスターしたクマと決戦。縦ロールフェンシング娘はその他のザコを担当。それで全員勝利しました。


 最近女相撲とかバカみたいな展開だったので、いい加減人気も低迷しているだろうとか思っていたら、まさかの巻頭カラーで意表を付かれましたわ。エース読者的にはああいう話の方が受けるのか。今回はめずらしく(?)「しなこい」の頃の様な武術テク解説マンガになっていて、結構満足度高し。



マンガヤ ツガノガク

>連載第2話の原稿を無事に予定通り上げることができたケイは、岡との打ち合わせに向かう。単行本の部数や売上予測等々…。ケイが知りたくもあった「厳しい本音」を聞くことができた。一方、アヤの方の連載も動き始めて…! 怒涛の最終話「終わっていくこと、続くこと」!!


 最終回。主人公が連載2回目の原稿を上げて、そのあと担当に「人気が無ければ即座に打ち切ってください」とか言って。そのあとナレーション的に「世の中の漫画はほとんどが打ち切りだ」とかなんとかいう説明がつらつら書かれておしまい。


 いやー、参った。漫画の中で「殆どの作品は人気が無くて打ち切りで終わる」とか書いてあるこの漫画自身があからさまな打ち切りで終わっちゃうんだもんなぁ。メタというやつですか。前の連載「涼宮ハルヒの憂鬱」が10年続いたのに、今度は10ヶ月しか持たなかったという……、諸行無常というかなんというか。



咲島先輩の不条理 石井たくま
>クラスに馴染めない不條は、学校で唯一の知り合いかつ初恋の人でもある咲島先輩とともに、「二人きりの部活動(!)」をして過ごしていたが…?


 新人読みきり。主人公が美人の先輩と二人きりで部活をしているのですが、特定の活動というものが無く、適当に思いつきで活動内容を考えてやっているというインチキ部活。そこに美人生徒会長が「真面目に部活の申請をしなさい」とやってきて。それを見た先輩が嫉妬して色々あるけど主人公が告白してハッピーエンド。


 めっ、めずらしい。少年エースの新人でまともな漫画を久しぶりに読んだ気がする。この雑誌、新人読みきりでろくなものが有った試しが無いから、こういうストレートな物を読まされると驚いてしまう。
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