感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン2」第24話「カニバル」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン2」(全25話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン2
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s2/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第24話 カニバル OUR TOWN

■あらすじ

EP24 カニバル
鶏肉会社を調査中の農務省の役人が失踪した。モルダーとスカリーの両捜査官が調査するうち、会社付近の川底から9人分の人骨が発見される。 そこにはある事実が・・・。

 お題は「食人」。


 ある田舎町で、農務省の役人が失踪し、モルダーたちが捜査を命じられた。スカリーは単純な事件と考えるが、モルダーは「失踪当時、狐火が目撃されていた」「畑に何かを燃やしたあとが残っていた」「現場地方には、虐殺されたインディアンの霊が火の玉となって住人を連れ去る伝説がある」といった理由でやる気満々だった。さらに、もっと現実的な理由として、30年前、町の近くである男が誘拐され、のちに精神錯乱状態で見つかるが、自分が食われるところだと口走っていたという。

 失踪した役人は浮気グセで知られており、知人たちは妻以外の女性と駆け落ちしたと考えていた。しかし現地の主産業の鶏肉加工工場を閉鎖させようとしていたため、恨みを買った可能性も有った。そのうち、モルダーたちは、町の住民が何人も脳の病気「クロイツフェルト・ヤコブ病」を発症していることを知る。この病気は伝染はしないので、スカリーは困惑する。

 やがてモルダーたちは、川底から大量の人骨を発見し、さらに町の住民が実年齢よりも遥かに若く見えることから、町の住民による食人という真相にたどり着く。実は食人には人間の若さを保つ効果が有り、町の住民は、鶏肉加工工場の社長以下、食人グループを作って、町の外の人間を誘拐しては鍋にして食べていたのだった。しかし、クロイツフェルト・ヤコブ病にかかった人間の脳を鍋で食べたことで、次々と病気が広まったのだった。主犯の社長は内輪揉めで殺され、スカリーも食べられそうになるが、モルダーに救出された。

 事件後、鶏肉加工工場は閉鎖されたが、町の誰が食人グループだったのかはわからなかった。社長は太平洋戦争中の1944年にニューギニアで撃墜され、しばらく食人族と一緒に暮らしていたことがわかる。最後、社長の死体が鶏の餌になっており、鶏肉を経由してクロイツフェルト・ヤコブ病は全国に広まるだろう、みたいなことを暗示して〆。



監督 : ロブ・ボウマン
脚本 : フランク・スポトニッツ



■感想

 1990年代のテレビ朝日の地上波放送ではカットされたストーリー。よって今回初見です。どこがまずかったのですかねぇ。さすがに食人テーマはダメですか。別にグロいシーンは無かったのですが……

 基本的な部分では超常現象もSFも関係無しで、事件の真相は人食いカルト集団の連続殺人という事件。一歩間違うと、13話「フェチシズム」のように「人間の狂気の方が幽霊とかよりよほど恐ろしい」みたいな陳腐な話になるところでしたが、人を食うと老化しない、という不可思議な要素でかろうじてX-ファイルの守備範囲に収まっています。

 病気にかかった同属の体を食べたことで、同じ病気にかかる、というあたり、以前大騒ぎになった「狂牛病」を思い出しました。

 まあ、テーマはともかく、話の運び方が上手いので、「マルかバツか」といわれればマルのほうですね。あと、人食い族的マスクをつけた首切り役の正体が、マスクをはいで見るとモルダーたちの捜査をサポートしてくれた地元保安官だった、という意外なオチもなかなかでしたし。