感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第13話「星」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。


第13話 星 SYZYGY

■あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/
EP13 星
男子高校生が次々に変死する事件が発生した。亡くなった高校生の友人だった女子高生2人は、悪魔崇拝との関連を証言するが、実は84年に一度の惑星直列と関連があった。

 お題は「星の巡り」。


 ある田舎町で高校生が首をつって死んでいた。その町では以前にも高校生二人が変死しており、住人たちは根拠も無く悪魔崇拝者の仕業だと決め付け、パニックに陥っていた。モルダーたちは目撃者の女子高生テリーとマージに話を聞くが、二人とも悪魔教信者の犯行だと証言するものの、二人の描写はフィクションに出てくるような物ばかりで、スカリーは疑いの目を向ける。


 そんな間にも、高校生が次々と変死していき、住民たちは町にいるはずの悪魔教信者を見つけようと不穏な行動に走り始めた。苛立つスカリーは捜査を打ち切ってワシントンに帰ると口走り、モルダーは酒をあおり始める。やがてモルダーは、占星術師から、今は水星・火星・天王星が合の位置に来る不吉な時期にあたり、しかもこの土地はその悪影響の中心に位置する最悪の土地だと聞かされる。その影響が頂点に達するのが、まさにその日1月12日だった。


 1979年1月12日生まれのテリーとマージは、星の巡りの影響で異常な力を身に付けていた。しかし男の取り合いで仲間割れし、能力を使って争っている時に意中の男を誤って殺してしまう。二人は互いに相手が犯人だと告発し合い、警察署には異常現象が起きる。しかし翌日になった瞬間二人の力は消えうせてしまった。


監督 : ロブ・ボウマン
脚本 : クリス・カーター


■感想

 評価は○。


 星の影響で魔女化した女子高生たちの犯罪、という設定がなかなか面白いエピソード。さすがにモルダーたちは星の運行で発生したエネルギーには対抗しようが無かったが、特定の日がすぎると魔女二人とも力を失ってしまい、結局モルダーたちが何もしないまま事件が解決してしまう、という展開が、それはそれでX-ファイルらしいとも言える。


 今回衝撃的なのは、普段なんのかんのと言いつつも仲の良いモルダーとスカリーが、ひどく仲たがいすることだろう。スカリーはモルダーが地元警察の女性警官ホワイトと仲が良い事に苛立って、さんざん当てこすりの様な態度を取った後、一人でワシントンに帰ると言い出し、挙句にスパスパ喫煙している。スカリーがタバコを吸う場面は結構衝撃である。モルダーは、酒が嫌いなはずなのに、ウォッカのビンになにやらオレンジ色のクリームの様なものを流し込んで一気飲みしていた。謎のクリームの正体も気になるが、飲酒直後に車を運転していたのは問題ではなかろうか。事件解決後、車で町から離れる際にも、スカリーはやたらカリカリしていたが、いつごろ二人の関係が元に戻ったのか気になるところである。


 今回はアメリカの女子高生の老けっぷりにも驚かされた。テリーとマージは公称17歳だが、日本人の眼からすると、25歳を優に超えているように見えた。


■一言メモ

 今回のサブタイトル「SYZYGY」は、占星術用語で、地球・月・太陽が一直線に並んだ状態を示す。