感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第11話「黙示」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。


第11話 黙示 REVELATIONS

■あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/
EP11 黙示
少年ケビンの手足から謎の出血が起きるのは聖痕なのか。彼をかばって死んだ庭師の死体からは、花の香が漂っていた。スカリーは聖痕だと信じるが、果たして真実は・・・。

 お題は「聖痕」。


 「聖痕」をウリとする神父が殺害されるが、彼の聖痕はただのトリックだった。過去にも同様に聖痕の奇跡を語るペテン師が10人殺されており、モルダーたちはとりあえず手のひらから血を流すという人間は注意するように呼びかける。


 やがてケビンという少年が手から血を流したという通報があり、モルダーたちが保護に駆けつけた。ケビンの父親は、過去に、息子は特別な人間なので悪魔に狙われている、と言って騒ぎを起こし、今は精神病院に収容されていた。さらに庭師のオーエンも、自分は神から指示を受けたといってケビンを強引に連れ出し護衛を始めるが、謎の男に殺される。ところがオーエンの死体は、死んでも体温が下がらないなど全く変化が無く、スカリーは聖書に出てくる聖人の様だと考える。


 やがてケビンを狙うのはサイモン・ゲイツという男だと判明する。スカリーは様々な状況から神の奇跡を信じ始めるが、モルダーは全てを否定する。ゲイツはケビンを誘拐し、自分ごと機械に巻き込んで殺そうとするが、ケビンは危うく難を逃れて助けられる。


 事件後、スカリーは協会で神父に懺悔し、自分は神の奇跡を体験したが同僚(モルダー)は絶対信じないだろうと打ち明ける。そして最後、神の声を聞く人間が一人もいなかったら、それは恐ろしいことだ、とつぶやく。


監督 : テビット・ナッター
脚本 : キム・ニュートン


■感想

 評価は○。


 モルダーたちが神と悪魔の争いに巻き込まれ、スカリーが「守護天使」役を演じるという宗教色の強いストーリー。神と悪魔の戦いというテーマは壮大すぎていま一つピンとこないが、キリスト教圏の視聴者にはまた違った印象なのだろうか。


 スカリーが、ケビンのわき腹に長い傷があるのを見て驚くシーンがあるが、もちろんこれはキリストが槍に刺された傷の事を示している。その他にもオーエンの死体が死後14時間経っても全く変化しないこと、など、奇跡のオンパレードだが、聖書になじみが無いと、やはりあまりインパクトは感じられない。


 今回は「聖人」「奇跡」といった要素をスカリーが信じ込み、逆にモルダーは頭から徹底的に否定する、という構図となっており、いつもとは立場が全く逆となっている。モルダーがスカリーに「そんなことを信じるなんてどうかしているぞ!」と、普段自分がスカリーに言われまくっている台詞を、逆にスカリーに投げかけているのには笑ってしまった。


 ケビンの拉致場所を探すヒントとなった「一巡すればわかる」という謎めいた言葉が、「リサイクルの循環マークのこと→ケビンはリサイクルセンターにいる」という答えは、ちょっとお粗末ではなかろうか。


■一言メモ

 サブタイトル「REVELATIONS」は(キリスト教の)黙示、天啓,啓示、のこと。