感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第25話(シーズン1 第25話)「二重替え玉作戦」

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【※以下ネタバレ】
 
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第25話 二重替え玉作戦 Shock

 

あらすじ

敵国スパイがアメリ特命全権公使を拉致し、替え玉を据えた。彼らの陰謀を阻止するため、その替え玉に変装するダン・ブリッグス(スティーブン・ヒル)。


敵国スパイが某中立国のアメリ特命全権公使を拉致、諜報員を公使に変装させ替え玉に据えた。そのにせ公使にアメリカとの協定成立をぶち壊させる計画らしい。彼らの陰謀を阻止するため、にせ公使を誘拐、ブリッグス(スティーブン・ヒル)が替え玉と入れ替わって、秘書として公使官邸に入り込んだ敵国スパイの計画を粉砕すると共に、本物の公使を救出するために動く。

【今回の指令】
 アメリカの特命全権公使カール・ウィルソンは、ある中立国へ協定を結ぶために派遣されたが、現地で敵側諜報員ピーター・キリに誘拐されてしまった。現在、キリはウィルソンそっくりの替え玉を立て、自分はその秘書と名乗っている。キリの目的は協定の成立を妨害することだと思われる。IMFチームは公使を無事救出し、またキリの企みを阻止しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 ブリッグス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー、アイラ・ドレイク(ゲスト:神経心理学者)


【作戦】
 公使館では、キリの部下の「ヨセフ・ゴート」がウィルソン公使そっくりに変装していた。IMFメンバーは、まずブリッグスをウィルソンそっくりに変装させて、公使館に乗り込むとゴートを拉致し、代わりにブリッグスがゴートのふりを演じる。

 ローランたちは、誘拐したゴートを精神科病棟に偽装した建物に閉じ込め、医者のふりをして、「ゴートはただの会社員なのに、自分を諜報員『ヨセフ・ゴート』と妄想している患者」として扱う。追い詰められて混乱したゴートはついにキリの企みをローランたちに白状してしまう。それは、まずウィルソンのふりをしたゴートが「協定はアメリカの陰謀」云々と騒いだ後に外務次官を射殺し、さらに本物のウィルソンを殺した後、ウィルソンが殺人を悔いて自殺したように見せかける、というものだった。

 ブリッグスは外務次官を殺害したふりをした後、ウィルソンの恰好をしたゴートを殺害する。そこにやってきたキリは大騒ぎするが、変装を解いたブリッグスは死んでいるウィルソンが替え玉だと指摘し、キリが犯人だと糾弾する。キリは警官に逮捕され、本物のウィルソン公使は保護された。


感想

 評価は〇。

 ローランたちが医者に変装し、敵のスパイを精神を病んだ患者として扱って、自ら口を割るようにする、という部分が、妙に大げさで面白かった。こういう「お芝居で対象者をだまくらかして作戦を進める」という展開は、神視点の視聴者からすると実に楽しい。これがスパイ大作戦の醍醐味だと言っても過言ではないと思われる。

 今回はブリッグスは冒頭でウィルソン公使に変装した、という設定のため、結果として本エピソードではブリッグス役のスティーブン・ヒルの出番は実に少ない。実はヒルは第23話「フィルム偽造を暴け!」の撮影中にトラブルを起こしてスタッフの信頼を無くし、以後の撮影では極力ヒルの出番を無くすようにされていたという話である。そういう裏事情を知ると、ブリッグスが大活躍したエピソードのはずが、妙に物悲しくなって見えてくる。

 中盤、IMFメンバーが精神科病棟のセットを作った建物に子供が近づいてきたので、慌ててウィリーが追いかけて、「自分の事は誰にも口外しないでくれ」と頼むシーンがある。これが何かの伏線だと思い込んでいたら、本当に子供たちは口外しなかったらしく、そのあと何も起きずに終わる。このシーンは一体何の意味があったのだろうか。首をかしげるワンシーンではあった。

 今回は、一人の俳優が「ウィルソン公使」、「ウィルソン公使に変装したヨセフ・ゴート」、「ウィルソン公使に変装したヨセフ・ゴートに変装したダン・ブリッグス」の三役を演じて大忙しだった。最後、公使館でのクライマックスでは、同じ顔の三人が入り乱れて、軽く混乱しそうだった。

 最後、ブリッグスはゴートの頭を撃ち抜いて殺してしまうのだが、基本的に人死にを出さないIMFの作戦に慣れていたので、軽くショックだった。まあ東側諜報員にかける情けも必要ないだろうが、無造作に殺し過ぎという気もした。あと、ブリッグスは「キリが陰謀の犯人だ」と告発したが、別に証拠があるわけでもなし、キリが否定したらそのまま逃げられてしまったのではなかろうか。ちょっと詰めが甘い作戦だった感は否めない。

 今回ブリッグスが指令を受領したのは、いつものオープンリールテープではなく、薄くて青いビニールシートのようなものだった。それを機械にはめ込むと音が再生されるというものだったが、見たこともない媒体だったので、物凄いハイテク感だった。このビニールの正体は「ディクタベルト」と言うそうで、1940年代に開発された録音媒体らしい。それまで蝋管に音を刻んでいたものの代替品の様である。当然オープンリールテープ等の普及とともに駆逐されたらしい。一つ賢くなってしまった。


参考:今回の指令の入手方法

 夜。ブリッグスが閉店しているとある店に入り込み、机の下から機械を取り出す。さらにキャッシャーの中からディクタベルトを取り出してセットし、音声を再生しつつ資料を見て指令を確認する。最後「これは5秒以内に自動的に消滅する」といってディクタベルトが煙を噴き上げる。


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