【SF小説】感想「時間ダム構築」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 563巻)(2018年2月20日発売)

時間ダム構築 (宇宙英雄ローダン・シリーズ563)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121672
時間ダム構築 (宇宙英雄ローダン・シリーズ563) (日本語) 文庫 2018/2/20
H・G・フランシス (著), H・G・エーヴェルス (著), 若松 宣子 (翻訳)
文庫: 271ページ
出版社: 早川書房 (2018/2/20)
発売日: 2018/2/20

【※以下ネタバレ】
 

"プロジェクション地球"が完成する。ヴィシュナの攻撃からオリジナルの地球を守るため、時間の壁"時間ダム"をつくることに!


ペリー・ローダンは自分とロナルド・テケナーのシンクロニトを破壊するため、テーベ級戦艦《サンダーワード》を旗艦とする艦隊を編成し、アルマダ工兵がシンクロニトを製造・保管しているシンクロドローム“ムルクチャヴォル"へ向かった。シンクロドロームの強力な防御バリアをスペース=ジェットの小部隊が攻撃する隙に、大型艦が侵入する作戦だ。ところが、バリアを突破できたのはスペース=ジェット二機だけだった!

 

あらすじ

◇1125話 シンクロドローム突撃作戦(H・G・フランシス)(訳者:若松 宣子)

 ローダンは自分の細胞サンプルとシンクロニトを消滅させるため、艦隊を率いてシンクロドロームへの攻撃を開始した。しかし、シンクロドロームの攻略には成功するものの、細胞サンプルを持ったアルマダ工兵は取り逃がしてしまった。(時期:不明。NGZ426年8月頃)

※初出キーワード=なし



◇1126話 時間ダム構築(H・G・エーヴェルス)(訳者:若松 宣子)

 地球。“それ”が立案した、地球をヴィシュナからから守る作戦の次の段階は、地球住民の精神力を利用し、地球と月を「時間堤防/時間ダム」という歪曲空間に退避させるというものだった。そのために地球住人から優れた精神力を持つ「プシオニカー」一万人が選抜され、「プシ・トラスト」という共同体を構築して訓練を開始するものの、成果が上がらない。しかしダライモク・ロルヴィクに似た幻影の導きで、ようやく時間ダム構築は成功した。(時期:NGZ426年8月頃)

※初出キーワード=時間ダム/時間堤防、プシオニカー、プシ・トラスト


あとがきにかえて

 後半エピソード「時間ダム構築」の内容に関連して、マラトンの兵士エウクレスについて。


感想

 前半。ゲストキャラとして、コマンド部隊二チーム分、合計八人が登場して入り乱れるので、内容の把握に苦労しました。一回しか登場しないキャラをこんなに大量に出されても……、それはともかく、アルマダ工兵同士の妙に気取った感じの会話は何度読んでも魅力的です。


 後半。こちらも話のあらすじを追うのも苦労するような妙なエピソード。脈絡もなくダライモク・ロルヴィクの幻影的なキャラが登場したり、三億年前の地層から現代(新銀河歴426年)人の遺体が発見されたり、ロルヴィクの懐かしの護符「バーヴァッカ・クラ」が唐突に再登場したり、と、作者のエーヴェルスは執筆当時どうかしていたのかと思われるような混乱した話でした。まあ、とりあえず「時間ダムは上手く作れる見込み」という結論だけ理解しておけばいいのかもしれませんが……
 
 
 

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