【SF小説】感想「偽の囚われ息子」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 568巻)(2018年5月2日発売)

偽の囚われ息子 (宇宙英雄ローダン・シリーズ568)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121818
偽の囚われ息子 (宇宙英雄ローダン・シリーズ568) (日本語) 文庫 2018/5/2
クラーク・ダールトン (著), ウィリアム・フォルツ (著), 若松 宣子 (翻訳)
文庫: 271ページ
出版社: 早川書房 (2018/5/2)
発売日: 2018/5/2

【※以下ネタバレ】
 

アルマダ筏の飛行ルートをたどってアルマダ工廠を探そうと考えたローダンは、ジェン・サリクやグッキーらを偵察に送りだした……


アルマダ工廠とは、無限アルマダにおける共通技術を製造する施設であり、アルマダ工兵の作業場にほかならない。そのアルマダ工廠まで、複数の惑星をめぐって採鉱した資源を運搬するのが"アルマダ筏"と呼ばれる飛行物体だ。アルマダ筏の飛行ルートをたどればアルマダ工廠に行きついて、さまざまな謎が解けるのではないか。そう考えたペリー・ローダンは、ジェン・サリクひきいる軽巡洋艦《セダー》を偵察に出したが……

 

あらすじ

◇1135話 偽の囚われ息子(クラーク・ダールトン)(訳者:若松 宣子)

 NGZ426年11月。ジェン・サリク、ラス、グッキーたちは、謎の「アルマダ工廠」の位置を突き止めるため、六週間かけて輸送船「アルマダ筏」を捜索し、ようやく発見に成功した。そしてアルマダ筏に乗り込みアルマダ工廠に潜入しようとするが、工廠を守る数千の要塞からなる防衛線「工廠防塁」で捕虜となり、アルマダ工廠に護送されることになってしまう。(時期:NGZ426年11月25日とその前後)

※初出キーワード=工廠防塁、クエラタ(種族名)



◇1136話 最後のマークス(ウィリアム・フォルツ)(訳者:若松 宣子)

 遥かな未来。アンドロメダ銀河の種族マークスは、進化の結果、肉体を持たない精神存在「影マークス」と、肉体を持つ「原理主義マークス」の二つに分裂した。そして両者の争いの末に原理主義マークスはほぼ絶滅してしまう。原理主義マークスの生き残り「グレク336」は、肉体を機械化して一万二千年も逃亡を続けていたが、転送機の事故により、NGZ426年の地球に出現してしまう。グレク336は、人類が精神を重視する方向に発展しないように導こうと考える。さらに偶然ヴィシュナからの通信を受信し、ヴィシュナと同盟を結んだ。(時期:NGZ426年10月2日~20日)

※初出キーワード=影マークス、原理主義マークス、アンドロメダ公安国


あとがきにかえて

 冒険家・植村直巳や、エベレスト・極地などの冒険の話。


感想

 前半エピソード … 1124話「アルマダ筏」の続編にあたる話で、なんと一回きりのゲストキャラだと思っていたアルマダ筏乗り・クルドゥーンが再登場して驚きました。しかし話は冗長て、結局サリクたちが敵に捕まってしまうところで終わり。昔だったら、グッキーたちがアルマダ工廠に乗り込んで、大暴れして脱出してくるまで一話くらいで軽くこなしていたものでしたが……


 後半エピソード … 再び地球を舞台にした話で、遥かな未来のアンドロメダ銀河からサイボーグのマークスが地球にタイムスリップしてくる、という唐突な展開。そのグレク336は普通のマークスの姿をしておらず、体を機械化していて、直立する全長四メートルの円筒型である、という設定は面白いのですが、未来から突然脈絡もなく異人がやってくる、というストーリーがどうにも今の展開とかみ合っていないように思えます。

 あと、P226で、地球は「時間ダム」で外部と隔離されているため行き来が出来ない、という描写がありますが、銀河系の他の星々は、テラナーの主星の地球がいきなり消滅して大混乱に陥ったりはしていないのでしょうか。本編を読む限り、誰一人それを気にしている様子が無いのですが……
 
 

550巻~600巻(「無限アルマダ」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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