感想:小説「アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風」(神林長平)


 小説「アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風」の感想です。

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■データ(公式)
http://www.amazon.co.jp/dp/4152090510/
アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風 (単行本)
神林 長平 (著)
単行本: 328ページ
出版社: 早川書房 (2009/07)
ISBN-10: 4152090510
ISBN-13: 978-4152090515
発売日: 2009/07
商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.8 cm

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■データ(個人的補足)

 SFマガジン誌に、2006年から2009年にかけて掲載された内容に加筆訂正した物。


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■あらすじ

 FAF情報軍のロンバート大佐は、ジャムの側に寝返り反乱を起こした。大混乱の中で、零を初めとする特殊戦のメンバーは独自に戦闘を継続するが、彼らに想像を絶するジャムの攻撃が襲いかかり・・・

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■感想

 「戦闘妖精・雪風」「グッドラック戦闘妖精・雪風」に続く3作目。ただし、この「アンブロークンアロー〜」は、もはや「未知の敵とのSF空戦アクション物」だった前2作とは全く別物と化しています。登場人物も舞台も同じですが、感触はまるで違います。

 ジャムの想像を越えた攻撃により「FAF基地はもしかして異次元にでも転移させられたのか?」という様な異様な状況と化した中で、零やブッカー少佐、クーリィ准将たちが、哲学論争というか言葉のこね回しというかそういうことを延々と続け、そしてそれだけです。お話はクルクルと状況が変り、何がなんだか全く解りません。そして、状況がよく解らないまま、遂に最後まで行ってしまいます・・・

 まあ、「言葉」をあれこれ捏ねまわす難解な作風、ということで「これぞ神林長平作品だ!」という感じもしますが、「SF空戦アクション物」だった「戦闘妖精・雪風」はもう何処にも居はしませんでした。

 あーあ、やはり私にとっての雪風は「グッドラック」のあの大好きなラストシーンで終ったのだな・・・


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■評価

(5段階評価の)

神林作品としては  5点
雪風の続編としては 0点