感想:ゲームブックアプリ(iOS)「顔のない村 ver.死の14」(思緒雄二)【プレイ中】


 ゲームブックアプリ(iOS)「顔のない村 ver.死の14」(思緒雄二)の感想です。

■【iGameBook】ゲームブックiPhoneiPad
http://igamebook.jp/


■「顔のない村 ver.死の14」
https://itunes.apple.com/jp/app/faceless-hamlet-ver.goto14/id792552664?l=ja&ls=1&mt=8

 ちょっとプレイしてみての印象を書いてみます。


■概要

・作:思緒雄二。
・価格:無料。ただし「ゲーム内課金」が有ります!!(後述)


■あらすじ

 「わたし」が寝床で目覚めてみると、それまでの記憶が一切無い事に気が付いた。「わたし」は何者で何故ここにいるのだろう? 「わたし」は見知らぬ村の探索を始めるが……


■内容紹介/感想

 本作品の原作は、1980年代後半のゲームブックブームの際に「顔のない村」というタイトルで雑誌に掲載されたあと、「送り雛は瑠璃色の」(1990年)(http://www.amazon.co.jp/dp/439011364X)という本に収録されました。本アプリはこの書籍版をベースに大幅加筆したものです。


 システムは、主人公のパラメーターを設定する本格タイプで、サイコロを振って「技術/気力/運」の数値を決定し、それをプレイ中の戦闘や運試しで使用する、というものです(ベテランのゲームブック好きなら、懐かしの「ファイティングファンタジー」と同じ、と言えば一発でお解りでしょう)。また、マップを見ながら移動先を指定し、移動の度に時間が経過する、という時間概念が盛り込まれています。


 ストーリーは、記憶を失った主人公が村の中を放浪し恐怖体験をする、というもの。現代風のホラーではなく「怪談」テイストで、各所で悪夢としか思えないイベントが次々と襲い掛かってきます。


 と、雰囲気は良いのですが……、それをぶち壊して余りあるのが「ゲーム内課金」です。本アプリには「死のろうそく」という数値があり(初期値は14)、パラグラフを一個選択するたびに一つずつ減っていきます。つまり14回選択すると、もうそこでプレイは続けられなくなってしまうのです。以後もプレイしたい場合は、100円を払って「ろうそく14本を買い足す」か、もしくは一定時間待って数値が回復するのを待つしかありません(0・4・8・12・16・20時になればろうそくは14本に戻る)。

 基本無料ゲームではこのような「課金または時間」というシステムがあると聞いておりましたが、まさかゲームブックでそれをやられるとは思わなかった。パラグラフを14個選択するなど、ほんの数分間のことで、その度に課金されるか何時間も待たされるなんて、とてもやっていられません。ゲスい作りですな。


 このアプリの作りでプレイを継続したら、課金なら何千円搾り取られるのかわかりませんし、無課金を貫くならいつまでかかるか見当も付きませんので、とても付き合いきれないということで、このアプリはこれで見放します。せっかく期待していたのに、これは手ひどく裏切られてしまいましたねぇ。仕方ないから、本棚から「送り雛は瑠璃色の」を引っ張り出して原作のほうでも遊ぶかなぁ。



★ついで

 アプリ版なのに、序盤の説明部分で原作そのままに「サイコロを用意せよ」とか書いてあるのっておかしいと思うの。