感想:NHK番組「コズミック フロント」「重力の神秘 宇宙を支配する力」(2014年11月13日(木)放送)


 NHK番組「コズミック フロント」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■コズミック フロント | NHK宇宙チャンネル
http://www.nhk.or.jp/space/program/cosmic.html


 NHK BSプレミアムでの視聴です(放送日:2014年11月13日(木) 22:00〜22:59)。

重力の神秘 宇宙を支配する力


■概要

http://www.nhk.or.jp/space/program/cosmic_141113.html
>「重力」...物を地面に落とす身近な力だが、実はこの宇宙を支配する絶対的な力でもある。

>私たち人類が、地上で日々の営みを送ることができるのも、つねに夜空で星や月が輝き続けているのも、全ては引きつける力「重力」が存在するからだ。

>現在、重力の研究は17世紀のニュートン、20世紀のアインシュタインを経て、第3の黄金期を迎えている、観測技術の進歩で遠い宇宙の現象が分かるようになってきたからだ。

アインシュタインの理論が予言した、光さえも捉える重力を持つモンスター・ブラックホールの存在も観測で証明された。重力が生み出す驚異と神秘の数々に迫る。


■内容

Front 1 宇宙を支配する重力

 潮の満ち引きは、月の重力で海水が引っ張られているから。月も地球に引っ張られ、海水が無いため直接地面を引き寄せられて自転が遅くなり、28日で一回りになった。銀河系とアンドロメダ銀河も重力で引き合っており、40億年後に衝突する。衝突の際に新たな星が生まれることをスターバーストと呼ぶ。



Front 2 重力は“ちょうどよい力”

 物は下に落ちる、という事象の理由は長らく謎だった。これを17世紀に解明したのがニュートンニュートンは物が引きつけあう力を「重力」と名付けた。重力の単位が「万有引力定数」。リンゴを持ち上げてから手を離すと、リンゴは地球にひきつけられて地面に落ちる。しかしその際リンゴもまた地球をひきつけている。重力とはとても弱くて、パチンコ球を地球全体で引き付けていても、磁石を上に持ってくると磁力が勝ってパチンコ球は上に行ってしまう。しかしこれくらいの力の加減だから良かった。もし今より重力が強かったら、惑星は全て太陽に飲み込まれていたろうし、逆に弱かったら軌道はメチャクチャだったろう。また重力が強かったらビッグバン後宇宙はすぐに収縮してしまっていただろう。



Front 3 謎の重力が宇宙を作った

 「初期の宇宙はガスとチリしかなく、それらが少しずつ集まって恒星が生まれた」と考えられていた。この宇宙最初の恒星を「ファーストスター」という。ところがシミュレーションしてみると、何年経っても星は生まれない。未知の重力源「ダークマター」がガス・チリを集めなくては、ファーストスターは生まれなかったはず。



Front 4 重力から導く星の最期

 1054年、かに座の超新星爆発が観測された。爆発の後には直系20Kmの「中性子星」が残っていて電波を発している。恒星は活動しているうち陽子と電子がくっついて中性子となり、それらが凝縮して爆発後に残ったのが中性子星。地面をスプーン一杯すくって地球にもってくれば、超大型タンカーとおなじ重さ。



Front 5 引き寄せる力の秘密

 惑星の公転軌道の内、水星だけは何故か近日点が計算とずれることが解っていた。アインシュタイン相対性理論で「重力とは空間のゆがみ」と発表し、ズレの原因を指摘した。宇宙を二次元的に考えると、恒星や惑星のある場所はへこんでいる。へこんでいる場所に物が落ちていくこと=重力が物をひきつけること、だとした。



Front 6 究極の重力モンスター

 銀河系の中心には太陽の400万倍の質量を持つブラックホールがあるらしい。ブラックホールは太陽の20倍以上の質量を持つ星が収縮して出来る星で、その重力から逃れるには光より速い速度が必要。宇宙には光より早いものはない=ブラックホールから逃げられるものはない。ブラックホール内部はどうなっているのか? 一説では吸い込まれて圧縮された物質が反発して広がり、宇宙が出来る、という。



■感想

 なんか、こー、微妙に期待とは違いましたが(アインシュタインの重力の説明をメインに理詰めでやるのかと思ってた)、まあ悪くはない、というところでした。