フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿 NHK https://www.nhk.jp/p/ts/11Q1LRN1R3/
放送 NHK BS。
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【※以下ネタバレ】
科学は、誘惑する。
「幻の惑星 ヴァルカン」(2025年1月6日(月)放送)
内容
フランケンシュタインの誘惑 幻の惑星 ヴァルカン
[BS] 2025年01月06日 午後10:45 ~ 午後11:30 (45分)
150年前、無いはずの太陽系9番目の惑星が「発見」された。世界は新惑星ブームに沸き、観測報告が相次ぐ。だが、その後、新惑星は誰もが予想しなかった形で否定される―
150年前、無いはずの太陽系9番目の惑星が「発見」された。「発見」したのは、かつてニュートン力学に基づいた精緻な計算によって未知の惑星・海王星の存在を予言し見事に的中させた天文学者。彼が再び計算で導きだした新惑星「ヴァルカン」は、水星よりさらに内側、太陽の近くを回っていると言う。新たな惑星の発見に世界は沸き、観測報告が相次いだ。だが、その後、ヴァルカンは誰もがまったく予想しなかった形で否定される―
【出演】吉川晃司
●海王星発見
ニュートンは万有引力を発見し、天上の世界であっても地上と同じ物理法則で動いていることを示した。星々の軌道はニュートン力学の公式で計算できるようになり、エドモンド・ハレーは彗星が1757年に戻ってくると計算し、見事に的中させた。
19世紀のフランスの天文学者ユルヴァン・ルヴェリエは、太陽系の惑星の軌道を計算し、1845年に最外縁の天王星の軌道が計算より少しだけ外側にずれていることを発見した。ルヴェリエはこのずれは天王星より外側に存在する未知惑星が天王星を引き寄せたためだと推測、膨大な計算によってこの未知惑星の軌道を計算した。
1846年8月、ルヴェリエは未知惑星が山羊座の位置で発見されると予測、9月にはルヴェリエが予測したまさにその位置に未知惑星が見つかり海王星と名付けられた。ルヴェリエはこの発見で一大有名人となった。
●惑星ヴァルカンの予言
その後、ルヴェリエは太陽系のすべての惑星の軌道を計算したが、何故か水星だけが計算と合わなかった。水星が太陽と最接近する近日点の位置は、計算では変化するはずがないのに、現実では少しずつずれていることが見つかっていた。ルヴェリエはこのずれは水星のさらに内側に未知惑星が存在し、水星に影響を与えていると考えた。
1859年、ルヴェリエはこの未知惑星「ヴァルカン」の存在を予言し、天文学者たちは発見しようと躍起になったが、誤報ばかりでいつまでたっても見つけることはできなかった。1877年にルヴェリエは66歳で死去した。
1915年、アルベルト・アインシュタインは一般相対性理論を発表した。アインシュタインは、ニュートン力学は太陽の様な大重力の側では正確な答えを出せないが、相対性理論なら水星の近日点のずれをウァルカンという惑星を想定しなくても説明できるとした。
当初、学者たちは相対性理論を受け入れられなかったが、1919年に天文学者アーサー・エディントンが日食を利用した観測により、アインシュタインの理論の正しさを確認した。こうして「ヴァルカン」は幻と消えた。
●相対性理論の限界
相対性理論も「ブラックホール」という星を予言し、やがて実際にブラックホールは次々と見つかった。ただし相対性理論にも限界があり、ブラックホール内部で物質の密度が無限大になる「特異点」については計算できない。相対性理論がニュートン力学を書き換えたように、相対性理論を超える考えが求められている。
感想
今回はマイルドなエピソードでした。学者同士の醜い争いも、倫理の破綻も、目を覆うような犠牲者も、なかったですしね。
他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ
科学は、人間に夢を見せる一方で、ときに残酷な結果をつきつける。
理想の人間を作ろうとした青年フランケンシュタインが、怪物を生み出してしまったように―
輝かしい科学の歴史の陰には、残酷な実験や非人道的な研究、不正が数多くあった。
そんな闇に埋もれた事件に光を当て、「科学」「歴史」「倫理」に迫るシリーズ。
出演者・キャストほか
オープニングテーマ/ナレーション
吉川 晃司
ミュージシャン
幻の惑星ヴァルカン アインシュタインはいかにして惑星を破壊したのか
