【※以下ネタバレ】
公式サイト
付録ゲーム
http://www.gamejournal.net/item_list/gj_005/index.html
Fighting General Patton
Fighting General Pattonでは、1986年にアドテクノス社から出版され、日本よりもむしろアメリカで高い評価を受けた作品「走れ!パットン」の中から、バルジの戦い最大の激戦となった、バストーニュの攻防をシミュレートした「Raise the Siege!」と、チェコスロバキア国境を越えて侵攻を始めたパットン第3軍とソ連軍の激突を描いた架空戦「Breakthrough Ironcurtain」の2本の作品を再録した。
本誌
●特集「20世紀最後の闘将パットン」
・超ワイドグラビア
・20世紀最後の闘将パットン/福田誠&編集部
・米ソ開戦の可能性/佐藤俊之
・米ソもし戦わば/佐藤俊之
・仮想戦記リプレイ「鉄のカーテンを突き破れ!」/福田誠
・デザイナーズノート/福田誠
・付録ゲーム リプレイ漫画(松田大秀)
<コメント>
評価○。パットンのWW2の活躍に関するヒストリカルノートを手始めに、付録作品「Breakthrough Ironcurtain」が米ソ対決の仮想物ということで1945年に米ソが衝突する可能性についての考察、さらにゲームデザイナー&小説家の福田誠氏が自らゲームの展開を小説風に起こしたもの、まであって、満足度がすこぶる高い特集でした。
●ゲームガイド
・WW2 バルバロッサ・トウ・ベルリン(GMT)(吉永孝人)
ポイント・トゥ・ポイントの第二次欧州大戦ゲーム。
・レーベンスラウム2(ホビー・データ)(5番清原)
郵便を使ったメイルゲームの紹介。
<コメント>
前者は(2002年当時)最新の第二次欧州大戦ゲームという事で気になる作品。「レーベンスラウム2」は当時ブームの末期だったPBMの参加販促記事ですが、メイルゲームの軽い紹介をした後、前作はこんな感じだったという事を説明していますが、新規に始まる「2」がどんな作品なのか全く説明していない(笑) まあ「2」というくらいだから前作同様「第二次世界大戦の勝敗が逆転した世界のお話」くらいは予想が付きますけど(笑)
●[連載]誌上ビッグ対談 山崎雅弘vs浅野竜二+ふ~ら~中村
ゲストはゲームデザイナーで歴史ライターの山崎雅弘氏。ゲームデザイン論などについて。
<コメント>
近年はゲーム関係より政治周りの発言が有名な山崎氏ですが、この対談では普通にゲームの話をいっぱいしていました。
新連載。第1回「シェリーフェンプランの隠された論理」。ドイツが開戦に至ったのはシュリーフェンプランのせいだった。
<コメント>
新連載でいきなりWW1勃発の引き金となったシュリーフェンプランを徹底解説。すごく読みがいがありましたね。
●[連載]南北朝知られざる戦い(上田洋一)
足利兄弟の対立とそれに乗じた南朝方の京都奪回とかの話。
<コメント>
南朝方が上手く立ち回れば、南北朝時代があんなに長く続くことはなかったのではなかろうかと。歴史のIFを感じさせる記事でした。※明記されていませんが今回で最終回だった模様です。
●[連載]フリードリヒ大王と「啓蒙時代」の戦争 七年戦争1756-63(二木"Markgraf v.Sapporo"太郎)
第5回。1757年春~11月。
1757年11月5日 ロスバッハの戦い(○プロイセン-×フランス)
<コメント>
フランス軍が恐ろしく弱い(涙) ルイ14世とナポレオンの間のフランス軍は凋落しまくっていた模様。
●[連載]ウォーゲームメーカーの興亡 20世紀商業ウォーゲーム小史(佐藤俊之)
第5回「業界再編(1982~85年)」。SPIの業績悪化、売却。ヴィクトリーゲームズ誕生。アヴァロンヒルの攻勢。
<コメント>
SPIが潰れてしまいました(涙) アヴァロンヒルがSPI倒産後に市場を分捕ろうとして自分も色々粗雑な製品を出していたとか、この連載で初めて知りましたです。
●[連載]世界バカゲーム悲報(竹中清貴)
対象ゲームは「チャート・ウォーズ Chart Wars/DIPCo ArmourSoft(1992)」。ウォーゲームをパロったゲーム。一応ヘクスマップのウォーゲームにも見えますが、イベントで「若手巨乳女優が慰問に来てくれたので兵士の士気が上がった ●VP獲得」とかCRTの結果が「兵士が戦争に嫌気がさしてバハマに逃亡した」とかふざけまくっている。
<コメント>
アホゲームにもほどがある(笑)
●[連載]アニメゲームライバル機比較(きゃめる&参謀総長)
第5回「狼の眷属(前編) ジオン軍の水陸両用MS達 「ガンダム戦史」(ツクダ)」。ジオン軍は、潜水艦と水陸両用MSの組み合わせで、河川・海岸近くの連邦軍基地に奇襲攻撃・即座に退却、という戦いができるようになった。
<コメント>
架空メカを現実メカ並みに思い入れて書くという姿勢が気に入ってます。
●次号の予告
総合感想
評価:○(バッチリ)。特集記事がパットンの関わった戦い大特集みたいなものだったり、仮想戦記風リプレイがあったり、と凄い出来栄え。その他の記事も楽しく、これは文句なしでした。