【ウォーゲーム】感想:ゲーム雑誌「ゲームジャーナル No.4 特集:マンシュタイン 煌く後手からの一撃」(2002年9月1日発売)

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【※以下ネタバレ】
 
 

公式サイト

www.gamejournal.net
 
 

付録ゲーム

http://www.gamejournal.net/item_list/gj_004/index.html
激闘マンシュタイン軍集団


「激闘!マンシュタイン軍集団」は、スターリングラード戦の終焉から、第三次ハリコフ戦までを再現したシミュレーションゲームである。

 
 

本誌

●特集「マンシュタイン 煌く後手からの一撃」
 ・ゲーム総覧 赤い大海嘯/野上靖
 ・ヒストリカルノート スターリングラードからハリコフへ/佐藤俊之
 ・超ワイドリプレイ
 ・プレイヤーズノート&デザイナーズノート
 ・付録ゲーム リプレイ漫画(松田大秀
 ・登場部隊列伝
 ・42~43冬季戦役ブックガイド/佐藤俊之
 ・初級SLGルール教習所/原案:白神栄成 画:あおいそら

<コメント>
 評価○。第三次ハリコフ戦を扱ったゲームの総覧から始まって、ヒストリカルノート、リプレイ、登場部隊の詳細な列伝、に加えて、ブックガイド、果てはおまけ漫画(?)までついて、もう言うことなし、完璧な特集でした。



●[連載]誌上ビッグ対談 中黒靖VS浅野竜二

 ゲストはコマンドマガジン編集長でゲームデザイナーの中黒靖氏。コマンドマガジン創刊の事情や発行の裏話、ゲームデザイン論、良いゲームとは、等。

<コメント>
 ライバル雑誌コマンドマガジンの編集長・中黒靖氏を呼んできての対談。裏の気持ちはともかく、表面的には和やかにエールを送り合ってました(笑)



●[連載]南北朝知られざる戦い(上田洋一)

 楠木正行編(楠木正成の息子)。劣勢の南朝のために頑張るものの1348年の四条畷の戦いで戦死。

<コメント>
 「湊川の戦い四条畷の戦い、地名と人名入れ替えただけで、あとは全部同じじゃねえか」云々というツッコミにワロタwww



●[連載]フリードリヒ大王と「啓蒙時代」の戦争 七年戦争1756-63(二木"Markgraf v.Sapporo"太郎)
AH: Frederick the Great Board Game, 2nd Edition

 第4回。1757年5月~7月。
 1757年5月6日 プラハの戦い(○プロイセンオーストリア
 1757年6月18日 コリンの戦い(○オーストリアプロイセン

<コメント>
 オーストリアが初めてフリードリヒに勝ってマリア・テレジア大喜び! という話が微笑ましい。



●[連載]アニメゲームライバル機比較(きゃめる&参謀総長

 第4回「遅すぎた救国の騎士 「MS-14 ゲルググ」 「ガンダム戦史」(ツクダ)」。ゲルググは機動力はガンダムより上、ビームライフルで遠距離射撃も互角、ビームナギナタはサーベルに比べてイマイチだが、十分ガンダムに対抗できる名機。登場がもう少し早ければ……

<コメント>
 架空メカを現実メカ並みに思い入れて書くという姿勢が気に入ってます。



●[連載](最終回)インペリウム百年戦争史(ふーらー中村)
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 第4回(最終回)。特別編「もうひとつのインペリウム ~平和期間のルール改定案~」>GDW社のSFゲーム「インペリウム」でプレイを重ねるたびに、双方のプレイヤーが相手に対抗するための新戦略を編み出していく様を描く記事。今回は。帝国側プレイヤーが直訴を連発すれば一方的に有利になるため、それを防ぐ改訂ルールの提案。

<コメント>
 インペリウムは何かと改定ルールが提案されるゲームですが、それだけ多くの人にやりこまれているという事なのでしょうね(小学生並み感想)。



●[連載]ゲーマー達の太平洋戦争(大林真人)

 第16回「悲運の装甲空母大鳳」」。空母大鳳の短い歴史の物語。

<コメント>
 日本海軍が究極空母として作ったはずの大砲が、アメリカが山のように量産して普段使い(?)していたエセックス級と大して性能が変わらない、という事実に軽くショック……



●[連載]ウォーゲームメーカーの興亡 20世紀商業ウォーゲーム小史(佐藤俊之)

 第4回「日本上陸(1979~82年)」。1974年頃にポストホビーがアヴァロンヒルのゲームを輸入、コンベンションを開いたことで国内でゲーマーが増加。1981年国産メーカー参入。タクテクス創刊・月刊化。

<コメント>
 日本のウォーゲームが希望に満ち溢れていたほんの一瞬の時期のお話(とはいえ約10年間有りますけど)。今振り返ってもまぶしいくらい。そして首都圏では国産ゲームが出る前からコンベンションとか開いていて、ウォーゲームになじんでいたのか。今残っているゲーマーたちは多分そのころからの筋金入りの人たちなんでしょうね。



●[連載]B級SFゲーム分科会出張所(いしだたかし)

 連載第11回。対象ゲーム「ウィザーズクエスト」(アバロンヒル/1979)&「アメーバウォーズ」(1981/アバロンヒル/1981)

<コメント>
 アバロンヒルの非ヒストリカル系のマルチゲーム二作品。今の視点でも面白そうで、特にウィザーズクエスト(魔法の島の戦い)は陣取り物ではなく宝物の探索がメインという事できちんとゲームが収束する仕掛けがあるので、ちょっと手直しすれば現在でも通用しそうな気がします。



●[連載](最終回)中野将之のヒューゴートーク(中野 将之)

 連載第5回(最終回)。ゲームストア・バネスト」の関係者の連載で、筆者が相方の幽霊キャラ・ヒューゴーと面白おかしくトークしていくもの。

 今回は「カタンとNDSG」。当時(2002年頃)、コンピューターゲームカプコンが自社版の「カタン」の販売を始めたことと、エポックがドイツゲーム5作品(新エントデッカー、アフリカ、エルフェンランド、6ニムトミシシッピークイーン)をNDSG(ノンデジタルストラテジーゲーム)というブランドで発売を始めたこと、について。

<コメント>
 筆者は「すでにカタンもその他のゲームも欲しい人は持っているはずなので今更……、まあおもちゃ流通で扱うことになるので長い目で見るしか無い……」と語っていますが、まさしくその予想通りになり、このカプコンやエポックのビジネスは完全な空振りに終わりました。

 ボードゲームが一般大衆に普及するのはその10年後、2013年頃まで待たないといけないとはこの頃予想もしませんでした……(というか今みたいに広がるとは思ってなかったです 読めなかった。このリ〇クの目をもってしても! というセリフがリフレインします(笑))



●[連載](最終回)ファミリーゲームあれこれ(高崎眞一)

 連載第17回(最終回)「ゲームデザイナー“ローゼンベルグ” その独創性の源」。ボーナンザで有名なユヴェ・ローゼンベルグ特集。

<コメント>
 この時期(2002年頃)、ローゼンベルグはデビュー作の「ボーナンザ」だけが当たった一発屋ポジションだったのでボーナンザ以外知らないゲームばっかりです(苦笑)



●[連載]世界バカゲーム悲報(竹中清貴)

 対象ゲームは時間改変物。

・クロノノーツ Chrononauts/Looney Labs (2000)
  カードゲーム。プレイヤーが「間違った」歴史を改変し「正しい」歴史に戻すゲーム。

・発明特許ナンバー1! U.S. Patent No. 1/Cheapass Games (2001)
 タイムマシンを作った発明家たちが、自分の発明を特許で保護してもらうため、自分こそがアメリカの特許第一号に登録しようと互いに足を引っ張り合うゲーム。

<コメント>
 相変わらずコミカルなレビューが笑えます(笑)



●[連載]ファミリーゲーム新作情報(能勢 良太)
プエルトリコ(alea)
プエルトリコ ボードゲーム

<コメント>
 のちに大ヒットゲームとなるプエルトリコがしれっと紹介されています。



●次号の予告

 次号No.5(2002年12月1日発売予定)… 特集「20世紀最後の闘将パットン」。付録ゲーム「Fighting General Patton 走れ!パットン」。


総合感想

 評価:○(バッチリ)。特集記事のクオリティがこれ以上ないくらいの出来ですし、その他の記事も面白く、どこを切っても楽しい号でした。バッチリです。


 

他の号の内容・感想はこちらからどうぞ

perry-r.hatenablog.com