【ウォーゲーム】感想:ゲーム雑誌「ゲームジャーナル No.1 特集:ウォーゲームルネッサンス」(2001年12月1日発売)

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【※以下ネタバレ】
 
 

公式サイト

www.gamejournal.net
 

概要

 2001年12月創刊のウォーゲーム雑誌。1992年から発行されていた同名の同人誌がリニューアルして商業誌化した雑誌。そのため創刊号なのに(同人誌時代から続いている)連載二回目以降の記事が沢山あります(笑)


付録ゲーム

http://www.gamejournal.net/item_list/gj_001/index.html
真・バルバロッサ作戦


このゲームは、ドイツ軍のソ連侵攻によるバルバロッサ作戦開始から、翌年春のソ連軍の冬季反攻終結までをシミュレートする。システムはドイツ軍はメイアタックだが、ソ連軍はマストアタック。そして的ZOCに入ったソ連軍部隊は離脱できない。
ロシアの大平原に展開する死闘を制するのはどちらか。その日、世界は息を呑むだろう!。

 
 

本誌

●特集「ウォーゲームルネッサンス
 ・赤髭危機一髪 バルバロッサ作戦キャンペーンゲーム総覧(松上 敬)
 ・グラビア「真バルバロッサ作戦を200%楽しむ方法」(GJ編集部)
 ・ヒストリカルノート そのとき世界は息をのんだ(佐藤俊之)
 ・付録ゲーム リプレイ漫画(松田大秀
 ・なぜヒトラーはモスクワに直進しないのか(園田次郎)

<コメント>
 リニューアル創刊号は、大御所・鈴木銀一郎氏デザインの東部戦線物ゲームが付録で、特集記事もそれを受けた王道中の王道の内容。記事内容はどれも面白く大満足でした。



●[連載]アニメゲームライバル機比較(岸裏典雄)

 新連載。第1回「最初のMSザクの悲劇 ザクvsGM 「ガンダム戦史」(ツクダ)」。「ガンダム戦史(ガンダム・ヒストリー)」内のザクとGMとの比較記事。軽量で機動性に優れるが防御の弱いザクと運動性は低いが防御が固いGM、という関係は、太平洋戦争での日本とアメリカの戦闘機の関係に似ているのではとの考察。

<コメント>
 ツクダホビーのアニメゲーム「ガンダム戦史」をネタにした記事。架空メカを実在の兵器と同じように考察するという企画がなかなか面白かったです。



●[連載]誌上ビッグ対談 高梨俊一VS浅野竜二

 新連載。第1回。ゲストはゲームデザイナー・高梨俊一氏。

<コメント>
 ベテランデザイナー高梨氏を迎えて、ゲームのデザインについてああだこうだと討論する、まあ当たり障りのない内容。評価はそこそこ。



●[連載]インペリウム百年戦争史(フューラー中村)
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 新連載。第1回。GDW社のSFゲーム「インペリウム」でプレイを重ねるたびに、双方のプレイヤーが相手に対抗するための新戦略を編み出していく様を描く記事。同人誌時代のゲームジャーナルの記事の再録。

<コメント>
 今回は考えもなくぶつかり合うところから始まって、そこから四つ目の戦略まで。相手の立ててきた戦略に知恵を絞って対抗していく展開がなかなか面白く。



●[連載]フリードリヒ大王と「啓蒙時代」の戦争 七年戦争1756-63(二木"Markgraf v.Sapporo"太郎)

 新連載。第1回。七年戦争に至るまでの背景説明の回。

<コメント>
 プレ20世紀の戦いで日本のゲーマーにやたら有名な七年戦争をテーマにした連載。初回からグッと引き込まれました。



●[連載]南北朝知られざる戦い(上田 洋一)

 連載第3回。新田義貞鎌倉幕府を滅ぼすまで。

<コメント>
 超無名な新田義貞があれよあれよと有名人になって鎌倉幕府を速攻で壊滅させてしまう展開がなんともフィクションみたいだなぁと。



●[連載]ウォーゲームメーカーの興亡 20世紀商業ウォーゲーム小史(佐藤 俊之)

 新連載。第1回「商業ウォーゲームの始まり」。1954年~67年。タクテクス発売。アヴァロンヒル社の創業・倒産・再建まで。

<コメント>
 ウォーゲーム製作側の歴史をテーマにした連載。初回からムチャクチャ面白いです。しかも引きが「ダニガンという人物が登場したのだ」云々ですから、次回の内容がもう気になって気になって仕方ありません。



●[連載]世界バカゲーム悲報(竹中清貴)

 連載第6回。対象ゲームは「THOSE DRAN GAMES」の封筒ゲーム群。

・SHARK BITE(1999)
  海水浴場で泳いでいる客をサメで食い●して点数を競うゲーム

・CAT VS MOUSE(2000)
  ト●とジ●リー風にネズミとネコがバトルするゲーム

・AMBULANCE CHASE(2000)
  近未来の民営化された救急車で怪我人病人を拾って儲けるゲーム

<コメント>
 全部封筒ゲームでメチャクチャチープっぽいのですが、ゆえに凝ったテーマとかそういうの無しで、思いついたしょうもないアイデアをそのままゲーム化している感がなんとも愉快と申しますか(笑)



●[連載]B級SFゲーム分科会出張所(いしだたかし)

 連載第8回。対象ゲーム「スターウォーズ・クイーンズギャンビット」(ハズブロ)。映画「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」(1999)のクライマックスをテーマにしたゲーム。

<コメント>
 いかにもアメリカンなすんごい巨大コンポーネントのゲーム。それにしてもスターウォーズ1が最新作品だった時代が有ったんですね(※当たり前)



●[連載]ファミリーゲームあれこれ(高崎眞一)

 連載第15回「「カタンの開拓」シリーズ その1」。「カタンの開拓」「6人カタン」「海カタン」「歴史カタン アレキサンダー&ピラミッド編」「宇宙カタン」。

<コメント>
 リニューアル創刊号なのでご祝儀的に、という理由かはわかりませんが、ボードゲームで絶大な知名度を誇る(※2001年当時)「カタンの開拓」シリーズ作品が記事に。初代カタンやそれを拡大する6人版とか海版とかはともかく、歴史版に宇宙版まであったとは、と、カタンの広がりぶりにビックリ。



●[連載]中野将之のヒューゴートーク(中野 将之)
アクア・ステップ・アップ (1) (バーズコミックス)

 連載第2回。「ゲームストア・バネスト」の関係者の連載。今回は紙面でのゲーム紹介というテーマ、コミック「アクア・ステップ・アップ」や「電撃アドベンチャー」誌の連載「マルチプレイ三昧」など。

<コメント>
 筆者が相方の幽霊キャラ・ヒューゴーと面白おかしくトークしていく連載。まあまあですね。「アクア・ステップ・アップ」はゲーム紹介コミックの草分けでしたねぇ。



●[連載]ファミリーゲーム新作情報(能勢 良太)
カタンの開拓 歴史シナリオII トロイ戦争&万里の長城(KOSMOS)

<コメント>
 カタンの新作。本当にいくらでも出ているんですねぇ、カタン



●次号の予告

 次号No.2(2002年3月1日発売予定)… 特集「関ヶ原」。付録ゲーム「戦略級関ヶ原」。


総合感想

 評価:○(面白い)。同人誌から商業誌へステップアップしてのリニューアル創刊号ということで、全体にやる気がみなぎっていて、熱意を感じ取れます。また本格ウォーシミュレーションゲームの記事以外に、アニメゲーム、ファミリーゲーム(※2024年でいうところの「ボードゲーム」)の記事も豊富で、読んでいて心が和みます。心機一転スタート号としては100点満点ですね。
 
 

他の号の内容・感想はこちらからどうぞ

perry-r.hatenablog.com