感想:NHK番組「コズミック フロント」「知られざる隣人 水星のミステリー」(2014年12月25日(木)放送)


 NHK番組「コズミック フロント」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■コズミック フロント | NHK宇宙チャンネル
http://www.nhk.or.jp/space/program/cosmic.html

 NHK BSプレミアムでの視聴です(放送日:2014年12月25日(木) 22:00〜22:59)。

知られざる隣人 水星のミステリー


■概要

http://www.nhk.or.jp/space/program/cosmic_141225.html

>太陽系の惑星で、最も内側に位置する「水星」。太陽までの距離は地球のおよそ半分で、表面の温度が300度をこえる灼熱地獄。表面に広がるのは数十億年前にできたクレーターだけ・・・。


>水星といえば、つい最近まで天文ファンのみならず、専門家ですら注目してこなかった惑星だ。そんな水星の地味なイメージが今、大きく塗り替えられようとしている。きっかけになったのが、アメリカの探査機メッセンジャー。2011年、探査機としては30年ぶりに水星に接近。これまで科学者を悩ませてきた水星の謎を次々と解き明かしている。


>その謎の一つが水星の『磁場』だ。地球にはあるが、火星や金星にはない磁場が、なぜか水星には存在しているのだ。もう一つの謎が水星の『成り立ち』。水星は他の惑星に比べ、中心に巨大な鉄の核を持つ特殊な構造をしている。なぜこのような不思議な星が誕生したのか。謎を解き明かすことで、太陽系成立の謎にまで迫れるのではと期待されている。近年にわかに注目を集めている水星。そのミステリーに迫る。


■内容

Front 1 「近く」て「遠い」水星

 水星は肉眼でも十分見えるので大昔から知られていたが、そのわりに観測は難しかった。何故なら地球より太陽に近い「内惑星」なので、昼間は太陽に遮られて見えないし、太陽が沈めば一緒に沈んでしまう。夕暮れのほんのわずかしか観測できないから。



Front 2 困難を極める水星探査

 水星に探査機を送る計画が持ち上がったが、内惑星なのでスピードにブレーキをかけないと水星の軌道に入れない。どうスピードを落とせばいいのか解らなかった。しかしイタリアの学者ジュゼッペ・コロンポは惑星の重力を利用して速度を上げたり落としたりする「スイングバイ」という方法を考え付いた。そして1973年11月マリナー10号が水星にたどりついて、初めて表面を撮影した。ところが磁場があることがわかり、学者は驚いた。惑星の磁場は地球のように、惑星内部が熱くて磁力を起こしているから発生するはずで、既に冷えているだろう水星に磁場があるはずもない。以後水星の動きを研究し、内部が液体(まだ冷えてないらしい)ことが解った。



Front 3 新発見続々! メッセンジャー探査機

 2004年に打ち上げられたメッセンジャー探査機は2011年に水星にたどり着き観測を開始。表面の98パーセントを写真に捉える事に成功した。



Front 4 もう一つのミステリー「起源」

 水星の表面は鉄分が1パーセントほどしかない(地球は5パーセントくらい)。それでいて、内部の核(鉄)は凄く大きい。何故こうなったのか。かつては「ジャイアンインパクト説」、つまり太陽系誕生初期に二つの原始惑星が衝突して水星ができた、二つ分の惑星の核だから大きい、その時の余韻でまだ熱い、という考えだった。ところが表面を調べたところ、カリウムなどが蒸発したくぼみ「ボローズ」が見つかった。ジャイアンインパクトが有ったなら、そのときカリウムは蒸発してしまったはずで、「後から蒸発して抜けた」というのは理屈に合わない。ある学者はヒットエンドラン説を唱える。つまり正面衝突では無く「惑星同士がかすって片方は核だけ残して残りは飛び去った」という考え。これなら惑星の一部は冷えたままなのでボローズのコトも説明できる。



Front 5 見えてきた水星の新しい姿

 水星の極地には数十億トン単位の氷があることが解った。自転しても陽が当らない「永久影」という場所があり、そこに残っていた。また微かながら大気もあることも判明した。



Front 6 水星探査の未来

 日本を含めた各国が水星探査機を送る予定。



■感想

 こういう最新情報ネタは好き。火星の水云々で騒いでいますが、水星にも有ったんじゃん。