感想:NHK番組「コズミックフロント☆NEXT」「100年前の大予言 ロケットから宇宙移住まで考えた超人」(2015年5月14日(木)放送)


 NHK番組「コズミックフロント☆NEXT」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

コズミックフロント☆NEXT | NHK宇宙チャンネル
http://www.nhk.or.jp/space/cfn/

 NHK BSプレミアムでの視聴です(放送:毎週木曜 22:00〜23:00)。

100年前の大予言 ロケットから宇宙移住まで考えた超人


■今回の内容

5月14日の放送
「100年前の大予言 ロケットから宇宙移住まで考えた超人」

>宇宙ロケットや人工衛星、宇宙飛行や宇宙遊泳など、20世紀に実現した宇宙開発技術のほとんどすべてを100年も前に具体的に構想していた超人がいる。ロシアの科学者でありSF作家でもあったコンスタンチン・ツィオルコフスキー(1857−1935)だ。


>彼は子供の頃に聴力を失い、一人で黙々と実験を行い、次々と斬新な理論を生み出した。当初は見向きもされなかったが、その後、科学者らによって一つ一つ実現されていった。現在の宇宙開発は100年前の彼の構想が元になっていると言っても過言ではない。 


>例えば宇宙ロケット。ツィオルコフスキーは1903年に宇宙ロケットの精密な設計図を作成していた。液体燃料を使うなど、現在の宇宙ロケットと共通点が多い。当時はライト兄弟が世界で初めて飛行機を飛ばすことに成功した年。なぜそんな発想が生まれたのか?


>さらに、ツィオルコフスキーは映画を監修。有人ロケットで月へ旅立つというストーリーだ。映画では宇宙服や無重力などが表現されている。アポロ11号が月面着陸を果たす30年以上も前のことなのに、まるで月に行ったかのようなリアルな描写だ。実は彼は映画という物語に一つのメッセージを残していた。それが「地球は人類のゆりかごである。しかし永遠にゆりかごの中で生きていくわけにはいかない」というひと言に込められていた。どんな思いが込められているのか?


>そして、ツィオルコフスキーが描く宇宙進出の最終目標ともいえるのが、人類の宇宙移住と人類の独自の進化だ。彼が描く人類の未来とはどんなものなのか?


ツィオルコフスキーが100年も前に思い描いた宇宙開発。なぜ具体的なアイデアを思い描くことができたのか? そこにどんな夢を見ていたのか?そのミステリーに迫る。

 100年以上前、20世紀初頭に宇宙開発について考察していたのが、宇宙開発の父と呼ばれるロシアの科学者ツィオルコフスキーだった。ツィオルコフスキーは子供の頃、ヴェルヌの小説「月世界旅行」を読んで夢中になり、以後宇宙旅行を本気で研究し始めた。そして、真空の宇宙を移動するには「反動を利用する」しかないと考え、「ロケット」の設計図を作った。それは「人間の乗るところは先頭の極狭い場所」「液体水素と酸素を燃料にして噴射する」「ノズルは末広がり方」など、後に実現した宇宙ロケットそのままだった。さらに「エアロック」「宇宙遊泳」「無重力状態の宇宙船内での移動の仕方」など、その後現実になる事を悉く予測していた。


 ツィオルコフスキーはさらに、遠未来に人類が「ゆりかご」である地球を離れ、宇宙で暮らす時代のことすら予想していた。小惑星帯スペースコロニーを作り、資源は小惑星から得ることで資源争いなどを回避する。遠い未来には人類は進化して、無重力空間に適応する様に翼を持ち、さらに葉緑体を体に持つことで光合成し永遠に死なない肉体となる。そして太陽が老いた頃には太陽系を離れ、別の恒星系へと旅立つ、というところまで考えていた。まるで夢物語に思えるが、20世紀初頭には宇宙ロケットすら夢の産物だった。それが今は当りまえである事を考えると、遠未来の人類の予想図も現実となるのかもしれない。


■感想

 さすがにこれだけ予想がズバズバ当っていれば「父」とか呼ばれても文句ありませんわ。こういう「偉人伝」も悪くないですね。