NHK番組「コズミックフロント☆NEXT」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)
■コズミックフロント☆NEXT | NHK宇宙チャンネル
http://www.nhk.or.jp/space/cfn/
NHK BSプレミアムでの視聴です(放送:毎週木曜 22:00〜23:00)。
キトラ 最古の天文図のミステリー
■今回の内容
7月16日の放送
「キトラ 最古の天文図のミステリー」>毎回ひとつの宇宙のミステリーに焦点をあてるコズミックフロント☆NEXT。今回のテーマは、「世界最古の本格的な天文図」。
>実は現存する世界最古の本格的な天文図は、日本にある。奈良県、明日香村のキトラ古墳。西暦700年頃に造られたとされる石室の天井に、精緻な天文図が残されているのだ。古代エジプトやギリシャにも星々を描いた天文図は残されているが、それらは星座の一部を模式的に描いたもので、星空を正確に表したものとまでは言えない。
>キトラ壁画の天文図は、直径60センチの中に350もの星々が金箔で描かれ、それらは赤い線で結ばれ、古代中国の星座・「星官」が表現されている。
>さらに内規、外規、天の赤道、黄道が描かれるなど、星空を科学的に観測したものと考えられる。
>この天文図がいつ、どこで描かれたのか、多くの謎が未解明のままだ。そうした謎を天文学の力で明らかにしようとするプロジェクトが立ち上がった。文化庁、奈良文化財研究所、国立天文台の専門家が集まり、星々の位置や図の大きさなどを元に科学的な解明を試みた。果たしてその結果は? 古代日本の都に眠る人類最古の天文図のミステリーに迫る。
奈良県明日香村のキトラ古墳は西暦700年頃に作られたと考えられているが、その天井には天文図が描かれている。これは世界最古の天文図とされる。何故なら、夜空の様子を正確に写し取ったものであり、古代エジプトの天文図のような抽象的に描かれたものではないから。
図には四つの円が描かれている。
一番内側の円:内規=北極星を中心にした一年中星が沈まない範囲
真ん中の円 :天の赤道
一番外側の円:外規=星が見えるギリギリの範囲
黄道 :太陽の通り道
しかし当時の日本に正確な天文観測の技術があったとは思えないし、描かれている星座は古代中国の星座「星管(せいかん)」なので、大陸から伝わってきたと考えるのがまっとう。
では、この星座はいつどこで観測されたものなのか? 星座の星の位置は、地球の自転軸のゆれ「歳差運動」によって変化する。天文図が完璧に正確と考えて調べてみるとデータが上手く一致しなかったため、『絵師が見本にした天文図から書き写す時に色々間違えている』と推測して調べなおしてみた。すると学者二人の意見は「西暦400年頃」または「紀元前80年頃」と割れた。また同様に見える星の範囲から、観測場所を調べると、緯度が「北緯38度」または「北緯34度」となった。
星座の書き方の特徴から考えて、キトラの天文図の元となったものは、中国から朝鮮半島を経て西暦600年頃に日本に伝わったものではないだろうか。
■感想
天文学と考古学がドッキング、という面白い回でした。