NHKスペシャル | 終わらない人 宮﨑駿 http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20161113
放送 NHK総合
【※以下ネタバレ】
終わらない人 宮﨑駿 (2016年11月13日(日) 21:00~21:49)
内容
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20161113
3年前、電撃的な引退宣言を行った世界的なアニメーション映画監督・宮﨑駿(75)。長編映画の現場から身を引くと宣言した宮﨑だが、その創造への意欲は実は衰えていなかった。新進気鋭の若きCGアニメーターとの出会いから、初めてCGを本格的に使い、短編アニメで新たな表現への挑戦を始めた。だが、映画作りは難航し、制作中止の危機に直面する。宮﨑アニメ初となるCG短編制作の舞台裏を、カメラが2年にわたって独占取材した。クールジャパンの基幹コンテンツと期待されながら、国際的にはピクサー、ディズニーらのCGアニメに圧倒されている日本のアニメーション。宮﨑が世に放つ短編は、日本アニメの未来を変える一手となるのか。番組では、巨匠の溢れ出る映画作りへの想い、苦悩、あがきを生々しく活写していく。
http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2016-11-15&ch=21&eid=25147&f=46
3年前引退を宣言したアニメーション映画監督・宮崎駿さんがCGを使った短編映画に初挑戦。眠っていた血が再び騒ぎ出し、下した人生の決断とは。独占密着!知られざる2年
3年前、突然引退を宣言したアニメーション映画監督・宮崎駿さん。世捨て人のような隠居生活を送り、「もう終わった」と誰もが思っていました。でも実は終わっていなかったのです。手描きを貫いてきた宮崎さんが、75歳にしてCGで短編映画に初挑戦。それは長年夢見た幻の企画でした。新たなアニメーションとの格闘を繰り返すなかで、下した大きな人生の決断!「残された時間をどう生きるのか」。独占密着!知られざる700日
「となりのトトロ」でメイを演じた坂本千夏のナレーションで、2015年1月から2016年半ばまでの宮崎駿密着取材の内容を放送。
2015年の1月頃はジブリ美術館の仕事を細々とやっている程度だったのが、3月頃になって何かのつてでCGアニメーター集団と出会ったことで、20年間陽の目を見なかった「毛虫のボロ」というフルCGの短編映画の制作に着手。しかしCGがイマイチ思った通りに仕上がらないのでイライラして、自分でも慣れない手つきでタブレットに修正を書き込んだりするものの、鉛筆とは勝手が違うので上手くいかなかったり。しかし絵コンテを大胆に変更する事でなんとか完成のめどが立ち、万々歳。
最後に、鈴木敏夫プロデューサーのところに新作の長編アニメの企画を持って行って、「なんとかお金集めてくださいよ」とか言って、「絵コンテを100くらい切ったらできるかダメかわかるでしょう」と言うシーンで〆。
感想
NHKスペシャル枠の番組ですが、坂本千夏が「あらぁ、監督、どうしたんですかぁ?」みたいな感じのくだけた雰囲気でナレーションするというとっつきやすい内容でした。あまり堅苦しいものではなく、宮崎駿がぶつぶつ言いながら新作に取り組んでいく日常をざっくばらんに取材した、という体の番組で予想以上に面白かったですね。
笑ったシーンが二か所あって、一つはドワンゴの川上会長がCGアニメのスタッフを連れてきた日の展開。「人工知能を使って人が描かなくてもこんなアニメーションができるので、こういう研究をしているのを一つ見せに来ました」云々と言って、人間の姿をした気持ち悪い何かがぐにゅぐにゅはい回るシーンを上映して「これゾンビの動きに使えると思うんです」とか得意げに言っている。それを見た監督のほうがしばらく黙っていて、やっと口を開いたと思ったら「これを作った人は痛みとか何も考えていないでしょ? 生命に対する侮辱を感じます。どこにたどり着きたいの?」とか辛辣なことを口にして、CGスタッフのほうが全員顔が凍り付いているシーン(笑)
もう一つは、最後に監督が鈴木敏夫プロデューサーのところに長編の企画メモを持っていったら鈴木プロデューサーが「宮さんが絵コンテを切っている最中に死んだら、映画は大ヒットだよ」とか不謹慎ギャグを飛ばすシーン。
とりあえず、「もしかしたらもう一作くらい宮崎アニメが映画館で観れるんじゃね?」という希望を持たせるラストでした。