感想:特撮「サンダーバード」『湖底の秘宝』


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【※以下ネタバレ】

湖底の秘宝 DESPRRATE INTRUDER (放送日:2015年9月21日(月))

■あらすじ

 ブレインズは、砂漠の真ん中の湖「アナスタ湖」に財宝が眠っていると考え、宝探しの冒険に出かける事を計画し、ミンミンも旅行のつもりでついていく事になった。ところが、その計画は魔法をかけられたキラノによってフッドに筒抜けだった。

 ブレインズたちは現地で考古学者ブレークリー教授と落ち合い、早速湖底の遺跡を調べて、宝が有るのは確実だとわかる。ところがその夜フッドが一行を襲い、ミンミンと教授は意識不明になり、ブレインズは砂漠に首まで埋められて宝の場所を教えろと強要される。

 翌日、ジェフは探検隊と連絡がつかないことを心配し、スコットたちを現地に向かわせる。スコットたちはブレインズたちを救出し、落ち着き次第撤収する事を決めるが、同じ頃フッドは水中の潜水艇からサンダーバードメカの写真を撮影していた。スコットはカメラ探知機の警報で誰かが写真を撮ったことに気がつく。

 ブレインズは国際救助隊に迷惑をかけた上、メカの写真まで撮られたことに責任を感じ、犯人が湖に潜んでいると考えて一人で探しに出かける。しかし水中でフッドに出会い、失神させられてしまった。ゴードンはサンダーバード4号で救助に向かうが、フッドの潜水艇に襲われ、逆に潜水艇を破壊、フッドは慌てて単身逃走した。ブレインズもゴードンたちに助けられた。

 最後。ブレインズとミンミンは入院しているブレークリー教授を見舞いに行くが、教授はめげるどころか、二人に次はカリビア海に眠る400年前の財宝を探しに出かけようと持ちかけてくる。二人は予定があるからと慌てて退散するのだった。


■感想

 昨年(2015年)の夏に、新作テレビシリーズ「サンダーバード ARE GO」の放送に連動して、1965年版の「オリジナル版サンダーバード」の特選エピソードを放送したのですが、ようやく今頃視聴しています。


 今回のエピソードはサンダーバードのエピソードの中ではどちらかというと変化球系の一作。珍しくブレインズが島を離れ、趣味の(?)の宝探しに出かけたところ、フッドの罠にはまり……、という冒険系のエピソード。アナスタ湖がどこにあるかは不明ですが、往路の途中でピラミッドが見えたことからして、サハラ砂漠のどこかだと思われますが……、ブレークリー教授がタクシーで乗りつけたことを考えると、砂漠のど真ん中ではなく、意外と街から近いところにあるのかも。

 冒険系の話の常で「救助メカで事故・災害に襲われた人たちを救う」という方向の爽快感は無いものの、1号・2号・4号が活躍し、ビジュアル的には結構嬉しいエピソード。フッドの小型潜水艇のデザインは今見ても全く古さが無いし、またトレーラーの後部を開いてそこから潜水艇が湖に滑り込んでいくシーンなど、メカ好きをうっとりさせるギミックにはワクワク。それにしても、毎度おなじみカメラ探知機、どういう原理の機械なのか謎過ぎる……

 しかし、今回のフッドの行動の一貫性の無さはどうなのかと言いたくなる迷走ぶり。最初はブレインズたちから宝の場所を聞きだそうとしますが、そのあとはサンダーバードメカの写真撮影に方針転換、そこで満足して逃げればいいのに、何故か4号に攻撃を仕掛けて逆襲されて、写真がパーに。多分日本独自の翻訳だと思うのですが、二言目には「国際救助隊め、メチャクチャに叩き潰してやるぞ」と口走るので、お前は宝が目当てなのか写真が欲しいのか復讐したいのかどれなんだ、と突っ込みたくなる事請け合い。

 最後は「うへぇ、宝探しはもうこりごりだぁ」とかいう台詞が聞こえそうなオチでニッコリですね。