感想:特撮「マイティジャック」(1968年) 第9話「地獄への案内者(ガイド)」


マイティジャック Vol.1 [DVD]

放送 CS放送・チャンネルNECO。全13話。

【※以下ネタバレ】

1968年・円谷プロ・60分・カラー・スタンダード

当時のテレビ史上最高額である1,000万超の製作費を投じて劇場映画級で取り組まれ、円谷プロの最高傑作とも評される本格特撮ドラマ。近代科学の粋をこらして建造された万能戦艦マイティ号に乗り込み、悪の組織・Qから現代社会を防衛する11人の勇者たちの活躍を描く。

第9話 地獄への案内者(ガイド)

あらすじ

 Qは新型潜水艦でアメリカ海軍の空母ノストラム号を撃沈し、さらに近くを通りかかった日本の漁船もついでに沈めてしまった。しかしQ上層部は、秘密にすべき新型艦の存在を明らかにしてしまったとして、潜水艦の艦長に漁船の生存者の口封じを命じる。艦長には、記憶を消されて殺人マシンと化した男「捕虜101号」が部下として付けられる。

 日本では、源田が中東アデンで事故死したはずの知人・久能が海外から帰ってきたと知り、久能の恋人・恵理子(桜井浩子)と共に久能探しを始める。久能こそ、捕虜101号その人だった。久能は上司の「217号」の命令で漁船の生存者を射殺するが、そのうち記憶を取り戻し失踪する。

 マイティ号はついにQの新型艦と遭遇、ビブリダーとの連携で撃沈した。

 最後、久能は217号を射殺した後、爆弾で自爆して果てた。


感想

 評価は△。

 ダメなほうの回。いきなりQの新型艦がアメリカの空母を撃沈するため、今回はマイティ号とこの艦との死闘回かと思わせておきながら、以後話は一転し、源田&恵理子の久能探しの旅が延々と続くだけの退屈なエピソードであった。

 途中唐突にマイティ号とQの新型艦の対決が実現するが、新型艦は潜行に加え空中飛行まで可能というQ版のマイティ号とでも言うべき万能ぶりだったが、ビブリダーにパラシュート弾を打ち込まれ(効果不明)、翼の先の回転ノコギリで斬りつけられた末に、なすすべもなくマイティ号に撃沈される、というだらしなさ。何故コースを変えて反撃しなかったのか謎である。

 最後久能が217号を射殺した後自爆する、という展開は、一応「洗脳されたとはいえ人を殺してしまい、もう恋人の下には戻れない」という悲哀を感じさせてしかるべきなのだが、展開が雑というかすぎて、何の感慨も沸かない結末であった。

 源田役二瓶正也と恵理子役桜井浩子の競演は「ウルトラマン」を髣髴とさせて、そこだけはなんだか嬉しかった。


EX合金マイティジャック 万能戦艦マイティ号 Ver.2